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CLUB DIATONE
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プロフェッショナル・コンテンツ DIATONEの70年に及ぶ音響技術をここに結集。カーナビが手に入れた、異次元の高音質。

カーナビインプレッション DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ100/NR-MZ100PREMI 「正しくハイエンドなサウンド」 音楽プロデュー サー 岩田 由記夫氏

DIATONE SOUND. NAVIがついにフルモデルチェンジ

ナビというカテゴリーにいながらハイエンドオーディオとの両立をした新機軸の製品であるのDIATONE SOUND. NAVIが登場してから約3年半が経とうとしている。 「良い音で音楽を聴きたい、ただしナビは必需品」というユーザーにとって、ニーズがピタリとあったDIATONE SOUND. NAVI。 また、「標準の車載スピーカーでも高音質を実現する」という新機軸を打ち出すことにより、カーオーディオユーザーの拡大を行ってきたDIATONE SOUND. NAVI。 カーオーディオを身近なものにしてきたDIATONE SOUND. NAVIだが、ついに今回フルモデルチェンジで、すべてのカーオーディオの一番高みを目指すべくスーパーハイエンドオーディオセンターユニットとしてさらなる覚醒が施された。

それが2015年10月に発売されたNR-MZ100シリーズだ。 コストパフォーマンスの高いNR-MZ100と、より高度な音質調整機能を持つNR-MZ100PREMIの2ラインアップ。 10月1日の発表と同時にセンセーションを巻き起こしている新製品をいち早く試聴した。 今回のDIATONE SOUND. NAVIは、昨年来のモデルの“オーディオナビシステム”からより進化させた証として、“ハイエンドオーディオ&カーナビゲーションシステム”と定義された。 これはこれまでの音が格段に良く再生できるオーディオ・システムを組み込んだDIATONE SOUND. NAVIから何歩も先へ進んで、これまでハイエンド・カーオーディオ・ユーザーしか体験できなかった音の世界を誰でも味わえることを意味する。 もちろん、ナビ機能もハイエンドと呼ぶのにふさわしい進化を遂げている。

試聴インプレッション 繊細な表現まで再現

1980年代中期以降、数々のハイエンドカーオーディオを試聴してきたが、NR-MZ100PREMI、DIATONEスピーカーDS-G500、SW-G50、そして外部アンプはモスコニを積んだ アルファロメオ ジュリエッタ の音はそれらに勝るとも劣らない正しくハイエンドなサウンドだった。

と、まず結論を記してしまったが、試聴ディスクのひとつ、イーグルスのライブ・アルバム『ヘル・フリーゼズ・オーバー』のイントロを聴いただけでこれがハイエンドな音であることが分かる。 ギターの弦の震えが見えるとか、パーカッションの響きからライブ会場の空気感が伝わるなどといった表現が、良質なカーオーディオへの賛辞とするなら、NR-MZ100PREMIの再生音はそれらの先にあるライブ会場で録音しているエンジニアが聴いている音、マスターテープの音を聴かせてくれる。 録音され、ミックスダウンされて完成するマスターテープをエンジニア、プロデューサー、ミュージシャンは普通、大型のモニタースピーカー、中型あるいは小型のモニタースピーカーなどと何種類かのスピーカーで試聴してOKを出す。 NR-MZ100PREMIを中心にダイヤトーンのスピーカー群で組んだジュリエッタの再生音は、まるでスタジオでマスターテープをモニターしているかの錯覚を起こさせてくれたのだ。 音楽再生に対し徹底的なリアリズムを実現している。

さらに踏み込んだ試聴としてボズ・スキャッグス、2015年最新作 『ア・フール・トゥ・ケア』 とキース・リチャーズの同じく2015年の最新ソロ・アルバム 『クロスアイド・ハート』 を選んだ。 何故この2枚にしたかというのはわけがある。 まず、発売年が新しいこと。 次に共に名ドラマー、スティーヴ・ジョーダンがプロデュースに名を連ね、ほとんどの曲でドラムを演奏していること。 双方とも流行のEDMやコンピュータ・ミュージックではなく、昔ながらの演奏者を集めたオーソドックスなレコーディングであることなどが選盤の理由だ。

ア・フール・トゥ・ケア 』の方はテネシー州ナッシュビルのブラックバード・スタジオでほとんどの曲が録音されている。 一方、キース・リチャーズの 『クロスアイド・ハート』 の方は、ほぼ全曲がニューヨークのゲルマーノ・スタジオでの録音。 エンジニアも当代一流と呼ばれる人が起用されている。 ボズ・スキャッグスがニコ・ボラス、キース・リチャーズはデイヴ・オドネルを全面起用した。 さらにマスタリング・エンジニアも当代一流の人選。 ボズ・スキャッグスをバーニー・グラウンドマン、キース・リチャーズをグレッグ・カルビがマスタリングしている。 単に音楽が好きというだけでなく、その音楽の作られ方、レコーディングなどに興味を持つ、音楽/オーディオ・ファンには聴く前から期待できる制作スタッフ揃いなのだ。

