持続可能な社会の実現

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持続可能な水循環社会に貢献

安全な水の確保は、人々の健康維持、衛生状態の保持改善、さらには食の安全・安心にも大きな影響を与えるため人類が取り組まなければならない喫緊の課題とも言われています。一方で、世界では、急速な人口の増加や都市の拡大・過密化により、今後も水需要の増加が見込まれています。

三菱電機グループは、監視制御システムによる浄水場・下水処理場プラントの効率的・安定的な運転、オゾン技術を中心とした水処理システムによる安全な飲み水の提供や下水・工業排水の処理を通じた環境汚染の防止に寄与し、ひいては持続可能な水循環社会に貢献します。

監視制御システム/浄水技術

オゾンパワーで飲用水を安全に美味しく・下水や工業排水のリサイクルに貢献

「オゾナイザ」

日本では、高度経済成長期の1950年代、急速な人口成長や都市の拡大・過密化により水環境の悪化が問題となりました。当時の主な浄水技術としては、塩素消毒やろ過がありました。しかし塩素では消毒できない微生物が含まれていたり、塩素が原因となる発ガン性物質が生成したり、またろ過では、かび臭を除去できない、といった課題がありました。

そこで次世代型の浄水技術として注目されたのがオゾン処理。オゾンは従来使われている塩素よりも強力な酸化剤として、微生物に対して即効性のある消毒剤となるほか、臭いや色のもととなる物質も分解するため、脱臭・脱色にも効果を発揮します。三菱電機は、公害問題が顕在化してきた1960年代より、エレクトロニクス技術を活かしてオゾン発生装置「オゾナイザ」の販売を行っています。

50年に及ぶ歴史の中で装置の高効率化・コンパクト化を重ね、現在では「三菱オゾナイザ」は国内の上下水道や民間向けに1,700台以上を納入、国内上下水道分野では市場の50%超(2016年4月現在の導入機場数で比較、当社調べ)を占めるトップシェアとなっています。

上下水処理に加えて、工場での排水処理や、水族館の水槽の浄化処理でも活用されるなど、三菱オゾナイザの活躍の場は広がっています。

オゾン発生装置「三菱オゾナイザ」
オゾン発生装置「三菱オゾナイザ」
水族館での活用(例:鳥羽水族館マナティ水槽)
水族館での活用(例:鳥羽水族館マナティ水槽)

詳しくはこちら【中部支社 × 鳥羽水族館 - Vol.1 鳥羽水族館のマナティーを守る】


世界展開

「三菱オゾナイザ」は日本にとどまらず、海外へも展開しています。北米、及びアジア地域において、都市部の上下水道の水処理施設を中心に、50件以上の導入実績があります。

「三菱オゾナイザ」の世界展開
「三菱オゾナイザ」の世界展開

シンガポールの浄水場向けオゾンシステム

シンガポールでは水を持続的に確保することが重要なため、国としてすべての水を回収し、再利用し、さらに海水を淡水化することで水を確保しようとしています。三菱オゾンシステムは、シンガポール公益事業庁(PUB)が管理する水道に東南アジア地域で初めて導入される予定です。当社は技術を通じ、シンガポールの効率的、適切かつ高品質な水供給に貢献したいと考えています。

新技術EcoMBRの実証実験にも着手

EcoMBRによる省エネ性向上
EcoMBRによる省エネ性向上

加えて2016年は、シンガポールにおいて、オゾナイザの技術を応用した浸漬型膜分離バイオリアクター(EcoMBR)の事業化に向けた実証実験を始動させました。シンガポールに拠点を置く水処理事業大手のセムコープ・インダストリーズ社の排水処理プラントで検証を進めています。

MBRとはMembrane BioReactorの略で、下水や工業排水に含まれる有機物や窒素などを、微生物とろ過膜を使って除去する水処理装置です。当社が開発中のEcoMBRでは、オゾン水でろ過膜を洗浄して膜の目詰まりの原因となる有機物を分解・除去することで、従来と比べて2倍以上のろ過速度が得られます。つまり膜表面積当たりの処理水量を増加できるため、ろ過膜の本数を削減できます。したがって、膜面を洗浄するために必要な送風量を低減でき、省エネとコンパクト化を実現します。今後、実証実験を重ね、下水や工業排水の浄化・リサイクルに貢献します。


VOICE(シンガポールのオゾナイザ営業担当者)
Mitsubishi Electric Asia Pte.Ltd.
(シンガポール)Philip Tang
Mitsubishi Electric
Asia Pte.Ltd.
(シンガポール)
Philip Tang

今回PUBの浄水場へのオゾナイザ導入は、三菱電機のオゾン事業において、シンガポール市場、並びに東南アジア地区での初の試みとなりました。そのため、製品/技術の強みをお客様へご理解いただくのに大変苦労しました。監視制御システムについてはシンガポール国内での実績があったものの、オゾナイザの認知度はまだ低く、日本での豊富な経験と納入実績等をPRすることを工夫し、省エネやコンパクト化、メンテナンス性の向上等を中心にPRを強化し、採用に結び付けることができました。

新市場を開拓するということは、非常にチャレンジングです。また、今後の取引拡大のためにも今回のプロジェクトの中でお客様から信頼をいただく必要があり、やりがいを感じています。


難分解性物質を含む工業廃水もリサイクルする新技術を実証実験中

気液界面放電による新水処理技術

工業排水では、ダイオキシンや1-4ジオキサンなど、有害な難分解性物質の処理が必要になる場合があります。「OHラジカル」はこれらの物質も分解できる強い酸化力を持ちますが、従来はこれを発生させるためには複雑なシステムが必要で、装置と運用コストが高いという課題がありました。

今回三菱電機が開発した技術は、気液界面に放電を作用させOHラジカルを発生させる革新的な仕組みです。高効率であること、またシンプルな仕組みのため低コストも実現可能です。現在開発中の段階ですが、この画期的な技術を早期に製品化できるよう、より社会に役立つ、確かなものに磨き上げていきます。

OHラジカルによる難分解性物質処理
OHラジカルによる難分解性物質処理
既存技術との比較
既存技術との比較

街の水管理の頭脳として、水供給の安定性・効率性を支える

監視制御システム

オペレータ室
オペレータ室

三菱電機の監視制御システムは、日本全国の浄水場、下水処理場などの施設に導入されています(トップシェアグループ)。本システムは、効率的かつ経済的な運用に貢献し、また安全でおいしい水の安定供給や最適分配、汚水の浄化・雨水処理などの面で、人々の快適な暮らしを支えています。

日本において60年近く、水監視制御システムのコア技術を培ってきた三菱電機は、広域水運用、情報共有、遠隔地からの操作、集中豪雨等への早期対応、そしてIoT活用システムなどのサービスを拡大しており、世界の持続可能な水循環型社会を支えていきます。


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