ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第65回
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

試写会に行ってきたのは…

編集部員G(女性)

さまざまな映画で印象的な食事のシーンはそれぞれにありますが、やはり私が憧れるのはホテルでの素敵なディナー。今年の誕生日こそは!と、思っています。

編集部員O(女性)

バディ(相棒)映画を見ると、高校以来数十年にわたり仲良くしている女友達のことを思い出します。凸凹コンビである方がストーリーが面白くなるように、彼女と私も全く性格が違うので、何年たっても笑える思い出がたくさんあります。

O今回の試写会レポートは、2019年8月30日(金)公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。クエンティン・タランティーノ監督の9作目となる最新作です。

Gレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットとという2大トップスターの初共演ということで、とても楽しみにしていました。

O脇を固めるのが、人気急上昇中のマーゴット・ロビー、大御所アル・パチーノや子役スターから成長したダコタ・ファニング、そしてタランティーノ作品常連の俳優と今回も豪華な配役です。いやが上にも期待が盛り上がりますね。
早速、あらすじから見てみましょう。

あらすじ

舞台は1969年のロサンゼルス。かつて西部劇のテレビドラマで人気を博した俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、いまやすっかり落ち目となり、ハリウッドで再び栄光を取り戻そうとしていた。一方、長年リックのスタントマンを務めていたクリフ・ブース(ブラッド・ピット)も、彼の落ち目に伴い仕事が減り困っていた。そんな中、リックの隣家に住む、新人女優で人気上昇中だったシャロン・テート(マーゴット・ロビー)が、カルト集団によって惨殺されるという悲惨な事件が起きてしまう―。

G1969年の8月のある3日間を描いた映画なんですね。1969年といえば、ベトナム戦争にたいする反戦運動が高まり、既存の文化や慣習に対する反発から生まれたヒッピーに代表されるようなカウンターカルチャーが盛り上がっていた時期です。

Oハリウッドにも変化の波は確実に押し寄せていたようですね。50年代、60年代初頭にはそれこそリック(レオナルド・ディカプリオ)が出演していたような西部劇が多かったけれども、徐々に本数が少なくなっていった。時代のムードが「ラブ&ピース」ですから、西部劇のようなわかりやすい勧善懲悪の物語が好まれなくなっていったのかもしれません。

Gなるほど、リックは精一杯やっているのに時代の変化で徐々に必要とされなくなってきているわけですね。思うような演技ができず、トレーラーの中で自分自身に毒づいてみたり、メソメソと泣いたりするリックをレオナルド・ディカプリオが素晴らしい演技力で表現していました。

Oそんなリックをあるときは励まし、あるときは肩を抱いてやるのが彼のスタントマン、クリフ(ブラッド・ピット)です。

Gもはや、仕事上のパートナー以上の関係で、まるで親友や家族のような固い絆でしたね!最高のコンビだと思いました。

O今回、タランティーノ監督作品の特徴ともいえる過激なバイオレンスアクションは控えめなのかと思いきや、やはり、後半にしっかり盛り込まれていました。たたみかけるようなバイオレンスアクションなのに、どこか飄々としている描写が好きな人にはたまらないと思います。ファンの方は、ぜひともブラピ無双を楽しみにしていてください。

G私は、クリフとブルース・リーが戦うシーンが面白かったなぁ。なぜ、ブルース・リーとクリフが戦うことになるのかは言えませんが、戦う前の二人の会話の応酬もたまりません!ちなみに、ブルース・リーは実際にシャロン・テートにマーシャル・アーツ(武術)を指導していたのだとか。

Oほかにも、フォーク、ファンク、サイケデリックロックと当時を物語る選曲、小さなストーリーを絡めた印象的なセリフの数々、大きなアメ車…と、聞きどころ、見どころが満載です。

Gシャロン・テート(マーゴット・ロビー)のかわいいファッションも!シャロンは天使みたいでしたね。将来有望な新進女優のシャロンにとっては、夢や希望というポジティブな未来が見えていたはずです。観客は歴史を通して、彼女に待ち受ける運命を知っているから、ラストに向かうに従って、ものすごくドキドキしますよね。

Oラストについては、皆さまにぜひ映画館で観て頂きたいのでお伝えできませんが、儚さのようなものを感じました。かつていた愛すべき人たち、キラキラと輝く当時のハリウッドの街並みも、今はもう無くなってしまったなんて…切ないですね。

Gそれでも映画の中では永久に生き続けることができるというあたりに、タランティーノ監督の映画へ込めた思いを感じます。タイトルに、昔話やおとぎ話を話し始めるときに使う「once upon a time(むかし、むかし…)」というフレーズが使われている意味も、ラストシーンで腑に落ちました。

O映画愛に満ちた作品ですので、ぜひ、皆さまにも映画館でご覧いただきたいですね。

次回もお楽しみに!

2019.08.21

ごく普通の映画好き編集部員による
試写会レポート一覧へ

シネマチケット・プレゼントトップページへ