有識者とのダイアログ開催

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有識者とのダイアログ開催
左から、総務部長 黄檗満治、常務執行役 原田真治、執行役社長 杉山武史、(株)大和総研 研究主幹/日本サステナブル投資フォーラム共同代表理事 河口真理子氏、Sustainavision Ltd.代表取締役 下田屋 毅氏(2019年3月開催当時)

2019年3月、2名の有識者を本社にお迎えし、三菱電機グループのCSR推進についてご意見をいただきました。ダイアログ開催は今年で4回目。ESGやSDGsをめぐる最新の動向について専門的見地からお話を伺うとともに、三菱電機グループが社会からどのような期待をされているかを外部の視点を得て見つめ直す貴重な機会となっています。いただいたご意見はCSR推進体制の整備や実際の取組に反映させ、回を重ねるごとに活動の深化を図ってきました。

三菱電機グループは、創業100周年を迎える2020年度に向けて「目指すべき企業の姿」について整理をしています。今回のダイアログはその過程としても重要な役割を担っています。長期的視野から私たちは何を目指すべきか、社会課題を起点にあるべき姿を考えるアウトサイド・インの視点で議論を深めました。


有識者からの主なご意見・提言

持続可能性を重視した「バランス経営」で、多様なステークホルダーとの共生へ

(株)大和総研 研究主幹 日本サステナブル投資フォーラム 共同代表理事 河口 真理子氏
(株)大和総研 研究主幹
日本サステナブル投資フォーラム 共同代表理事
河口 真理子氏

今回で4回目のダイアログ参加となりますが、貴社は毎回前年度に議論した内容について確実に対応され、取組を発展させてきています。そうした点に真面目な企業風土を感じ、信頼感を持っています。

「バランス経営」を掲げられる通り、バランスの取れた事業モデルをお持ちの企業だと思います。ただ、今後はそのバランスの軸に何を入れるかが問われてきます。国際社会でますます重視されるのは、単なる利益の成長性でなく組織とビジネスの持続可能性です。短期的な収益性・効率性を重視した、製品・サービス開発ではなく、中長期的に「顧客目線・社会目線で何が最適か」を起点とするべきでしょう。

顧客や従業員、取引先などのステークホルダーの利益と企業の利益は短期的には相反することもありますが、持続可能にするには両者のバランスをいかに取るかが重要です。SDGsが目標に掲げるのは「誰ひとり取り残さない」世界の実現です。単に市場競争に勝つのではなく、多様なステークホルダーと共生しながら、かつ自社の価値を生み出していくという、極めて高度なことが求められています。逆に言えば、社会・環境と調和し、共生していける企業や事業活動は持続可能ということを意味します。

環境・社会課題の解決に向けては、トップダウンとボトムアップの双方向でSDGsの課題を考えていくことが大切です。トップダウンでは、会社が持つリソースを踏まえ、自社は何をすべきかをトップが強い姿勢で示していく。一見不可能と思えるような高い目標であっても、それを実現するためにどうすべきかを現場が必死に考えた結果、技術のブレークスルーが起きた例は少なくありません。一方、ボトムアップでは、従業員がSDGsを自分ごとと捉えて声を上げられるような仕組みづくりが必要です。SDGsの個別ゴールをテーマにしたワークショップの開催などを通じて、自分たちの技術力をどのように活かせば環境・社会課題に解決できるか、現場の人々が考え、行動を起こしていくきっかけとなるでしょう。


目指す方向性を明らかにした長期目標のもと、人権・環境などの取組強化に期待

Sustainavision Ltd. 代表取締役 下田屋 毅氏
Sustainavision Ltd. 代表取締役下田屋 毅氏

これまで企業は、経済的な豊かさをもたらしてきた一方、昨今は環境・社会面ではネガティブなインパクトを与える存在として認識されてきています。SDGs達成への企業の貢献は、ネガティブな状況からゼロ・ベースに戻すもので最低限必要なものと認識しなければならず、必ず達成しなければならないものと考え行動しなければなりません。また昨今企業が事業活動を通して、環境・社会に良いインパクトを与える「ネットポジティブ」という概念も出てきており、2050年までにネットポジティブな企業になるというような長期的なビジョンを持つ企業も出てきています。今後は長期ビジョンを設定し、その中であるべき姿を思い描きながらバックキャスティングの思考で、マイルストーンを検討し進めていくことが企業として求められてきます。一般的に日本企業は、「目標」を必ず達成すべきものと考え、コミットメントを避ける傾向にあります。しかし、欧州をはじめとする国際社会では、達成できそうな現実目標ではなく、挑戦的な高い目標を掲げることで、自社が進む方向性を明らかにする方が重視されています。そしてその目標の下で、他社や関連団体とともに協働を行い、さらにイノベーションを生み出すことを目指すことも考えているのです。また目標への進捗状況をステークホルダーに随時公開し、仮に達成できなかった場合は、その理由と今後の対策をきちんと説明できることが、支持される企業のあり方です。

人権の対応では、2011年に国連から「ビジネスと人権に関する指導原則」が発表されて以降、世界で人権尊重の動きが活発化しています。貴社では2017年に「人権の尊重に関する方針」を策定するなど、取組を開始されていますので、きちんと自社に人権尊重の考えを社内・グループに浸透させるとともに、活動の情報発信をしつつ次のステップへとつなげていただきたいと考えています。企業活動がステークホルダーの人権に大きな影響を及ぼす可能性があり、対応しなければ企業の大きなリスクともなります。自社だけでなくサプライチェーン上の人権リスクについても、取組の優先順位をつけて対応していく必要があります。

環境面では、サーキュラー・エコノミーの本質を理解し、いかに競争優位性を確保するかが問われています。世界人口の著しい増加を背景に資源の争奪戦が起きつつあり、従来の発想から脱却し、廃棄物を資源として捉えて有効活用していくことは不可欠です。欧州では海洋プラスチック問題への対応が加速している状況があります。御社内で使い捨てプラスチックの削減など身近なところから取組を始め、地球環境に及ぼす影響について社内の意識啓発を図り、そこに技術者のアイデアを募るなど、メーカーならではの取組に期待します。

ダイアログを受けて
三菱電機株式会社 常務執行役 原田 真治
三菱電機株式会社
常務執行役
原田 真治

「三菱電機グループは、活力とゆとりある社会の実現に貢献する」と企業理念に掲げており、その実践こそが私たちのCSRであり、全従業員が業務を通して果たすべき役割と考えています。

本日のダイアログでもSDGsに関するさまざまなご提言をいただきましたが、SDGsはCSRと事業活動との結びつけるツールとして、三菱電機グループでも大変重視しています。地球環境や人権を始め、SDGsが定める17の目標に、三菱電機グループらしい形での貢献を目指します。

まず重要なのは、従業員一人ひとりがCSRやSDGsに理解を深めることだと思います。日々の業務の中で具体的なアクションにつなげていけるよう、従業員教育の一層の充実を図っていきます。本日は誠にありがとうございました。


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