ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第62回
『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』

試写会に行ってきたのは…

編集部員G(女性)

幼い頃、祖母の家に住みついた野良猫を「ミー」と名付けて可愛がっていたことを思い出しました。大人になってから聞いた話によると私がしっぽを掴んで連れて帰ってきたことがきっかけで飼っていたそう…天国の「ミー」に会いたくなりました。

編集部員S(女性)

先日、映画やドラマの撮影で使った小道具やメイク用品を展示するイベントに行きました。お気に入りの作品の台本や実際に使用した撮影道具をみることができて、すごく楽しい体験ができました。

S今回の試写会レポートは、5月10日(金)より公開の『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』です。
西炯子の「泣ける」と話題の人気コミックを実写で映画化、ベテラン俳優の共演も話題となっていますね。

G倍賞千恵子さんと藤竜也さんが演じる年を重ねた夫婦のラブロマンスがどんな風に描かれるのか、楽しみです。

Sそれでは、早速あらすじからご紹介しましょう。

あらすじ

3人の子供が巣立ち、勝(藤竜也)と有喜子(倍賞千恵子)は人生の晩年を夫婦2人と猫1匹で暮らしていた。勝は無口で頑固、家では何もしないという絵に描いたような昭和の男。そんな勝の世話を焼く有喜子の話し相手は、猫のチビだけだった。そんなある日、有喜子は娘(市川実日子)に「お父さんと別れようと思っている」と告げる。母の真意を探ろうと子供たちは大騒ぎ。そんな時、有喜子の心のよりどころだった猫のチビが姿を消してしまう。妻はなぜ、離婚を言い出したのか。妻の本当の気持ちを知った夫が、伝えたかった言葉とは…。

(C)2019 西炯子・小学館/「お父さん、チビがいなくなりました」製作委員会

S昭和を絵に描いたような熟年夫婦のやりとりが、なんだかとても懐かしい気がしましたが、Gさんはいかがでしたか?

G藤竜也さん演じる勝の亭主関白っぷりがすごかったですね。食事の世話から身支度…靴下まで脱がせてもらったり、とにかく何から何まで、妻に任せっぱなしで、あそこまで何もしないでいられるなんて、ある意味すごいです(笑)

S本当ですね。頑固で無口な上、妻の話すら聞いてくれないし、私なら夫婦として絶対成り立たないように思うんですが、そんな献身的な妻・有喜子を演じるのが倍賞千恵子さん。

G有喜子にぴったりのキャスティングですね。趣味は編み物と韓流ドラマ鑑賞というごく普通の専業主婦で、子供たちも巣立った今は唯一の話し相手が猫のチビだけ…。ちょっと寂しそうにみえました。

Sある日、有喜子は実家に帰ってきた娘に「お父さんと離婚しようと思う」と言い出します。突然のことに子供たちはびっくり。気になりながらも、両親に対してなかなか真意を聞き出せない兄弟のやりとりが面白くて、思わず笑ってしまいました。

Gそんな時、唯一の話し相手であるチビがいなくなってしまうのですが、勝には「気が済んだら帰ってくる」と冷たくあしらわれてしまいます。このことがきっかけとなって夫婦の間に小さなすれ違いが生じてくるんですよね。

S心配でしょうがない有喜子はチビを探すため、ペット探偵に依頼することに…。するとやってきた男性は有喜子が大好きな韓流ドラマの主人公にそっくり!親切で丁寧に接してくれる姿にうっとりしてしまうところが可愛らしい。会場からも笑い声が聞こえてきました。やっぱり、女性はいくつになっても優しい男性には弱いんです。

Gたしかに…。頑固で無口な夫と、優しく話しを聞きながら親身になってチビを探してくれるペット探偵社の男性が対照的でした。劇中でもう一人、有喜子の気持ちを揺るがす重要な人物が登場しますよね。

S若い頃、有喜子と同じ職場(駅構内にあるミルクスタンド)で働いていた志津子。そこに毎朝決まった時間にあんぱんと牛乳を買いに来る人が勝でした。内気な有喜子は、好意を寄せながらも志津子と勝の楽しそうなやりとりを見ているしかなかったわけですが…。

G二人は、運命の出会いをするんですよね。このエピソードがかなり重要なポイント。二人がどのようにして夫婦になったのか、志津子の存在がどのように影響したのか…。

S長年連れ添った夫婦に訪れた「離婚」の危機。「熟年離婚」という言葉もよく耳にしますが、あらためて夫婦の会話って重要なんだなと感じさせられる映画でしたね。

G長年連れ添ってきた夫婦とはいえ、やっぱり、口に出して言わないとなかなか思いは伝わらない。お互いを思いやる気持ちや努力が必要なんですね。

Sあら、新婚のGさん!随分悟られたような感じですけど、先はまだまだ長いですよ。って独身の私が言うのもなんですが…笑。とにかく、この映画では、人に想いを伝えることの大切さや、思いやる気持ちについて色々と気付かされることが多いので、チビの行方も気にしつつ、この夫婦の行く末を劇場でぜひ見届けていただきたいです。

次回もお楽しみに!

2019.04.25

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