「職る人たち」和ろうそく作り体験イベントレポート 「職る人たち」和ろうそく作り体験イベントレポート

2019年12月8日、CLUB MITSUBISHI ELECTRICの会員様をお招きしたイベント
「大與 櫨(はぜ)の和ろうそくづくり体験」が開催されました。ワークショップイベントの講師は、
第2回「職る人たち」にご登場いただいた、近江和ろうそく職人・大西巧さん。
イベントは、日本のものづくり・地場産業のブランドづくりをサポートする
株式会社リアルジャパンプロジェクト(東京・渋谷)のショールームで行われました。当日の模様をレポートします。

イベント概要

イベント名:
大與 櫨(はぜ)の和ろうそくづくり体験
開催日:
2019年12月8日(日)14:00~16:00
会場:
リアルジャパンプロジェクト(東京・渋谷)

初めての和ろうそくづくり!

徐々に寒さが増してきた12月上旬——。CLUB MITSUBISHI ELECTRIC会員様をお招きするワークショップイベントを開催しました。

当イベントで講師を務めてくださったのは、CLUB MITSUBISHI ELECTRIC連載企画「職(つかさど)る人たち」で取材をさせていただいた、近江和ろうそく職人・大西巧さんです。

大西さんは、1914年創業の和ろうそく専門メーカー「大與」の4代目。大学3年時、卒業後の進路を考えていた折、父親の仕事に対する熱意に魅了され、家業を継ぐことを決意したといいます。大学卒業後、京都の線香メーカーに就職しますが、2004年に大與に入社。2011年には代表取締役に就任しました。近江和ろうそく職人として和ろうそくの文化を世に広めるべく「灯と人を繋ぐ」をコンセプトとした新ブランド「hitohito」(ひとひと)でも活動中です。

和ろうそくづくりは人生と同じ!?——
一歩一歩の積み重ねで年輪ができる

櫨の実から搾取される“櫨ろう”を原料にした、大與の和ろうそくづくり。それらはすべて、人の手でつくられていきます。まずは大西さんから、大與の和ろうそくに火を灯しながら、その特徴について説明してくれました。

「櫨を原料とした和ろうそくは、一般的なろうそくと比べても芯が太いんです。そのため、ふっくらとした炎がゆらめきます。また溶けたろうを灯心が吸い込みながら燃焼していくため、ろうが外側に垂れることもなく、燃焼時の煙が少ないのが大きな特徴です」(大西さん)

ここからいよいよ、和ろうそくづくりのワークショップが始まりました。

10名ほどの参加者が手渡されたのは、和紙とイグサを原料とした灯心を先端につけた串2本。それらの串を容器内の溶かした生ろう(しょうろう)に入れ、灯心部分をろうでコーティングします。ろうが乾いたら、再びコーティング——これを3~4回繰り返します。

さらにここからが、和ろうそくづくり最大の見せ場、手掛け作業です。

「まずは2本の串を利き手で持ってください。持ち方は、串の持ち手の部分に上から手をかぶせるような感じ。そして、人差し指と親指ではさんだ串をくるくる回転させながら、もう片方の手ですくった生ろうを灯心部分全体に掛けていきます。ろうが乾いてきたら、一層、また一層……。年輪をつくるようにして、手掛けを何度も繰り返します。和ろうそくづくりはとても地道な作業だと思われるかもしれませんが、そういう意味で“人生”と同じ。一歩一歩の積み重ねで形成されているんです(笑)」(大西さん)

ご家族・親しい方と和ろうそくのある時間を共有してほしい

大西さんの実演を受けて、参加者の皆さんは1人ずつ手掛け作業を行っていきます。

「力は要りませんよ。もっと肩の力を抜き、手首も柔らかく。……皆さんなかなかお上手ですね。均等に手掛けができていて、バッチリです!」——最初の手掛け作業が思うようにいかなかった参加者も、大西さんによるマンツーマンの的確なアドバイスを受け、少しずつ腕も上達していったようでした。

「今日は2本ずつ手掛けを行っていただいていますが、実際の私たちの工房では一度に10本ほどをまとめて手掛けします。1日あたりの生産本数は約800本。型に入れてつくる“米ぬかろうそく”というのも製造していますが、それを合わせると、大與では年間100万本を生産しているんです」(大西さん)

こうして皆さんによる手掛け作業が終了。最後にろうそくから串だけを抜き、2本の長さを揃えれば、和ろうそくづくりは完成です。

最後に大西さんは次のように話しました。

「せっかくつくったろうそくですから、もったいなくて、なかなか火を灯しづらいかもしれませんね(笑)。でも“火を灯してこそ”のろうそくです。2本のうち1本は記念にとっておいていただくとしても、ぜひもう1本はご家庭などで使ってみてください。ご家族、あるいは親しい方とともに、和ろうそくのある時間・空間を共有していただければ1人の職人としてとてもうれしく思います。本日はどうもありがとうございました」(大西さん)

和ろうそく作り体験を終えて

体験終了後、参加者の皆さんに感想をお伺いしました。

ハンドメイドをご趣味にされているという女性会員様は「手づくり和ろうそく」なる言葉に興味を惹かれ、イベントに参加した、と話してくれました。「すごく楽しかったです! ろうに手を入れたときの温かい感触が“素材に触っている”感じで、とても印象に残りました。ちょうど今は12月。年始などで人が集まるときに少し時間をいただき、ろうそくの火をお披露目したいと思います!」。

かねてより伝統工芸に関心があったという男性会員様は「和ろうそくづくりができるのは、めったにない機会」と、ご参加いただきました。「大西さんは伝統を伝統のままにせず、今の時代の需要に合わせて活動されていると思いました。和ろうそくづくりを体験し、正直とても手間のかかる作業だと実感しましたが、たとえ産業として見れば非効率でも、産業は多様なかたちがあったほうが次の時代につながる——そう感じています」。

今後もCLUB MITSUBISHI ELECTRICでは、こうしたイベントを開催し、
会員の皆様との交流の機会を増やしていきたいと考えています。
イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

2020.02.06

今回のワークショップに
ご協力いただいたのは…

近江和ろうそく職人
大西巧さん

1979年滋賀県高島市生まれ。立命館大学経済学部を卒業後、家業である和ろうそく職人を志す。2011年には自らプロデュース&デザインをした「お米のろうそく」でグッドデザイン賞・グッドデザイン中小企業庁長官賞(特別賞)を受賞。創業100周年を迎えた2014年「灯と人を繋ぐ」をコンセプトとした新ブランド「hitohito」(ひとひと)を立ち上げる。

近江手造り和ろうそく
「大與」(だいよ)

1914年創業の和ろうそくの専門メーカー。仏事はもちろんのこと、茶事や暮らしの中でお使いいただける和ろうそくを幅広く取り扱う。大本山永平寺御用達。
滋賀県高島市今津町住吉2-5-8
http://warousokudaiyo.com/新しいウィンドウが開きます

REAL JAPAN
PROJECT

その時代ならではのクリエイティブの力を活かし、 日本のものづくりを伝える伝統工芸・ 地場産業に特化した PRエージェンシー。日本各地より厳選された、美しいと思える物たちを贈り続けるライフスタイルショップも展開。
https://www.realjapanstore.com/新しいウィンドウが開きます