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おすすめの名盤 SOUND EXCELLENCE

この9月で74歳になるロジャー・ウォーターズ。ピンク・フロイドは実質的に解散してしまったが、デビュー50周年となる年に、1992年の『死滅遊戯』以来、25年ぶりとなるソロ・アルバムを届けてくれた。

イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?/ロジャー・ウォーターズ

ロジャー・ウォーターズ

イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?

『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?/ロジャー・ウォーターズ』

『死滅遊戯』は、第一次湾岸戦争の最中にリリースされ、混迷深まる世界情勢を背景に、TV社会に警鐘を鳴らしたアルバムだった。今作のタイトルを直訳すると“これは私たちが本当に望んだ人生なのだろうか?”となる。この時代、世界を不安感や絶望が包み、その原因となっている戦争、紛争、テロ、危機、差別、環境、問題、貧困、社会、政治などに怒りを込めた攻撃的なメッセージ・アルバムとなっている。

プロデュースは、レディオヘッド、ベック、ポール・マッカートニー、U2などを手掛けて来たナイジェル・ゴッドリッチが担当。プロデュースだけでなく、エンジニアリング、バック・メンバーとしてキーボードやギターも演奏している。サウンドは、彼のこれまでのソロやピンク・フロイドに通じるものがある。SEやストリングスを大幅に取り入れたサウンド・コラージュが随所に聴け、“ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ”ならではの音となっている。「ピクチャー・ザット」という曲には、ピンク・フロイドの名曲「吹けよ風、呼べよ嵐」を連想させる部分があるし、シングル化された「スメル・ザ・ローゼス」には、「葉巻きはいかが?」に近い雰囲気がある。ロジャー・ウォーターズが“ピンク・フロイドの頭脳”と呼ばれていたことを改めて感じさせてくれる。ピンク・フロイドの作品がすべてそうであるように録音の質は極めて高く、UKのロックやプログレッシブ・ロックの好きな方には、クルマの中が劇場になった気分を感じられるだろう。そして、何かに集中したいと感じている時にこのアルバムの持つ研ぎ澄まされた静謐と激情が大いに役立つはずだ。ロック、それもUKならではの作り込んだ結果の良音と言える。CDの歌詞の和訳のある日本盤をお奨めする。

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