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CLUB MITSUBISHI ELECTRIC

三菱家電進化のストーリー プレイバック!三菱家電

第3弾 三菱ジャー炊飯器 前篇

リンク先では最新の製品をご紹介しています。

今だから語れる、「本炭釜」ができるまでの舞台裏

画像:1972年ジャー炊飯器、画像:1991年ジャー炊飯器、歴代の三菱ジャー炊飯器 三菱電機が電気炊飯器と電子ジャーを融合させたおかげで、今のジャー炊飯器があるのね!

目指し続けたのは、「かまど炊きごはん」のおいしさ

ごはんを「炊く」機能と、炊きあがったごはんを「保温」する機能を併せ持った「ジャー炊飯器」の歴史は、1972年に三菱電機が業界で初めて※1発売したところから始まります。それから数えて40年。その間もジャー炊飯器は飛躍的な進化を続けてきました。1980年には便利なタイマー付き、1984年には炊飯量に応じた自動火力調整が可能なデジタルマイコン式が登場。そして1991年には、マイコン式よりもさらに細やかな火力調整ができる業界初※2のインバーター搭載のIH(電磁誘導加熱)式ジャー炊飯器を三菱電機が発表。この頃から、技術者たちには明確なビジョンがありました。それは昔ながらの「かまど炊きごはん」を再現しようという目標。「大沸騰」をもたらすIHの火力を得たことで、おいしいごはんづくりの"原点"を見つめ直し、ジャー炊飯器そのものの改革を目指したのです。そしてそのキーワードとなったのが、「炭」でした。

きっかけは、技術者がテレビ番組の中で炭の鍋を紹介しているのを観たこと。「これだ!」と思いすぐに炭釜の試作の検討を始めました。さらに、その後京都で「2合1000円」という極上のごはんと出会ったことも、もうひとつのきっかけでした。それは炭でできたお釜を使って直火で炊いたもので、値段に十分見合ったおいしさでした。それ以前から、IHと相性のいい炭※3に着目していた技術者たちは、さっそく炭釜の試作を開始したのです。

※1
1972年3月発売
※2
1991年10月21日発売
※3
内釡の発熱に必要な磁力線が浸透する深さによる(当社従来品の金属多層釡は0.24mmに対し、本炭釡は7.5mm。当社調べ)。

炭にはそんな特長もあったのね。

ひと筋縄ではいかなかった炭釜づくりの第一歩

炭と聞いて、みなさんは何をイメージしますか?炭にはさまざまな特性があります。よく知られているものとしては遠赤外線効果や脱臭効果、浄化力や調湿力、火付きの良さ、素材としての軽さ…などがありますよね。 技術者たちも、さまざまな炭の特性に注目し、炊飯器にいかせるものはないかと、試行錯誤を繰り返しました。炭はもともと多孔質(小さな穴が無数に開いている状態) で、気泡を作りやすい特徴がありますが、それゆえに表面から水が漏れてしまう、という問題がありました。 しかし、水漏れ防止の加工を施したところ、今度はごはんがくっついてしまう、という結果に。さらに炭釜には割れやすいという課題もありました。
それらを解決するために、最終的には従来の炊飯器と同じように炭の内釜をフッ素樹脂でコーティングすることになりました。その結果、脱臭力や多孔質といった特性をいかすことはできませんでしたが、一方で、技術者たちは、炭の発熱性と、「熱伝導率」の高さに着目しました。熱をいかに効率よく行渡らせるか、ということは、ごはんのうまみを引き出し、おいしく炊き上げるという点で、非常に重要なポイントだったのです。 IH加熱の場合、従来のステンレスとアルミから成る多層釜は、内釜外面のステンレス層の表面のみが発熱し、それを内層のアルミなどによってお米や水が入っている内面に伝えていくという方式をとっていました。ところが、炭釜の場合は内釜の厚さ全体が発熱するので、お米に近い内釜内面でも熱を瞬時に且つ強力に伝えてくれるのです。しかも温度の立ち上がりが速いという性質もあり、「激沸騰」による加熱ムラの少ない炊飯が可能に。炭の本質を捉えたことで、目指す「かまど炊きごはん」へと一歩近づいたのです。

画像:内釜ができるまで 画像:焼成後の炭素材料 画像:粗削り後の本炭釜、画像:本削り後(コーティング前)の本炭釜、「本炭釜」の誕生で、ジャー炊飯器の価格は大きく変化。やっぱりおいしいごはんが一番だもの!

素材も成形も工芸品そのもの。これでは「高すぎて売れない」という声も

「炭釜」をつくるにあたって、技術者たちは素材や形状にも徹底的にこだわりました。まず基材となる円柱状の炭素材は1350℃で30日間の焼きを2度繰り返し、最後に2500~3000℃で30日間、の計90日間もの時間を掛け焼き固めます。それを円柱状に形成したのち、ていねいに釜形へとくり抜いていきます。この時に大切なのが、底の厚み。釜底中央に向けて高くなる凸型加工(最大7.5mm)を施すことにより、釜底中央にも熱を蓄え、釜底の熱容量を大きくして温度ムラを低減することを可能としたのです。さらに、この構造により釜底中央から大きな泡が発生し、お米の粒の間に空気の通り道を作ることで、おいしさの象徴でもある「かに穴」を作るのです。このように釜の厚みを変えることができるのも削りだし加工だからこそ、できるワザ。こうして釜底から側面、炊飯面までしっかり発熱し、ごはんの一粒一粒を包み込むように炊き上げる「本炭釜」が完成したのです。

発案から2年をかけて生まれた「本炭釜」。開発は成功しても、困難はまだ続きます。職人の手による成形や研磨、内釜ごとの本体とのマッチング作業と、まるで工芸品のような工程を経て作られる「本炭釜」は、当然コストもアップ。当時、最高級品でも5万円が相場のジャー炊飯器市場において、「本炭釜」の価格設定は約10万円。「本当に売れるのか」という声は当然少なくなかったのです。でも「食べてもらえば、絶対売れる」という確信のもと、多くの関係者に試食してもらった結果、2006年3月ついに「本炭釜」は発売。結果的には年内で生産台数1万台の大ヒット商品となりました。

IHの「大沸騰」から炭釜による「激沸騰」へ。そして今度は「連続沸騰」へ──。「かまど炊きごはん」のおいしさを目指す三菱電機の挑戦はまだまだ終わりません。次回は、「蒸気レスIH」という新しい発想から生まれたジャー炊飯器の進化を追います。

三菱家電まめ知識(5)

炊き上がったごはんをかき混ぜるワケイメージ

炊き上がったごはんをかき混ぜるワケ

ごはんが炊き上がったら、すぐ蓋を開けてしゃもじでかき混ぜる──。誰もが当たり前に行っている"儀式"ですが、その理由を考えたことがありますか? 実はお釜の中のごはんは、「端に福がある」といわれるように、外側がふっくらおいしく、内側ほどぎゅっと詰まった状態に。かき混ぜることですき間を均一にし、また余分な水分を飛ばしておいしく仕上げる効果があるのです。コツは、しゃもじを底まで差し込んでひっくり返すようにかき混ぜること。十分に空気を含んだごはん粒は「立った」状態となり、これがおいしいごはんの仕上げとなります。

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