ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第37回
『スプリット』

試写会に行ってきたのは…

編集部員 W(男性)

ホラー系の映画はどちらかといえば苦手です。できるだけ次に起こるだろう展開を予想して、恐怖を軽減しようと思うのですが、大体の場合は予想外の展開になって驚いている自分がいます。

編集部員 A(女性)

W氏同様、恐怖系の映画はどちらかといえば苦手です。
実は、学生時代心理学系を専攻していたので、多重人格にはもともと興味があります。

A今回の試写会レポートは5月12日(金)より公開のM.ナイト.シャマラン監督最新作『スプリット』です。

WM.ナイト.シャマラン監督といえば『シックス・センス』『アンブレイカブル』などの作品で有名ですよね。

A『シックス・センス』の結末が衝撃的だったので、最新作も一体どのような結末を迎えるストーリーなのか、恐いながらも楽しみにしていました!では、早速あらすじをご紹介します。

あらすじ

女子高生ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は、友人のクレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)のバースデー・パーティーに招かれ、その帰りにクレアの親友マルシア(ジェシカ・スーラ)と共に家まで車で送ってもらうが、突然、見知らぬ男(ジェームズ・マカヴォイ)が車に乗り込み、3人は眠らされてそのまま拉致されてしまう。密室に閉じ込められた3人は、やがてこの男が“ひとり”ではないことを知る。実は、彼は23人の人格を持ち、精神医学者のセラピーを受けていたのだ。密室で3人の女子高生と23人の人格が激しい攻防を繰り広げるなか、“24番目”の人格が生まれようとしていた―。

(C) 2017 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

Wまず、主人公ケヴィンを演じたジェームズ・マカヴォイの演技力に驚きました。多重人格者、それも23もの人格を持つ人物という難役を見事に演じてましたよね。大作からいわゆる文芸作品まで幅広い出演経験を持つマカヴォイのキャリアが存分にいかされたのではないでしょうか。

Aそうですね。9歳の無邪気な少年からエレガントな女性などひとりの人間の中で入れ替わる人格を表情、仕草などで演じ分けていましたね。仕草、表情、しわの動き一つの違いで異なる人格に見えました。

Wその変化に観客が戸惑いを感じないようシャマラン監督は多重人格というキャラクターを描くにあたり入念にリサーチしたのだとか。

A誘拐された女子高生のひとり、ケイシー役のアニヤ・テイラー=ジョイの存在も印象的でした。どこか孤独な雰囲気のするケイシー役にぴったりだったと思います。女子高生ケイシーの持っている苦悩にも、心が痛みました。

Wその苦悩の正体について断片的な映像で想像はできるものの、詳細についての言及はありませんでしたね。

Aそうでした。詳細が省かれていることでかえって想像力が掻き立てられているように感じました。カメラワークや音楽、画面を彩る色彩も、観る人の静かな恐怖と不安をかきたてるために効果的に用いられていました。

W主人公のケヴィンについてもどのような経緯を経て、多重人格者になったのか、想像を促し、本当の人格とは何か考えさせられました。

A多重人格者でなくとも、人間は誰しも時には暴走したり、それを止めようとしたり‥という葛藤があると思います。私は、葛藤そのものはともかく、暴走を止めることができなくなることこそが恐い、と思いました。

W「恐怖映画」にとどまらない映画でしたね。

Aどのような結末を迎えるかは観てのお楽しみ。驚くことは間違いないと思います。予想できない結末にいたるまでのストーリー展開をみなさまもハラハラ、ドキドキしながらご覧になってください。

次回もお楽しみに!

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