持続可能な社会の実現

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使用済み家電のプラスチックを再び家電へ
三菱電機グループの「自己循環リサイクル」の取組

持続可能な社会の実現を目指している三菱電機グループは、環境課題を解決すべく、「循環型社会の形成」を重点的な取組の一つとしています。3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進しており、家電のプラスチックリサイクルについては、事業として取り組んでいます。

国内外で関心が高まる廃プラスチックの課題

天然の有機物とは異なり、分解されずに海にとどまり続ける海洋プラスチックごみが海洋汚染の大きな要因として注目されるなど、廃プラスチックをめぐる問題は国際的に深刻化しています。また、リサイクルされる場合でも、プラスチックは多くの場合、燃料や日用雑貨などへダウングレードされることが大半であり、素材価値を向上させ、より高いレベルで活用していくことが求められています。日本国内の使用済み品から回収されるプラスチックは年間137万トン(2018年度実績)。このうち、家電・筐体(きょうたい)等のプラスチックが18万トンにのぼり、大きな割合を占めています

  • 出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会
全国1年間で使用済み品から回収されたプラスチック

三菱電機グループの「自己循環リサイクル」とは

日本で2001年に家電リサイクル法が施行される以前の1999年から、三菱電機グループは業界初となる家電リサイクル工場を稼働し、リサイクル事業を推進してきました。2010年からは、使用済み家電から回収したプラスチックを、再び三菱電機の家電に用いる「自己循環リサイクル」を本格化しています。自己循環リサイクルは多様な素材で構成された製品の中から、異物の混じらないプラスチックをいかに多く回収していくかが重要です。

この取組において中心的な役割を担うのが、家電リサイクル工場である株式会社ハイパーサイクルシステムズ(以下、HCS)とプラスチックを選別する株式会社グリーンサイクルシステムズ(以下、GCS)です。使用済み家電は、まずHCSで解体されたのち、機械で破砕。その後GCSに送られ、選別してプラスチックが回収されます。

使用済み家電のプラスチックを、バージン材同等の品質で再生し、再び家電に活用する—HCS、GCS、三菱電機の工場、研究所が連携し、三菱電機グループの自己循環リサイクルへの挑戦が続いています。

三菱電機グループのプラスチックの自己循環
新しいウィンドウが開きます三菱電機グループのプラスチックの自己循環(PDF:3,866KB)

家電を解体・破砕し、再生プラスチックの「原料」をつくる
~ハイパーサイクルシステムズ(HCS)の取組

HCSが受け入れる家電等は年間約80万台。解体は、手作業で取り外しやすい部分から進められます。製品ごとに仕様が異なる中、培ったノウハウで、モーターやコンプレッサーなどの大型部品、フロンや水銀などの有害物を、作業員が一つひとつ仕分けしていきます。手解体できない大部分は、破砕機にかけて砕いたのち、磁力などを使い、鉄や銅、アルミニウム等の金属を分離して回収へ。金属回収後に残ったプラスチックは単一ではない上、様々な異物が混じることから「混合プラスチック」と呼ばれ、国内では使い道がなく、多くが輸出されていました。

三菱電機グループは、この混合プラスチックの価値に着目し、HCS独自の微破砕技術により、大きさをそろえて細かく破砕することで高度な選別をしやすい状態にし、再生プラスチックの「原料」として後工程を担うGCSへと送ります。

冷蔵庫の野菜ケースやドアポケットは再資源化しやすい単一プラスチックの代表例であり、HCSからリサイクルに回ります。

家電を解体・破砕し、再生プラスチックの「原料」をつくる~ハイパーサイクルシステムズ(HCS)の取組

独自開発の選別技術で混合プラスチックから高純度プラスチックへ選別・回収する
~グリーンサイクルシステムズ(GCS)の取組

GCSの使命は、調達した混合プラスチックから異物を取り除き、種類ごとに選別・回収して、自己循環リサイクル可能な「高純度プラスチック」を低コストで生み出すこと。そのために必要な技術を三菱電機の研究所と協働して次々と生み出してきました。家電に用いられる主要3大プラスチックであるPP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)の高純度選別は、三菱電機グループが日本で初めて実用化に成功したものです。GCSがこれまでに処理した混合プラスチックは累計10万トン。現在では調達した混合プラスチックの約80%が、バージン材と同等品質の「高純度プラスチック」としてマテリアルリサイクルされています。そのうちの3割が三菱電機の家電製品に使用されて、自己循環リサイクルを実現。残り7割も高い品質を要求される国内の物流や建築資材の材料として様々な場所で活用されています(2018年度実績)。

GCS社が処理したプラスチック量

VOICE(リサイクル事業責任者)
株式会社グリーンサイクルシステムズ 代表取締役 社長 坪井 伸之
株式会社グリーンサイクルシステムズ
代表取締役 社長
坪井 伸之

事業を開始した当初、当社でのプラスチックのマテリアルリサイクル率は約55%でした。高純度を保ちながら回収率を高めるのは難しく、グループ一丸となってあらゆるプロセスを見直し地道な改良を重ね、現在の80%を達成しています。

当社の最大の目標は、素材価値を高め、より多くの再生素材を三菱電機の家電製品に戻し、自己循環比率を高めるとともに、家電製品のコストを削減することです。三菱電機の工場、研究所と連携し、今後も自己循環の規模を継続的に拡大します。バージン材からリサイクル材に置き換えるには、製品の設計変更が求められるなど容易ではありませんが、明確な方針のもと着実に移行が進んだのは、環境課題を本気で考える三菱電機グループならではの活動と思っています。


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