DIATONE70周年 スペシャルサイト

with DIATONE 私とDIATONE with DIATONE 私とDIATONE

DIATONEは、子どもの頃からの憧れのブランド決して裏切られることがない、信頼できる音です。 DIATONEは、子どもの頃からの憧れのブランド決して裏切られることがない、信頼できる音です。

日常生活の中の音や自然の中の音を録音し、それを編集して音楽を構築していくヨシ・ホリカワさん。
2009年にフランスのレーベルからデビューし、現在はイギリスのレーベルからアルバムをリリースしています。SónarやGlastonbury festivalなど数々の世界的規模の音楽フェスティバルにも出演し、そのユニークな音楽の世界観が高く評価されています。また、音楽制作だけにとどまらず建築音響に関する仕事も多く、音で空間をデザインするプロフェッショナルでもあります。

ギター、ピアノなど一般的な楽器を使わずに音楽をプレイするヨシ・ホリカワさんにとって音の出口であるスピーカーは重要な存在です。そんなヨシ・ホリカワさんにとってDIATONEはもっとも信頼できるブランドだといいます。DIATONEの試聴室で70周年を記念して作られたNCV振動板を搭載した試作機の音を聴いていただきながらDIATONEとホリカワさんについてお話をうかがいました。

サウンドクリエイター
Yosi Horikawa さん

環境音や日常音などを録音・編集し楽曲を構築するサウンド・クリエイター。これまでにリリースしたEP”Wandering”(2012年)、Album”Vapor”(2013年)がそれぞれTime Out Tokyo誌やThe Japan Times誌等、様々な媒体においてその年のベストアルバムに選出される。

これまでにSónar Barcelona、世界最大級のGlastonbury festival等、世界20ヵ国以上での公演を行う。2014年、自身の音楽制作過程を追ったドキュメンタリームービー”Layered Memories”が完成。その他、光州デザインビエンナーレにおいて建築家隈研吾の作品でのサウンドデザインや日本科学未来館におけるiPS細胞関連展示でのサウンド全般を担当する等、多方面で活動中。

音楽制作にとどまらず建築音響まで幅広く活躍するサウンドクリエイター 音楽制作にとどまらず建築音響まで幅広く活躍するサウンドクリエイター

ホリカワさんは12歳の頃から音楽をつくりはじめたそうですね。

もの作りが大好きな少年で、自分が感動したものをなんでも作ろうとしていました。おもちゃも自分で作っていましたし、音楽もそういう存在でとにかく感動した音楽をなんとか自分で作りたかった。

小さい頃にピアノを習っていたんですが、なぜかピアノで作曲をするという発想にはならず、おもちゃ作りの延長でそのへんのものを叩いて音を出し、それを録音して音楽を作り始めたのが12歳の頃です。それ以来、楽器を演奏するというより録音した音を配置して音楽を構成していくことに興味を持ち、今もそのスタイルで音楽制作をしています。

大学では、音楽ではなく建築学を学ばれていたとか。

夢に出てきた見たこともない風景を実際にカタチにしたいという願望があったんです。それを再現するには建築家になるのがいいかなって思っていたんですけど、ある日、音楽でもやれないかなって思ったんです。それから外に出て、音の素材を集めてコラージュして、音で見たこともない風景をつくりだす作業をやり始めました。建築は一人の力ではできませんが、音楽なら一人でも作ることができますからね。

ホリカワさんのアルバムの曲を聴くと、音の広がりというか空間を感じました。
建築を学ばれたことが関係あるのでしょうか?

