『バイス』
試写会に行ってきたのは…
編集部員G(女性)
だんだん暖かくなってきましたね。寒くて家に引きこもることが多かったのですが、引きこもりを卒業して、ピクニックなど自然を満喫し楽しめるところへ出かけたいと思います。
編集部員M(女性)
最近は身体をほぐすことにはまっています。気づいたときに手軽にできるのがお気に入りです。年齢と共に思考も凝り固まってしまいがちなので、脳もやわらかくほぐす方法を模索中です。
M今回の試写会レポートは、4月5日(金)より公開の『バイス』です。公開前から何かと“問題作”と噂され、第91回アカデミー賞では俳優部門で8部門にノミネート。みごとメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。
G私も以前から気になっていた作品でした。『バイス』には副大統領を指すだけでなく、“悪徳”や“邪悪”という意味もこめられているそうですよ。
Mでは早速“影の大統領”とも言われたアメリカの副大統領、ディック・チェイニーの衝撃の実話をご紹介しましょう。
1960年代半ば。酒癖の悪い青年だったチェイニー(クリスチャン・ベール)は、後に妻となる恋人のリン(エイミー・アダムス)に尻をたたかれ、政界への道を志すことを決意。型破りな下院議員ドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)の下で、政治の表と裏を学んでいくチェイニーは、いつしか権力のとりこになっていくのだった。大統領主席補佐官、国務長官を経て、ついにジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領の座に就いたチェイニーは、“影の大統領”として振る舞い始める。そして、2011年9月11日の同時多発テロ事件をきっかけに、悪名高きイラク戦争へと国を導いていくのだった。
Mとてもリアルに描かれていて、ところどころドキュメンタリーを観ているような感覚になりました。Gさんはいかがでしたか?
Gまず、あまりにも登場人物が実物に似ていることに驚きました。特にジョージ・W・ブッシュ役のサム・ロックウェルや、20kg近くの増量と特殊メイクで20代~70代のディック・チェイニーを演じた、クリスチャン・ベールは、外見はもちろんのこと内面からにじみ出る迫力も相当なものでしたね。
Mそうですね。メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのもうなずけます。クリスチャン・ベールはカメレオン俳優とも言われていますが、もはやどの顔が本当の彼なのかわからなくなってしまうほど。(笑)それに、なんといっても内容が衝撃的でしたね。あまり多くは言えませが、ここまで暴露してしまって大丈夫なの?!と心配になってしまいました…。
Gアダム・マッケイ監督はすべての事柄を入念にリサーチし、すべてにおいて事実のチェックを行ったそうですよ。チェイニー自身はもちろん、他の関係者が存命にもかかわらず、アメリカ政府の“暗部”をここまでリアルに描いていることに驚きました。
M日本では考えられないですよね。チェイニーのしたたかさや、言葉少なく相手の気持ちを操る能力はすごいです。いっそのことその能力、別の方向で発揮してほしかったと思ってしまいます。
Gそうしたら、世界は別の歴史を辿っていたのかもしれませんね。
M本当ですね。極めて自己中心的な人間が、権力を持つことの恐ろしさを目の当たりにした感じです。
G劇中の終盤では、テレビの取材に対しチェイニーが放つ言葉が印象的で、その言葉に彼の人間性がにじみ出ているような気がしました。
M最後の最後まで気を抜かず、しっかり観てほしい作品ですね!
G歴史が動くウラガワで一体何が起こっていたのか!?衝撃の社会派エンターテインメントを是非、劇場でご覧になってください。
次回もお楽しみに!
2019.03.29