『追憶の森』
試写会に行ってきたのは…
編集部員 N(男性)
花粉の季節で外に出るのを控える毎日。休みの日は、気付くと一日中映画を観て過ごしてしまうことも…。
編集部員 S(女性)
河口湖や山中湖まではドライブに行くのですが、青木ヶ原の樹海は、行ったことがありません。最近は、ハイキングやバーベキューもできるということなので、今度行ってみようかな…。
S今回の試写会レポートは、4月29日(金)から公開の『追憶の森』です。
N渡辺謙&マシュー・マコノヒー共演の話題作ですね。
Sまずは、あらすじからご紹介しましょう。
富士山の北西に広がる青木ヶ原の樹海。そこを人生の終着点にしようと決めて日本にやってきたアメリカ人アーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)は、原生林がうっそうと生い茂る森の中で、出口を求めてさまよう日本人タクミ(渡辺謙)と出会う。アーサーは、けがを負って助けを請うタクミを放っておけず、一緒に出口を探すことに。しかし、道はどれも行き止まりで、寒さと風雨に耐えながら森をさまようことになる2人。自然の猛威に耐えながら迎えた夜、タクミと共にたき火を囲んだアーサーは、自らを樹海への旅へと向かわせた出来事について語り始める。
S青木ヶ原の樹海を舞台にしているということで、それだけでもミステリアスな雰囲気が漂いますが、いかがでしたか?
N冒頭から海のように生い茂る木々の映像がとにかく圧巻でした。本当に一度足を踏み入れたら最後、二度と出られそうにありませんね。
S磁石が狂い、携帯電話も通じないといわれている青木ヶ原の樹海ですからね。そこに、罪悪感と喪失感を抱えてやってきたのが、マシュー・マコノヒー演じるアーサー。人生を終わらせようと樹海へやってきた彼の前に、出口を求めてさまよう日本人タクミが現れるところから物語は始まります。
N死に場所を求めてやってきた男と、一度は自殺を考えたが思いとどまり家族の元に戻ろうとする男が出会って、サバイバル的な展開に…。家族の元に帰りたいと必死にもがくタクミは、アーサーとは対照的な人物。
S渡辺謙が演じるタクミは、英語がペラペラな日本人でしたね。
N樹海の中で出会った日本人が英語が流暢って、すごい確率じゃないですか?
Sそうそう…。私もそれが気になりました。でも、物語の見どころは、そこじゃないですから…(笑)
Nそうでした。どうして、アーサーは人生を終わらせる場所として青木ヶ原の樹海を選んだのか…、そこまで彼を追い込んだ原因は何なのか…。その謎が解き明かされていくところがポイント。
S ある日突然に、人生が変わってしまうような出来事が起こるんです!
Nそういう可能性は、僕にもあるわけだし、そう考えると、自分ならどうするだろうと考えさせられますね。
S 誰にでも起こりうることだけど、日常ではなかなか考えられない。だからこそ、自分にとって本当に大切なものとは何か?生と死にあらためて向き合い、それを考えるきっかけになる映画だと思います。
Nこの映画にはサスペンス的な要素もありましたね。ストーリーのあちこちに観客が謎を解くためのヒントが転がっていているので、パズルをつなげるように観るのもおすすめです。
S特に日本人ならあれ?なんで?と疑問に思うキーワードがあるじゃないですか。そこに気付いた時、霧が晴れたような気分になりますね。
N確かに…。最後まで観ると色々な疑問が解決できますので、わかった上でもう一度観てみたくなりました。それにこの映画を観たら、僕もこれまでの人生をあらためて考え直さなくちゃと思いましたよ。
Sあれ?前回、『オデッセイ』を観た時にもそんなこと言ってた気が…。
次回もお楽しみに!