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おすすめの名盤 TREASURE DISC

むしゃくしゃしてたまらない。クルマに乗り込んであてもないドライブをしてみる。風景がどんどん変化し、気がついたら眼前は大海原、そんなことがあっても良いと思う。

MUTEKI/大森靖子

大森靖子

MUTEKI

『MUTEKI/大森靖子』

自分でも捕えどころの無い何かにとりつかれてしまい、ドライブをし、フロントガラスの風景の変化に心が和んでいく。そんな時のドライブ・ミュージックは、穏やかなヒーリング・ミュージックでなく、この大森靖子の新作のような熱い音楽の方が、かえってフィットしたりする。

2007年、ギター弾き語りで音楽活動をスタート。最初は聴衆ひとりなんてこともあったが、ギターの弦が切れるほどの激しい演奏、天才的な歌詞、強い歌唱力であっという間にインディペンデント・シーンの女王になった。ここからメジャー・デビューすると決めていたavexレコードより2014年、『洗脳』でアルバム・デビューし、インディー時代のギターかき鳴らし弾き語りから有名トラック・メーカーによるDTMサウンドに変化した。若い音楽ファンの支持は厚く、今や、“せいこ”と言えば松田聖子でなく大森靖子という時代になり、超歌手とも呼ばれる。

2曲の新曲「流星ヘブン」、「みっくしゅじゅーちゅ」を除いた18曲は、これまで発表したアルバムでDTMで歌われていたものを、彼女の本来のスタイルであるギター1本の弾き語りでセルフ・カバーしたものだ。インディー時代から彼女を知り、そのライブを体験したことのあるファンにとっては、自然なサウンドと言える。代表曲のひとつ「TOKYO BLACK HOLE」などを聴いていると、歌が生まれた時の興奮みたいなものも伝わって来た。思えば、インディー・デビューから10年。天才少女も30歳を迎えた。この新作がひと区切りとなって、次はどんな風景、サウンドに変化していくのか、期待感に満ちた内容となっていた。

海沿いのどこまでも続くストレートな道で、ステアリングを握りながらこのアルバムをかける。そんな贅沢なシチュエーションで彼女の激しくも情感溢れるサウンドを聴けば嫌なこともスカッと吹き飛んでいくはずだ。

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