この2枚で聴き比べようとしたのは、スティーヴ・ジョーダンのドラムスの音だ。 NR-MZ100シリーズなら、良い録音さえされていれば、ドラムスの音をリアルに再生するなど当たり前にこなしてくれる。 フルモデル・チェンジ前のDIATONE SOUND. NAVIでもそういったことは充分に聴き分けられた。

では、ドラムスの良い再生音を聴くということからさらに一歩踏み込んで、同じドラマーがナッシュビル、ニューヨークと異なるスタジオでどういうドラムを聴かせてくれるか、その差を聴き分けられるだろうか? NR-MZ100シリーズは、並みのハイエンドカーオーディオなら同じように聴かせてしまいそうな両CDのドラムスのごくわずかなニュアンスの違いを見事に鳴らし分けた。 ナッシュビル録音のボズ・スキャッグス、ニューヨーク録音のキース・リチャーズ、両者のバックで鳴るスティーヴ・ジョーダンのドラムの音は、サウンドの湿り方、乾き方、微妙なチューニングの違い、キース・リチャーズ、ボズ・スキャッグスというミュージシャンの性格の違いに合わせたドラミング、それらハイエンド・ホームオーディオでも鳴らし分ける、聴き分けるのがなかなか難しい再生音の微妙なニュアンスを、見事に聴かせてくれたのだ。 僕は音楽を聴くプロなので、ここまで立ち入った、ある意味では再生システムに酷な試聴をした。 相当な音楽&オーディオ・コアユーザーでないと、こんな比較試聴はしないと思う。 ただ、これからNR-MZ100シリーズを導入しようと検討中の方は、こんな細部の細部まで再生可能なハイエンドカーオーディオであることを知っておいて欲しい。

次にドン・ヘイリー、15年ぶりのソロ・アルバム 『カス・カウンティ』 を聴いた。 彼が所属するイーグルスがデビュー当時、売りものにしたカントリー・フレイバーではなく、本物のカントリー・サウンドに挑戦したアルバムだ。 ドン・ヘイリーが生まれ育ったのは、テキサス州カス郡リンデンという人口数百人の小さな町。 1960年代、ザ・ビートルズがアメリカでブームとなった時も、リンデンにはそういった最新ニュースは伝わらず、ドン・ヘイリーはAMのカントリー・ラジオ局を聴いて育った。 その原点に立ち戻ったのが本アルバムなのだ。 テネシー州ナッシュビル、テキサス州ダラスで録音されたこのアルバムが再生機器に求めるのは、本物のカントリー・ミュージックとドン・ヘイリーならではの現代的持ち味がミックスされた、アメリカ流究極のアコースティック・サウンドの再現だ。 もちろん、なんの苦もなく、ドン・ヘイリーの意図した音は自然に再現された。 再生音のリアルさを聴かせるのはもう当然のことで、ミュージシャン、製作者の意図まで聴かせる、これまでホームのハイエンド・システムで求められていたことが、NR-MZ100シリーズでは可能になったのだ。

人間の声はどう再現できるかと、井筒香奈江の『時のまにまにV』を聴いた。 最高性能と言われるクリスタルディスクに迫るUltimate QH CDで作られた作品だ。 すべて無伴奏で歌われる「元気を出して」は、オーディオ・システムにとっては絶好であり、過酷なリファレンス音源だ。 例えば数万円のチープなシステムで再生すると、この歌は鼻歌程度に聴こえてしまうだろう。 ところがNR-MZ100PREMI、DS-G500、SW-G50のようなハイエンド・システムで再生すると井筒香奈江が眼前にいるように感じられるのだ。 よくオーディオ的表現で、口の開いた形が見えるとか喉の震えが見えるなどと言われるが、それらを通り越した先。 まるで彼女がそばにいて、その体温まで伝わってくる超接近感をこのCDは持ち、NR-MZ100PREMIは、歌を超えた吐息のようにこのアルバムを再生してみせた。

ハイレゾ音源にも対応

今回のフルモデル・チェンジで人気上昇中のハイレゾ音源にも対応した。 ダイアナ・クラールの名作『ザ・ガール・イン・ジ・アザー・ルーム』から夫であるエルヴィス・コステロ作「オールモスト・ブルー」をハイレゾ音源で聴いてみた。 CD音源に比べて、本曲に関してはよりサウンドにまろやかさが加わった。 声の消え際とか、ピアノのシンコペーションなど細部がCD以上に伝わる。 個人的にはすべてのハイレゾ音源がCDより圧倒的に良いという考えではないが、ハイレゾ化することによって得られるひとつのメリット、音がよりまろやかになる特質をNR-MZ100シリーズは難なく再現してくれる。

劇的に再生音が良くなっただけでなく、バーチャル5.1ch対応。 今回のフルモデル・チェンジは、これまでのカーオーディオの概念を変える、ハイエンドな世界にユーザーを誘ってくれるのは間違いない。 とんでもなくコストパフォーマンスの高い製品だ。

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