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プロフェッショナル・コンテンツ DIATONEの70年に及ぶ音響技術をここに結集。カーナビが手に入れた、異次元の高音質。

カーナビインプレッション DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ80PREMI/NR-MZ80 DIATONE SOUND. NAVIがデビューして1年。NR-MZ60がベースなら、マイナーチェンジしてもそれほど大幅な音質向上や機能向上が望めるとは思わなかった。ところが、その予想は見事に外れた。 カーオーディオジャーナリスト 石田功氏

DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ80シリーズ製品レビュー

今だからいうが、ダイヤトーンがサウンドナビの後継機を出すというウワサが飛び込んできたのは6月だったと思う。マツダのディーラー・オプションのダイヤトーン・サウンド・ナビが新型に切り替わったという話を耳にしたときだ。とはいえ、その時は「なにがなんでも試聴したい!」とか「情報をいち早く入手したい」とは思わなかったのも事実。というのもDIATONE SOUND. NAVIがデビューして、まだ約1年。フルモデルチェンジはあろうはずが無いし、もともと音質に優れたNR-MZ60がベースなら、マイナーチェンジしてもそれほど大幅な音質向上や機能向上が望めるとは思わなかったからだ。

いちおう、その内容について、三菱の担当者に問い合わせてはみたものの、返事は曖昧だし資料も無い。「そりゃ、そうだよね、守秘義務があるんだから」。しつこく問えば、こっそり教えてくれる可能性もあったとは思うが、当時はそんなにしつこく聞き出そうとも思わなかった。

ところが、その予想は見事に外れた。もちろん、いいほうにである。8月21日の発表直後の試聴会で資料を渡されて、まず驚いた。きめ細かい音質調整を行うDSP部が、64bit演算コア・タイプにパワーアップされているのだ。従来のNR-MZ60でも40bitの高精度演算DSPを搭載しており、ハイエンドカーオーディオ等に搭載されている24bit DSPと比べても約65000倍の緻密さで演算を行っていたのだが、NR-MZ80の64bit演算コアDSPは計算上、NR-MZ60よりもさらに約1677万倍も高精度な演算が可能。そのおかげで、アジャスタブルFIR方式の調整が可能になった。

また、デジタルオーディオの音質を乱す元となるジッターやデジタルノイズの混入を防ぐピュアデジタルアイソレーターも採用。もちろん、NR-MZ60にも使われていたDACマスタークロック方式や、AD独立ローカル電源も搭載している。フィーチャーを見ると、ダイヤトーンのフラッグシップ・デジタルプロセスセンター、DA-PX1とほとんど変わらない仕様に進化しているではないか。資料に目を通しただけでも、ワクワク感が高まってくる。

しかもアナログ部分もブラッシュアップ。回路の見直しやパーツの最適化といったオーディオ回路のファインチューニングは、マイナーチェンジの常套手段だが、それだけにはとどまらず新たにリモートポテンシャル伝送バッファアンプを搭載。これは、内蔵パワーアンプのグランドを基準に信号電圧を発生させることで電位差をなくし、信号伝送時のノイズの影響を排除するものだ。

このように、オーディオ部はマイナーチェンジとは思えないほどのバージョンアップ。D/Aコンバーターは、NR-MZ60同様の32bitだが、カーオーディオでは一般的な24bitタイプに比べて、より緻密な音楽再生が可能だし、同じ32bit DACの中でももっとも高音質なタイプを使用しているとのこと。資料を読むだけでも音質が向上していることが伝わってきて、期待感を高めてくれる。さて、いよいよ試聴である。

ファースト・インプレッション

NR-MZ60PREMI

まずは、試聴室でNR-MZ60とNR-MZ80の比較。先にNR-MZ60のプレミアムモデルの音を確認する。スピーカーは、ダイヤトーン・カースピーカーのフラッグシップ・モデル、DS-SA1だ。これは、これで素晴らしい。内蔵アンプだから、低域のエネルギー感はそれなりだが、音に透明感があるし、情報量も十分。音に色づけがなく、あくまでも自然に音楽を伝えてくれるのも好ましい。また、音の立ち上がりのレスポンスもスムース。変になまったり、強調したりせず、ありのままの音を伝えてくれている印象、すなわちハイフェディリティな音である。カーナビとしては圧倒的な高音質と断言してもいいし、カーオーディオのハイエンド機器と比べても、なんら遜色ないサウンドクオリティといってもいいだろう。相変わらず、NR-MZ60恐るべし、である。

NR-MZ80PREMI

そんなNR-MZ60の音を記憶しつつ、NR-MZ80に交換してみた。NR-MZ60で聴いたCDと同じ曲を聴いたのだが、音が出た瞬間、まったく異なる音場が展開したのには驚いた。ヴォーカル音像が立体感を伴ってシャープにフォーカスし、その周囲を囲む楽器は前後の微妙な距離差もわかるほど。奥行感をこれほど明確に描き分けるソースユニットを聴いたのは、DA-PX1以来かもしれない。この音を聴いたあとだと、あんなに素晴らしかったNR-MZ60の音が平面的に聴こえてしまうほど。NR-MZ60が3Dテレビのような音場表現だとすれば、NR-MZ80は肉眼で見たような立体感。それほど、音場再現力には違いがある。

それだけではない。まず、静けさが違う。音と音の隙間の無音部分が静かなのだ。だから音が際立って聴こえるし、音が消え入る間際の音まできれいに響く。しかも大きな音に埋もれがちな小さな音までハッキリと聴こえる分解能の高さ。32bit DACと徹底したノイズ対策のおかげといえるだろう。もちろん、ダイヤトーンのサウンドコンセプトである「なにも足さない、なにも引かない」に基づいた音の色づけのなさも、よりレベルアップした印象。NR-MZ60を聴いたあとにNR-MZ80を聴くと、NR-MZ60にも若干ながら付帯音があったんだな、と感じてしまう。それほど、より原音に近い素直でストレートな音だ。

イコライザーの音質補正で音場が立体的に

これが、イコライザー等の音質補正を加えると、より違いが際立つ。それはNR-MZ80がアジャスタブルFIR方式を採用した効果だ。NR-MZ60は演算bit数の関係上、IIR方式を採用していたため、調整はしやすいものの、調整後は多少の音質劣化が避けられない状況だった。ところがNR-MZ80に採用したアジャスタブルFIR方式は、調整時に調整性に優れたIIR方式で演算し、再生時はFIR方式で演算を行うという、両者のいいとこ取りをした方式だ。調整画面から再生状態に戻すと、グンと情報量が増して音場が立体的になるのがわかる。

今までイコライザーを入れても音の鮮度が落ちないことは不可能だとあきらめていたが、今回イコライザーを施す前の音と施した後の音を厳密に聴き比べて、正直驚いた。本当に殆ど音の差を感じずイコライザーを入れたメリットのみが享受できるのだ。これはおそらくハイエンドホームオーディオですら今まで達成できなかった事だと思う。ただし調整時と再生時の音が若干異なるため、調整にはコツが必要だが、これは使っているうちに慣れると思う。このへんは、優れたサウンドチューニング技術を持つDIATONE SOUND.NAVIの音質調整店に任せておけば安心だろう。

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