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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

DIATONE SOUND.NAVI
NR-MZ300PREMI

オーディオ評論家土方久明による
徹底試聴!!

試聴会の総論

ダイヤトーンの最新鋭センターユニット「NR-MZ300PREMI」を中心に、クラシック、ジャズ、ボーカル、アニソン等々まで多くのジャンルの楽曲を試聴した。
結論として「NR-MZ300PREMI」の再生音は、期待を大きく上回るものだった。筆者が感じた本機のアドバンテージは大きく4点ある。
まず1点目は、ライン出力、スピーカー出力、両者とも情報量が多いこと。2点目は聴感上のS/N比が高くノイズフロアが低い、つまり小レベルの音がスポイルされず、サウンドステージの表現に長けていること。3点目は内蔵アンプの音が良かったこと。4点目は、音色にクセが少なく音源が持つ音色や音調をアキュレイト(正確)に表現できていたことだ。
この特長は、筆者が出向くコンテストでエントラントの車を聴いていた時とある程度共通しており(もちろんインストーラーの個性が反映されるが)、今回の取材でも改めて実感した次第だ。

試聴環境

ヒラリー・ハーン
「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042 第1楽章:Allegro」

超絶技巧と美貌を持つ世界的な人気ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンは、名門ドイツ・グラモフォンやソニークラシカルなどのレーベルから多くのアルバムをリリースしている。
バッハをフィーチャーして2016年に再発売された本作は、その超絶技巧による演奏が名演として評価され、クラシックファンの定番として知られる1枚だ。
また、音質の高さでオーディオファンからの支持も厚い。筆者も愛聴盤として何回も聴いていて、オーディオ機器の性能を確認するにはもってこいだ。
今回の試聴でも、ヴァイオリンの音色が透明感あって美しく、艶のある弦の音に聴き入ってしまった。組み合わせたスピーカー「DS-G300」は、ダイヤトーンブランドの中ではエントリーモデルだが、コストパフォーマンスも高く、トータルのグレードが担保されていたとはいえ、センターユニットとして利用した「NR-MZ300PREMI」の能力が如実に音に現れた結果だろう。
そう感じさせたのは、エントリークラスのセンターユニットと根本的に違う、ノイズ感の低さ(オーディオ用語だとS/N比と表現される)と立体感のあるサウンドステージで、曲が始まる前の一瞬の静寂感で、センターユニットのノイズレベルが根本的に低いことを実感した。
本盤はヴァイオリンとオーケストラの協奏曲であり、主役となるヴァイオリンとオーケストラの音を明快に分離しつつ音楽的な協調を表現しなくてはいけないのだが、見事にヴァイオリンの繊細な響きとオーケストラの重厚感、そして立体的なサウンドステージが両立し、メロディアスなバッハの楽曲を秀逸に聴かせてくれた。また、音色が良い上に高域から低域までのレンジが広く、意外にも4オクターブもの広帯域を出せるヴァイオリンの魅力をよく再現している。更に聴き手を飽きさせないメロディアスな表現と、滑らかで倍音の伸びの良い音が素晴らしい。
このシステムで聴くクラシックは、誰もがパッと聴いて「良い音」だと認識できる素性の良さがある。

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