ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第14回第14回
『日本のいちばん長い日』

試写会に行ってきたのは…

編集部員 Y(男性)

今年の夏は暑かったので、涼しい映画館や部屋で、映画三昧。
いつもそうとは限りませんが、期待以上の作品に出会えたときは、大満足でその日1日がハッピーです。

編集部員 H(男性)

これは観よう!と思って楽しみにしていた映画が、気付いたら公開が終わっていました。観たいと思った作品は、早めに劇場に足を運ぶに限りますね。

H今回の試写会レポートは、8月8日(土)から公開中の『日本のいちばん長い日』です。

Y今年は戦後70年ですね。毎年この時期には、テレビなどでも戦争特番が組まれますが、この節目に改めて今の日本や平和について考えさせられる作品です。

あらすじ

太平洋戦争末期、戦況が絶望的となった1945年4月、鈴木貫太郎内閣が発足。そして7月、日本は連合国から、ポツダム宣言の受諾を迫られる。降伏か、本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが、議論は紛糾。結論の出ないまま広島、長崎に相次いで原子爆弾が投下される。8月14日に御前会議が開かれ、昭和天皇の聖断のもと、ついに降伏が決定するが、終戦に反対する陸軍若手将校たちは、クーデターへと動き始める。終戦を知らせる玉音放送が流れる8月15日正午まで、この“日本のいちばん長い日”に、一分一秒ごとに変わっていった日本の運命とは?

(C) 2015「日本のいちばん長い日」製作委員会

H2時間超の長い作品ですが、終始引き込まれっぱなしであまり時間を感じませんでした。Yさんは、いかがでしたか?

Y原作(半藤一利『日本のいちばん長い日 決定版』)はノンフィクションだけど、ドキュメンタリー風の淡々とした展開ではなく、派手さはないけど迫力のある映画作品でしたね。

H日本が誇る名優たちの演技が、作品に緊張感と凄みをもたらしていましたね。山﨑努さん(内閣総理大臣・鈴木貫太郎)、役所広司さん(陸軍大臣・阿南惟幾)、本木雅弘さん(昭和天皇)、いずれも、スクリーンに釘付けになる熱演でした。

Y純粋且つ狂気的な若手将校・畑中健二を演じた松坂桃李さんも錚々たるベテランを向こうに回して、存在感ある演技が光ってましたね。

Hまさに、この日本人にとって特別なテーマを演じるにふさわしい、演技派の豪華キャストでした。俳優さんたちからも、何かこう、それぞれの役を演じることの“誇り”みたいなものを感じました。

Y観終わってから思いましたが、太平洋戦争についての知識をある程度持ってから鑑賞した方が、より作品に入りやすいかもしれません。

Hそうですね。個人的には、改めてあの戦争のことを知らない、知ろうとしていなかったんだと情けなく思いました。確かに歴史の教科書で学んだはずですが、ほとんど自分のものになっていないことに気付かされました。

Yそういう意味でも、この戦後70年の節目に、改めて過去の史実を正しく知るにはいい作品だよね。どうしても教科書では学べない、歴史の裏側や人間ドラマというのがあるからね。また、ノンフィクションが原作なので、政治的に偏った視点はないし。

Hそうですね。原田眞人監督も、真実よりイデオロギーを優先させることに怒りを感じると語っています。今も「戦争」については様々な議論が起こっていますが、まずは正しく理解する、ということが大切だと思いました。

Y映画だと、シンプルに観て感じられるのもいいところだよね。受け取り方も観る側に委ねられているし。

H何も考えずに観て楽しめる、という作品ではありませんが、観終わって劇場から出る時には、「とても大事な作品に触れた」と思えるオススメの映画です。

次回もお楽しみに!

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