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製品と生産の技術革新へ!

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ものづくりのイノベーション

モーター設計・製造技術・設備開発、すべての力の結集で実現した「最強のものづくり」

コンカレント・エンジニアリングは中津川製作所のDNA

中津川製作所と飯田工場(手前)で生産しているモーター
中津川製作所で生産しているモーター、手前にあるのが飯田工場で生産しているモーター。
中津川製作所は、1943年の生産開始時から2006年までに換気送風機を累計で1億台生産(飯田工場単独では2005年に累計4,000万台を突破)。自動化ラインから生みだされる高品質で信頼性の高い製品群は、日経アーキテクチャ調査の「建材・設備メーカーが採用したいメーカー」に4年連続ナンバーワンで選ばれています。

minimoを開発したのは、三菱電機中津川製作所・飯田工場のプロジェクトチーム。このプロジェクトは、スタート時からモーター設計・製造技術・設備開発といった、各分野の専門技術スタッフが飯田工場に結集し、全員一丸となって開発を行う“コンカレント・エンジニアリング”の形で進められました。

中津川製作所 飯田工場は、ダクト用換気扇をはじめ、パイプ用ファンなどを製造する、国内トップクラスの換気扇専門工場。業界他社が海外生産にシフトする中、同製作所ではあくまで「国内での一貫生産」にこだわり、市場ニーズに即応した高品質の製品によって高いシェアと顧客満足を追求してきました。

海外生産品に負けない飯田工場の高い競争力の源泉は、徹底した「FA化(工場自動化)」にあります。製造ラインの設計はもちろん、自動機や金型の設計・開発部門まで自前で備える中津川製作所では、それらの要素技術の結集によって他社に真似のできない高効率・高精度の自動生産ラインを構築。製品開発においても、設計→製造という通常の“流れ作業”ではなく、「自動化ラインへの適合」を前提に、最適な「モーター設計」「生産ライン設計」「設備金型開発」を各部門が一致協力で進めるやり方を長年にわたってとってきました。“コンカレント・エンジニアリング”が注目されるはるか以前から、それは中津川製作所のものづくりの基本姿勢であり、“DNA”として受け継がれてきたのです。


開発段階から全メンバーの技術・知識・経験を結集

minimoの技術開発体制
minimoの技術開発体制

minimoの開発においてもこの“中津川製作所のDNA”がフルに発揮されました。「究極のモーター」をつくり上げるため、プロジェクトには営業、モーター設計、製造技術、設備開発など各部門の精鋭スタッフが集められ、更に当社の全国の生産現場へ技術支援を行う「生産技術センター」にも協力を要請。経験豊富なベテランスタッフが飯田工場に招集されました。集まったメンバーたちはものづくりの最前線である“生産現場”で、各々の専門分野で培った技術・知識・経験を結集・融合させ、最高のものづくりを追求していきました。

同プロジェクトによるコンカレントな技術開発の中でも、とりわけ大きかったのが「設計と製造の一体化」による技術革新です。例えばモーターコイルを絶縁する巻枠を分割し、銅線を目一杯巻いた後に別部品を挿入して絶縁する「巻枠分割方式」。従来のモーターの常識を破るこの方法は、minimoの小形化・高効率化の大きなポイントとなった新技術ですが、この発想はモーター設計に「製造」の視点を融合させたからこそ生まれたもの。まさに中津川製作所ならではのイノベーションです。

設計面だけでなく製造面においても、コンカレント・エンジニアリングによる数々の技術革新が成し遂げられました。長年モーターの設計を担ってきたスタッフを生産技術担当に抜擢することで製造プロセスに新たな視点を導入し、更に生産技術センタースタッフ、設備開発担当者も一体となって様々な技術・ノウハウを融合。他工場でもほとんど例のないラインのワーク搬送方式開発から新たに取り組むなど、あらゆる工程においてロスを省き、最高の製品を高精度かつスピーディに製造するためのイノベーションに取り組みました。

コンカレント・エンジニアリングで誕生したminimo
コンカレント・エンジニアリングで誕生したminimo
minimoプロジェクトメンバー
minimoプロジェクトメンバー
左から出口(設計担当)、山口(製造技術担当)、木下(プロジェクトリーダー)、三宅(生産技術開発支援)

