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CLUB DIATONE
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DIATONEオススメ CD&Playlist

おすすめの名盤 SOUND EXCELLENCE

晩秋から初冬。人の温もりが恋しくなる。そんな日には良質・良音の女性ボーカルが聴きたくなる。

ヒア・アンド・ナウ/エリン・ボーディー

エリン・ボーディー

ヒア・アンド・ナウ

『ヒア・アンド・ナウ/エリン・ボーディー』

高品質のカーオーディオから静かに暖かく女性の声が流れる。熱いコーヒーでもあれば最高だ。プロデュースのヴィクター・クラウスは、グラミー賞最多受賞の女性シンガー、アリソン・クラウスの兄。プロデュースだけでなく、全てのベース及びパーカッションも担当、アレンジも手掛ける。チェロ、ギター、ベース、1曲だけパーカッション入りとバックのサウンドは超シンプルだ。単調にならないようにヴィクターの他、シド・ロドウェイ、マット・ムニステリ、アダム・マネスと4名のアレンジャーを起用している。録音はアコースティック・サウンドに定評のあるナッシュビルのスプートニック・サウンド、ドッグハウスというスタジオが使われている。

歌われる曲は、ジャクソン・ブラウン、ポール・サイモン、リッキー・リー・ジョーンズ、ヴァン・ダイク・パークスなどといったシンガー・ソングライターたちの作品から、アーヴィング・バーリン、ジョージ・ガーシュウイン、レナード・バーンスタインと選曲の幅が広く、ここにも工夫が感じられる。それらがシンプルなバッキングとエリン・ボーディーの暖かく素直なボーカルによって、まるでオリジナルの曲のように聴ける。

使われる楽器は1934年製ギブソンL-1、1930年製ギブソンL-5、1953年製マーティン0-18、1869年製のアドルファスのチェロなど気が配られている。曲毎に使用楽器のクレジットもあるので、ビンテージ楽器ファンにとっては、音色の聴き分けに役立つ。ギブソンのL-1とL-5が同じ音色で聴こえてしまうようならカーオーディオのグレードアップが必要というような聴き方もできる。 女性ボーカル・ファン&良音マニアにとっては最良のリファレンスCDとなる。

初冬の早朝、薄闇の街へと車を走らせる。ステアリングを握る手は悴んで感覚が乏しい。エアコンが効いてくるまでの間、デリケートな楽曲に乗る暖かみのあるボーカルを聴いていると段々と手の感覚が戻ってくる気がする。3曲目が車内に響く頃にははっきりと自分の手を認識できるはずだ。

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