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CLUB DIATONE
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おすすめの名盤 SOUND EXCELLENCE

副題に“フィールド・レコーディングス・フロム・ザ・グレイト・アメリカン・レイルロード”とある。その通り、アメリカはシカゴからロサンゼルスまで走る長距離列車テキサス・イーグルに、ビリー・ブラッグとジョー・ヘンリーは4日間乗り込み旅をした。その途中の駅の待合室や線路の脇で、ふたりだけでレコーディングを行った。選ばれた曲はレッドベリー、ハンク・ウィリアムズ、ジミー・ロジャースなどのカバーで鉄道をテーマにした曲が多い。サウンドはアコースティック・ギターの弾き語りのみだ。

シャイン・ア・ライト/ビリー・ブラッグ&ジョー・ヘンリー

ビリー・ブラッグ&ジョー・ヘンリー

シャイン・ア・ライト

『シャイン・ア・ライト/ビリー・ブラッグ&ジョー・ヘンリー』

一般的にレコーディングと言えばスタジオ録音が中心だ。優れた、ダイヤトーンサウンドナビのような装置で再生するとスタジオ空間の広さ、空気感まで伝わって来る。定位もセンターにボーカルがしっかりと収まるのが普通だ。ところがこのCDではスタジオ空間や壁の存在が無い。歌うふたりの背景は自然な青空だったり、窓が開け放されているのが分かる駅の待合室だったりする。スタジオ録音に慣れた耳にはとても新鮮な響きがある。曲の演奏中に鳥のさえずりや人々の喧騒も混じる。旅の曲が多いのでそれらが効果的なSEとなっている。昔ならこういう録音は2chの小型のレコーダーからラジオカセットくらいしか不可能だった。今回の録音は恐らく2人で持って歩けるほどの小型コンピュータでハードディスク録音されたと考えられる。録られた音はしっかりとしていて、スタジオの内外問わず、アコースティック・サウンドとしては良音の部類に入る。

忙しい日常を送る中、深夜のドライブでホッと一息つきたい時にこのアルバムを聴いてほしい。オープニングの「ロック・アイランド・ライン」を聴いた瞬間から一緒に旅をしているような気分になれる。終着駅ロサンゼルスで録られた最終曲、ゴードン・ライトフット、1966年の名曲「アーリー・モーニング・レイン」を聴き終えると聴いている自分も旅の終わりを感じられる。レコーディングという作業の可能性は無限にあることを教えてくれるユニークな良音盤だ。

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