ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第41回
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

試写会に行ってきたのは…

編集部員W(男性)

小説を読むのが好きで、どうしても小説の世界観が気になってしまうため原作がある映画は避けていたように思います。小説と映画それぞれ良いところがあるので、切り離してみればよいと思うのですが、まだまだ修行が足りません。

編集部員S(女性)

泣ける映画と言われても映画館で泣いたことはほとんどありませんが、懐かしい曲を聴くと、じんわり目頭が熱くなる時があります。今回の主題歌を歌う山下達郎さんは、思い出の曲が多いです。

S今回の試写会レポートは、9月23日(土)より公開予定の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』です。

W東野圭吾原作のベストセラー小説を実写化、東野圭吾史上最も泣ける感動作といわれている話題作ですね。

S今回のようにタイムスリップを扱った作品は好きなので、楽しみにしてました。それでは、早速あらすじからご紹介しましょう。

あらすじ

幼なじみの敦也(山田涼介)、翔太(村上虹郎)、幸平(寛一郎)の3人はある日、夜を明かすため1軒の廃屋に忍び込む。そこはかつて悩み相談を受けることで知られていた「ナミヤ雑貨店」だった。今はもう廃業し、誰もいないはずの店内に、突然シャッターの郵便口から手紙が落ちてくる。なんとその手紙は32年前に書かれた悩み相談だった。敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治(西田敏行)に代わって返事を書くことに。次第に明らかになっていく雑貨店の秘密や敦也たちの共通点。そして、ある人物からの“最後の手紙”を受け取ったとき、彼らの運命が大きく動き出す。

(C) 2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

SWさんは、原作を読まれたんですよね?

Wはい、試写会に行くことが決まったので、内容が気になって読んでみました。実は最近、東野圭吾の小説にはまっているんですよ。

Sそうなんですね。私も、東野圭吾のミステリー小説は好きです。今回の物語は、2012年のある夜、空き家で誰も寄り付かないはずの「ナミヤ雑貨店」に、養護施設で育った3人の青年が偶然逃げ込んで一夜を明かすところから始まります。そこで一通の手紙を見つけ、店主が客の悩み相談に乗っていたことを知るんです。

W店主役を演じているのは、演技派俳優の西田敏行さん。原作を読んでいて、見た目といい雰囲気といい、まさにぴったりなキャスティングだと思いました。

S青年たちのリーダー的存在である矢口敦也を演じるのは、人気グループHey!Say!JUMPの山田涼介さん。他にも小林薫さん、吉行和子さんなどのベテラン勢も出演されています。

W小説では、いくつものエピソードが時空を超えてかなり複雑に絡み合っているので、これを映像化するのは難しいだろうなと思っていたのですが、その心配は見事に裏切られました。映画だからこそ感じられる音や映像が小説の世界感にピタっとはまった感じです。

S1980年から届いた手紙だということに気づいた青年たちは、書かれていた悩み相談に答えるうちに、自分たちと「ナミヤ雑貨店」との間に不思議なつながりがあることに気づいていくのですが、その描き方が謎解きのようで面白いじゃないですか。

Wたった一晩の出来事なのに、最後は、数々の伏線がパズルのようにはまって、見事につながるんですよね。

S色々な悩み相談をする人が登場した中で、キーとなったのは家業の魚屋を継ぐか音楽を続けるべきか悩んでいる“魚屋ミュージシャン”。劇中、彼が作曲し、人気アーティスト・セリが歌った曲「REBORN」は、山下達郎さんがこの映画のために書き下ろしたそうです。

W歌詞にこめられた意味を思うとちょっと切ないです。セリが歌うシーンでは、思わずうるっとしました。ここはぜひ映画館でご覧いただきたいです。

S曲もどことなくノスタルジックで心あたたまる雰囲気なので映画にぴったり。心に傷を負い、それぞれの悩みを抱えている3人の青年たちをめぐって展開するストーリーに、思わず引き込まれます。人は悩んでいる時、誰かに背中を押して欲しいと思うことがありますよね。Wさんは、どうですか?

Wそうですね、自分に自信がない時は、誰かのアドバイスが欲しくなります。

S私もナミヤ雑貨店に相談してみたくなりました。でも、結局最後に決めるのは、自分自身なんですけどね。西田敏行さんの言葉があたかも自分に言われているような気がして、心がじんわり熱くなりました。
あっ…Wさん、もし恋愛の相談なら、私がアドバイスしましょうか?(笑)

Wいえいえ、折角ですがそれは遠慮しておきます。(汗)

次回もお楽しみに!

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