私は主旋律よりは全体像を重んじて音楽を作っています。その音を通じて感じる風景。まさに音で空間を構築していく感覚です。そういう意味では建築的かもしれませんね。映画でいうと背景だけ作りたい(笑)

リスナーがその世界に入っていって主人公を演じられるような音の空間をつくりたいんです。

自作スピーカーにフルレンジスピーカーの名器P-610を採用 自作スピーカーにフルレンジスピーカーの名器P-610を採用

さて、ホリカワさんがDIATONEを知ったのはいつの頃ですか。

父親が音楽好きで、家の中では常に音楽が流れているような環境でした。その父親がよく「日本のスピーカーにはなかなかいいのがない。あるとすればDIATONEくらいだな」って言っていたんです。

まだ本当に小さかった頃ですが、DIATONEという名前はそのときに強く印象に残りました。

幼児体験でDIATONEの名称を刷り込まれたわけですね(笑)

そうですね(笑)。私が音楽づくりやオーディオに興味を持ち始めた頃には、もうDIATONEは生産終了していたのでリアルタイムでは知らないのですが、DS-2000とかDS-3000、あのあたりのスピーカーは本当に欲しくて指をくわえてカタログを見ていました。

先日、DS-MA1をここで聴かせていただいたときはとても感動しました。

実際にDIATONEのスピーカーをご使用されたのはいつですか。

ある時期からスピーカーの自作を始めたんです。父親からは「スピーカーなんて自分で作るもんじゃないぞ。あんな難しいものはないから」と言われていたのですが、どうしても作りたくて3インチくらいのフルレンジスピーカーを使って自作してみたら思いの外いい音がしたんですね。

スピーカーボックスも自作したのですか。

普通に木の箱で作れば簡単なんですけど、「並行面はない方がいい」とか、「バッフルも少ない方がいい」ということが調べていくうちにわかってきて、発泡スチロールで逆ホーンのような後ろがすぼまっている曲面の型を作ってそれにグラスファイバーを巻いて樹脂で固めて作りました。

それが意外によくて、こんないい音がするならもっと作ってみようと思って、スピーカーのユニットのことを調べ始めたんです。その中で、究極のフルレンジスピーカーってどれだろうと思って調べていくと、どうしてもDIATONEのP-610が出てくるんですよ。その頃はもう販売は終了していましたが、どうしてもP-610の音を聴いてみたくてネットオークションで手に入れて、自作したスピーカーボックスに入れて鳴らしてみました。

DIATONE P-610の音はどうでしたか。

本当にいいスピーカーだと思いましたね。あれだけクセなくフラットに、しかも質の高い音がするスピーカーはなかなか他に見当たりません。古い設計なのにまったくそれを感じさせないというのも衝撃的でした。

今もP-610を使った自作スピーカーは家に置いてあります。

クセのない音というとどういう音なのでしょう。

演奏している音、アーティストが作った音がそのままリスナーに伝わるという意味です。聴く音楽などによっては多少クセがあるスピーカーの方を好まれる方もいますが、私は録音したそのままの音を聴きたいのでクセがない音のスピーカーが好きなんです。

技術と芸術が高い次元で調和しているDIATONE 技術と芸術が高い次元で調和しているDIATONE

ホリカワさんにとってDIATONEのスピーカーのよさってどんなところですか。

今、お話したクセがないということがあると思います。最近、ツアーでいろんな国に行く機会が多くなったのですが、音に関して国民性って出てくるなあって感じています。所属しているのがイギリスのレーベルなので、イギリスによく行くのですが、イギリスの気候やイギリス人の気質がイギリス製のスピーカーの音にも影響しているように感じています。それでいうとDIATONEはとても日本らしいですね。とても誠実な音を出します。とことん素材にまでこだわって作られていて、それが音に表れています。なによりも試聴を徹底して繰り返し、作られているように思います。

スピーカーっていい素材を使えばスペックは高くなりますが、スペックの高さと音のよさって必ずしも一致しないような気がするんです。スペックの数値が高いスピーカーを買っても思ったような音がしないことが多々あります。これは何だろうといつも考えるんですよね。音や音楽には数値だけでは計れないものがあるんでしょうね。技術と芸術のバランスというか...、技術を高めれば芸術性が高くなるかというと完全には比例しない。そこがスピーカーの面白いところでもあるんですが、DIATONEのスピーカーは技術と芸術の両方を満足するようにじっくり時間をかけて作られていると思います。

ミュージシャンの方にそう言って頂けるとありがたいです。
ちなみに、DIATONEブランドにはどんなイメージを持たれていますか。

誠実な信頼できるブランドですね。私の知っている限りではDIATONEブランドを冠したものには、外れた製品がないという気がします。一貫してちゃんとDIATONEの音がある。そこはすごいなあと思います。スピーカーの素材が変わってもちゃんとDIATONEの音がする。

