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おすすめの名盤 TREASURE DISC

真冬の夜明けはひときわ美しい。海岸道路を東に向けて、クルマを走らせる。水平線がかすかなオレンジ色から、鮮やかなオレンジ色に変わり、ゆっくりと太陽が顔を出し、水面が染まる。波は今朝は穏やかで、世界は愛に包まれている気がする。

ソングス・オブ・エクスペリエンス/U2

U2

ソングス・オブ・エクスペリエンス

『ソングス・オブ・エクスペリエンス/U2』

そんなひと時U2、14枚目の新作『ソングス・オブ・エクスペリエンス』を大きめの音量でカーオーディオから流してみる。世界は充分に平和と言えないかも知れないが、それでもLOVE=愛が世界に何かをもたらしてくれる可能性を感じる。3年前、世界無料配信で話題になった前作『ソングス・オブ・イノセンス』と本作は対をなす。前作と今作でU2は、彼らのキャリアを振り返り、見直し、バンドと世界の今を提示したと思う。前作は、彼らの初期、1970年代中期から1980年代初期の若かった時代に受けた影響や発見、体験を綴ったアルバムだった。対となる本作では、U2のバンドとしてのマインド、家族、友人、ファン、そして世界中の愛に見捨てられた不幸な人々への手紙のような内容となっている。“LOVE”という言葉をタイトルに含んだ曲が3曲もある。これまでの本作以外の13枚、全148曲の中で“LOVE”がタイトルに含まれたのは、わずか5曲に過ぎなかった。それを知るとこのアルバムの内容が透けて見えて来る。ジャケットに写る2人の少年少女は、デビュー以来、4人の不動のメンバーの内、ヴォーカリストのボノの息子イーライとギタリストのジ・エッジの娘サイアンだ。この2人は手をつないでいる。家族の愛、つながり、社会や世代が引き継がれているのが伝わって来る。サウンドはU2らしい、ややくぐもった、それでいて骨太で芯のしっかりとしたロックだ。“LOVE”を捨ててしまったシーンの中だからこそ、U2の“LOVE”へのこだわりを感じる。

夜明けと共に「ラヴ・イズ・オール・ウィ・ハヴ・レフト」、「サマー・オブ・ラヴ」、「オーディナリー・ラヴ」をカーオーディオから流していると優しい気持ちが溢れてくる。1人でじっくりと愛について考えてみる。そんな時間もいいだろう。

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