姫路製作所の生きもの調査レポート

印刷用ページへ
各製作所で、生きもの調査から始まる自然との共生を推進
在来種の保護と、地域の生態系に配慮した緑地管理を目指して
姫路製作所

姫路製作所では、2016年5月、7月、9月の3回に分けて植物・鳥類・昆虫の調査を実施しました。調査する前は、「もし敷地内の緑地に希少種や絶滅危惧種が見つかれば、保護していきたい」という考えをもっていましたが、調査で該当する種は見つかりませんでした。代わりに外来種が発見されたことから、「繁殖能力が高く、地域固有種の繁殖に悪影響を及ぼす外来種は駆除していこう」という方針を立てました。在来種の保護はもちろん、当製作所内の外来種が周辺地域に広がる可能性もあるからです。駆除対象は植栽を行っている侵略的な外来種とし、2017年度から駆除を試みる計画です。

事業所所在地

〒670-8677 姫路市千代田町840番地

主な取扱製品

自動車用エンジン電装品・制御製品、電動パワーステアリングシステム、ETC車載器

主な取組テーマ

  • 特定外来種、生態系被害防止外来種の管理[A-1-(2)]
  • 都市の緑地生態系の一部としての機能維持・質の向上[B-4-(3)]
  • 積極的かつ自発的に、自然との共生に向けて行動する社員の環境マインドの醸成・育成[C-7-(1)]

※ 取組テーマの分類については以下を参照ください。

取組の特徴

  • 植物・鳥類・昆虫の調査で緑地の特性を把握
  • 繁殖能力が高く、地域固有種の繁殖に悪影響を及ぼす外来種を駆除
  • 緑の質を高めて都市の生態系ネットワークに貢献

調査をして分かった姫路製作所の緑地の特徴

鳥が好む樹木が豊富

製造管理第一部 環境施設課 環境係 大森 明日香(左) 田中 邦幸(右)
製造管理第一部 環境施設課 環境係大森 明日香(左) 田中 邦幸(右)

植物調査でわかったことは、ヤマボウシ、ナンテン、エノキ、イヌツゲ、ネズミモチなど、「果実食の鳥が好んで食べる赤色や黒色の果実をつける樹木が多い」ということでした。その後の鳥の調査でも、実際にヒヨドリ、カワラヒワなど、果実食の鳥が確認できました。

このような鳥が集まる仕掛けがあれば、運ばれてきたタネで緑地の植物が多様になります。一方、製作所内から周辺の緑地へと植物の種が鳥によって運ばれることも考えられます。このように、製作所内の緑地が周辺の自然生態系の一部として機能しているため、外来種対策の観点では、鳥が好む実をつける侵略的な外来の樹木はできるだけ植えない、見つかったら抜いて繁殖しないようにすることが大切だと気付かされました。

鳥が好む実がなる樹木と、その実を食べる鳥の種類(一例)

生きものたちの生息地を連結する「緑の回廊」、その役割の一部を担う

姫路製作所に期待される役割

生きものがその場所で生き残るためには、「分散」「移動」「交流」といった生態的なプロセスが不可欠です。生息地が孤立・分断すると、これらが制限されて絶滅する可能性が高くなるといわれています。そうならないためには、生きものの重要な生息地を広域的に連結することが重要です。

姫路製作所のすぐ近くには自然度の比較的高い胄山公園があり、鳥やチョウを呼び込むことができる姫路製作所の緑地には、生きものたちの生息地を連結する「緑の回廊」の役割を期待することができます。敷地内の緑地面積はけっして広くありませんが、もっと質を高めて都市の生態系ネットワークに貢献したいと考えています。

新しいウィンドウが開きます姫路製作所 生きものリスト(2016年5月、7月、9月調査分)(PDF:39,169KB)

「製作所内の植物・鳥・昆虫」

調査を依頼したひょうご環境創造協会様からの提言

緑地の「エコアップ」は、地域との関係づくりや社員教育の機会にも役立てられます。

社有地にある緑地は、生物多様性保全への貢献にとどまらず、地域との関係づくりの場、社員への福利厚生や環境教育の場として利活用できる可能性があります。

多種多様な生いきものが生息するための環境を能動的に整えていく活動を「エコアップ」といいます。姫路製作所様では、侵略的な外来種で植栽を行っているものを他の木に置き換えていくことをお薦めします。それを社員の皆さんで実践する、あるいは、近隣の小学校など地域の参画を求めるということでも良いと思います。どんな木が良いかといえば、例えばミカンはいかがでしょうか。アゲハチョウが産卵にくるようになりますし、社員の皆さんで収穫を楽しんでもらえれば、生物多様性の恵み、保全といったことに更に関心をもてるようになると思います。小学生たちに、地域で採取したドングリの苗を育ててもらうというアイデアもあるでしょう。このように取組そのものを環境教育に利用することなども考えられます。

また、兵庫県内には、三田市に「人と自然の博物館」がありますので、そうしたシンクタンクの先生と一緒にエコアップに取り組むことができれば、企業と先生の双方にメリットが生まれるのではないかと思います。

公益財団法人 ひょうご環境創造協会


姫路製作所の活動の方向性

以下は三菱電機グループの各事業所による生物多様性保全活動の方向性を示した一覧表です。

姫路製作所の活動がどの方向性に当てはまるのかを、色で示しています。

適切な外来種管理のもと緑地機能を高め、社員の環境マインド醸成・育成にも役立てる。

活動の方向性

A
生きものへの
負の影響を低減する

  • 1.「開発圧※1」「外来種圧※2」の抑制
  • (1)環境アセスメント
  • (2)外来種管理
  • 2.「希少種」「固有種」への注意喚起と保全
  • (1)構内生物リストの公開
  • (2)希少種、固有種の保全
  • (3)周辺の保全課題への協力
  • 3.農薬影響の管理
  • (1)生きもの殺傷の抑制

B
生きものとの
より豊かな共生を目指す

  • 4.機能緑地の設定
  • (1)周辺生態系への貢献
  • (2)「都市生態系」の質向上
  • (1)飛翔性生物の利用地
  • (2)「みどり+生きもの」優先地
  • (3)敷地周辺への連続性の提供
  • (4)周辺生態系の課題への協力
  • 5.緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの脱却
  • (1)植生の多様化・多層化
  • (2)植物の特性に合う緑地管理

C
働く中で社員が
自然との関係を取り戻す

  • 6.生態系サービスの職場での積極的享受(休憩所、フロア)
  • (1)文化的サービスの享受・場づくり
  • (2)供給サービスの享受・場づくり
  • 7.「無関心」「無関係」状態から、「全員が関係ある」状態へ
  • (1)理解と行動促進の教育
  • (2)職場・業務での関係創出
  • ※1開発圧:棲みかの破壊。事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などのために開発が行われること(サプライチェーンでの開発を含めて)、などが該当。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を与える場合などもこれに含まれると考えられる。
  • ※2外来種圧:その地域にもともと存在しない生きものが、外構や建物の脇の緑地、生垣などをつくる際に地域の外から樹木や草木を導入することがある。何気なく行われる生きものの移動が、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となることがある。

フォトギャラリー



このページを共有

環境への取組
カテゴリ内情報