最近、お仕事でDIATONEのスピーカーを使ったとお聞きしましたが、そのご感想は。

今回、METoA Ginza(メトアギンザ)のエレベーター内のサウンドディレクションで密接に関わらせていただきました。そこで初めてNCV素材のスピーカーの音を聞かせていただいたのですが、とても不思議な感じがしました。クセのなさという点ではポリプロピレン素材を使ったスピーカーのようですが、立ち上がりの速さやカリッとした音の印象は金属素材を使ったスピーカーのようでした。でも金属素材のフルレンジスピーカーだと耳のそばで鳴らすとキンキンする感覚があるのですがそれがまったくありませんでした。

エレベーターの中の狭い空間の中で、しかも耳の高さにスピーカーの位置を調整しているので、鳥の鳴き声などはキンキンして聴こえてしまわないか心配だったのですが、むしろ自宅で聴いているより自然なので驚きました。

素材のよさとお出汁だけで勝負できる極上の日本料理のようなスピーカー 素材のよさとお出汁だけで勝負できる極上の日本料理のようなスピーカー

先ほどDIATONE試作機の音を聴いていただきましたが、そのご感想は。

METoA Ginza(メトア ギンザ)の仕事で関わったNCV素材のフルレンジスピーカーの印象と同じです。音の立ち上がりが速くキレもいい。今までには聴いたことがない新しいDIATONEの音だと思いました。みんながよだれを垂らして欲しがるスピーカーだと思いますね。大きさがぜんぜん違うトゥイーターとウーファーを同じ素材で作れるってすごいと思いました。

このつながりのよさはすごいです。2ウェイですがフルレンジを聴いているような感覚。上から下まで質がぜんぜんブレていません。

 

私は仕事柄、音楽制作に使うモニタースピーカーの感覚で聴いてしまいますが、オーディオとして聴けば、とても心地よいチューニングがしてあるように感じます。普通の部屋で聴くにはとても気持ちがいい音です。あと位相特性もとてもいいです。先ほど、自分の楽曲をこのスピーカーで聴かせていただいたのですが、音の広がりも素晴らしかったですが、真ん中にパニングしたモノラルの音がきちっと真ん中に来ていました。位相をちょっとずらしている音も如実にわかる。あれは見事です。高音域もきれいだし、音も混ざらない。いままでにない音だと思います。

本当にまじめな音なんだけど退屈じゃない。いい意味でクセがない。でも、ほんのり味付けがあるんですね。味というか艶というか。DS-MA1を聴いたときにもそう感じました。そこがDIATONEの魅力です。音源の美しさがそのまま聴けるという貴重なスピーカーですね。本当に音の良さを知っている人が「ああ、これだ!」って納得する、そんなスピーカーですね。

ホリカワさんがお作りになる音楽にもとても合うのではないですか。

そうですね。僕の好きな音です。カリッとした音が好きなので普段は金属系の素材のスピーカーをよく使っていますが、あまりカリカリした音だと長く聴いていると疲れてしまいますが、このスピーカーの音はカリっとしているのに疲れませんね。ずっと聴いていられる感じ。それはすごいことです。本当に理想的。オールマイティじゃないですか。

これからのDIATONEにどんな期待を持たれていますか。

試作機とはいえこうしてDIATONEが復活したのは非常にうれしいことですし、これからに期待したいです。伝説のDIATONEの新しい音を聴ける。しかも、自分もほんの少しですが関わっていられることを本当に誇らしく思います。

先ほど、DIATONEは日本らしい音だと言いましたが、このスピーカーは一流の日本料理のようです。素材のよさと後はお出汁で勝負!みたいな。今回は試作機ですが、ぜひ市販モデルも出して欲しいですね。待っている人が世界中にいると思います。個人的にはNCV素材を使ったDIATONEのモニタースピーカーを製品化していただきたいですね。

ありがとうございました。DAITONEのこれからにぜひご期待ください。