ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第63回
『泣くな赤鬼』

試写会に行ってきたのは…

編集部員G(女性)

部活に打ち込んでいた高校時代、私の顧問も赤鬼に匹敵するくらい怖かったことを思い出しました。その恩師のおかげで今の自分があると思うと、感慨深いです。久々に母校に行きたくなりました。

編集部員S(女性)

スポーツ観戦の中でも、高校野球を観ることが大好きです。一度は、夏の甲子園でスタンドから応援してみたいと思っていますが、私の母校は、いつも予選負け。それでも、いつかは甲子園に出て欲しいと願っています。

S今回の試写会レポートは、6月14日(金)より公開の『泣くな赤鬼』です。
ベストセラー作家・重松清による短編集『せんせい。』所収の「泣くな赤鬼」を映画化。主演は、私が大好きな俳優、堤真一さん。試写会には、絶対行きたい!とかなり前から楽しみにしていました。

Gそんなに大ファンだとは知りませんでした。主題歌は、本作のために竹原ピストルさんが書き下ろした曲なんですね。

S結婚と妊娠を発表したばかりの川栄李奈さんが、幼い息子を持つ母親役で出演していることでも話題です。それでは、早速あらすじからご紹介しましょう。

あらすじ

日焼けした赤い顔と鬼のような熱血指導で、かつては「赤鬼」と呼ばれていた城南工業野球部監督の小渕隆(堤真一)。甲子園出場の一歩手前まで行ったものの、その夢は一度としてかなわぬまま10年が過ぎ、今では50代の疲れた中年になっていた。そんなある日、病院で昔の教え子である斎藤智之=愛称ゴルゴ(柳楽優弥)と偶然、再会する。ゴルゴは非凡な野球センスを持ちながら、高校を中退した生徒。20代半ばを越えた現在は、妻・雪乃(川栄李奈)と息子の3人で幸せな家庭を築いていた。ところが、ゴルゴが末期がんで余命半年であることを知る。そこで、赤鬼はかつて彼が挑むはずだった“甲子園出場を懸けた決勝戦”の再現試合を企画。それぞれの秘めた思いを胸に、ゴルゴにとって最後の試合が行われることに―。

(C)2019「泣くな赤鬼」製作委員会

S野球部の監督と余命わずかの元教え子が偶然再会することから始まるストーリー。Gさん、後半はかなりウルウルしていたみたいですが、いかがでしたか?

G重松清さんの作品といえば、「口笛番長」を思い浮かべるんですが、今回の作品も家族、友情、人間愛などをテーマにした、心あたたまるストーリーでした。ゴルゴを献身的に支える妻・雪乃も切なくて、“鬼泣き”必至です…。。。(涙)

S高校時代に野球部だったという堤真一さん。監督役がすごく似合っていました。ユニフォーム姿もノックもすごく様になっていて、赤鬼先生のイメージにぴったり。

G元教え子のゴルゴ(愛称)を演じる柳楽優弥さんは、人生初の野球に挑戦するため、実際に野球部の練習に参加したそうですよ。

S高校野球のシーンでは、現役時代に有名校の選手だった俳優を集めたというだけあって、リアルに再現されてました。私、野球が好きなだけに、ちょっとうるさいんですよ(笑)

Gなるほど、見る目が厳しいですね。高校時代のゴルゴは、走・攻・守、三拍子揃った選手だったのに、堪え性がなく精神的に弱い面がありました。才能があるのにもったいない。

Sお互いの思いが通じあわなかったわけですね。偶然再会したゴルゴが余命わずかと知って、赤鬼は、彼の才能を生かしてあげられなかったことや、最後まで向き合えなかったことが、脳裏によみがえって辛そうでした。

G何もしてあげられない無力感がひしひしと伝わってきました。そんな時、ゴルゴが「俺、もう一度野球をしたいな」と言うんですよね。

S死期が迫る中、野球がしたいだなんて、よほど野球が好きだったんでしょうね。このあたりから、ようやく二人の心が通じあってくるのを感じました。赤鬼は、自分が監督をしている野球部員たちに「教え子がもう長くない。だから頼む!」と懇願します。このシーンは見所のひとつではないでしょうか。

Gかつてライバルだった、和田との関係もドラマの中では気になるところ。高校時代には、まだお互い若すぎて気付けなかったことが、大人になってどう変わっていくのか…。

S高校時代といえば、ゴルゴは監督のバントのサインを無視して、ヒッティングをします。自分が犠牲になって仲間に思いを託すバントを拒んだわけです。野球は一人でするものじゃない、仲間や応援してくれる人たちの大切さを改めて感じ、大人になったゴルゴが出すサインを見逃さずに観ていただきたいです。

次回もお楽しみに!

2019.06.06

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