真のコンカレントを実現した「飯田創造室」という空間

飯田工場 モーター・換気扇工場
「創造室」は、製造ラインのすぐ脇の特等席に!

minimo開発におけるこうした「コンカレントなものづくり」の実践に当たって、大きな役割を果たしたのが「飯田創造室」の存在です。この「創造室」は、飯田工場に設けられた実験・開発部品の保管場所であり、かつプロジェクトメンバーが自由に集い、意見を交わすためのミーティングスペースです。

製造工場である飯田には、本来「開発部門」は存在しません。しかし「製造現場から遠く離れた隣県の中津川で開発を進めていたのでは、本当のコンカレント・エンジニアリングは行えない」との考えから、プロジェクトのスタートと同時に、飯田工場の入口のすぐ脇に、すべての開発メンバーが集まれる場所が作られました。製造ラインまで歩いて数十歩という“特等席”に開発の拠点を置くことで、設計と生産の融合を図ったのです。

コンカレント・エンジニアリングを理想に掲げる工場は多いものの、実際の開発プロセスでは、各分野の専門性が強いこともあり普段は別々に技術開発を進め、定期的な会議で互いの調整を図るというケースがほとんど。これに対して「創造室」では、全メンバーが一カ所に集まり、現実に動いている製造ラインを目の当たりにしながら、製品機構や製造プロセスの改善について具体的な議論を戦わせました。「会議室での調整」ではなく、ものづくりのまさに「現場」において、“フェイスtoフェイス”の緊密なコミュニケーションと“全員一丸”の姿勢を実現した「創造室」は、真のコンカレント・エンジニアリングに不可欠な“装置”だったと言えるでしょう。

飯田創造室 創造室に集うエンジニアたち
創造室に集うエンジニアたち。全員が「最高のものづくりを」という思いを胸に、議論を尽くす。

TOPICS

電力損失の約4割を占める「1次損失」を減らそう!

◆コイルの抵抗を小さくするために「集中巻」を採用して5割減!

分布巻⇒集中巻

一般にはモーターを小形化すると、出力が減るだけでなく電力効率も低下してしまいます。「いかにして小形化と高効率化を両立させるか」という難題を解決したのが、「巻線」の工夫でした。

モーターの電力損失で特に大きいのは、「1次損失」。1次損失とは、電源を接続するコイル(巻線)に電流が流れると電気抵抗で発熱して電力を損失することを言い、小形コンデンサモーターの損失の約4割も占めます。これを減らすため、minimoには、一般的な「分布巻」と異なり、固定子(モーターの回転しない部分)に銅線を直接巻き付ける「集中巻」を採用。コイル(巻線)抵抗による電力の1次損失を約5割も減らすことに成功しました。

◆コイルの抵抗を小さくするために「巻線占積率」を増やして2割減!

スロット(溝)数の少ない集中巻きには「デッドスペース(コイルを絶縁する巻枠が邪魔で銅線が巻けない部分)が大きくなる」という問題がありました。これを解決したのが、巻枠を分割して従来巻けなかった部分にも線を巻き、はみ出した部分に後から別部品を挿入して絶縁するという「巻枠分割方式」。巻線占積率(スロットの面積に対して銅線の面積が占める割合)を従来比で12%増やし、1次損失を更に2割減らすことに成功しました。

<新技術>巻枠分構造による高密度巻線
minimoの動画を見る
※「製品と生産の技術革新へ!」トップページへリンクします。

高速・低ショック搬送コンベヤ
高速・低ショック搬送コンベヤ。minimoに求められる高い精度を確保するため、積載部品に衝撃を与えず、しかもスムーズに、素速く動くコンベアを生産技術センターと設備開発部門が一緒になって新開発。生産機器の開発を外部委託せず、設計と一体で製造機器の開発を進めることで「最強の製造ライン」が構築できたのです。
箱に並べた部品(従来)⇒「直接部品供給方式」
従来は箱に並べた部品をロボットがパレットに一個ずつセットする方式でラインに供給していましたが、これを内製のパーツフィーダによる「直接部品供給方式」に切り替えることで、上流での人手によるセットの手間を省きました。
上:製造ライン稼働中/下:製造ラインいったん停止

溶接用はんだコテに、ラインが一定時間停止すれば待機中の温度を下げる新機構を採用。わずかなロスも見逃さず、徹底的に省エネ合理化を進めるという姿勢が貫かれています。


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