電子システム事業本部

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事業概要とリスク・機会を認識・評価している環境課題

国民生活の安全・安心と宇宙研究・先端技術開発に貢献

電子システム事業本部は、通信・放送衛星、地球観測衛星などの人工衛星をはじめ、衛星運用に必要な地上システムなどの宇宙利用インフラ、すばる望遠鏡などの大型地上望遠鏡設備を製造し、国民生活の安全・安心と宇宙研究・先端技術開発などに貢献しています。さらに、複写機などに搭載される密着イメージセンサや、自動車の車両安全システムに使用されるミリ波レーダ用モジュールなどを情報通信機器メーカーや自動車メーカーに提供しています。鎌倉製作所と兵庫県尼崎市の通信機製作所が中心拠点となっており、生産時のCO2削減とともに、生物多様性の保全や地域の清掃活動、近隣地域の小・中学校への企業出前授業・環境出張教育にも取り組んでいます。

リスク・機会を認識・評価している環境課題

  • 気候変動
  • 森林破壊

事業本部からのメッセージ

地球環境問題の解決や、次世代エネルギーの開発につながる製品開発に取り組んでいきます

岡村将光 常務執行役
電子システム事業本部長
岡村  将光常務執行役
電子システム事業本部長

電子システム事業本部の製品は、人類共通の課題である地球環境問題の解決や、次世代エネルギーの開発につながる重要な役割を担っています。

例えば、当社が製造を担当し、2009年に打ち上げられた人工衛星の「いぶき」(GOSAT)、2018年度打上げ予定の「いぶき2号」(GOSAT-2)は、温室効果ガスの濃度分布を観測し、温室効果ガスの排出/吸収状況を把握することで、世界の温暖化防止に貢献します。2014年に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、暮らしの安全の確保・地球規模の環境問題の解決に貢献します。また、2014年に打ち上げられ、2015年7月7日から運用を開始した静止気象衛星の「ひまわり8号」、2016年11月に打ち上げられ、2017年3月10日から待機運用を開始した「ひまわり9号」は、地球温暖化の状況や気象現象などの観測能力をより強化するものです。加えて、宇宙空間で太陽光によって発電した電力を電波で地球に送り、24時間安定して電力を供給する「宇宙太陽光発電」に関する研究も行っています。

一方、地上においても、大気中の塵や微粒子の移動速度を遠隔から計測できる「ドップラーライダー」は、ヒートアイランド現象や自動車排気による環境影響物質などを監視・予測することもでき、再生可能エネルギー分野においては風力発電で風車制御による効率化や長寿命化が期待されています。

また、これら製品生産時のCO2削減並びに効率的なエネルギー利用にも努めています。特に、精密電子機器はクリーンルームで生産され、多くの試験装置を利用していることから、空調や試験装置の運用手法を改善してエネルギーの効率的な利用に取り組んでいます。


事業を通じた環境課題への取組

温室効果ガス観測技術衛星
「いぶき2号」(GOSAT-2)
温室効果ガス観測技術衛星
「いぶき2号」(GOSAT-2)

世界をリードする地球環境観測に貢献

気候変動

当社は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から温室効果ガス観測技術衛星2号(「いぶき2号」(GOSAT-2※1))の主契約者に選定されました。「いぶき2号」は、世界で初めて温室効果ガスの濃度分布を宇宙観測する専用衛星として開発した「いぶき」(GOSAT:2009年1月打上げ)の後継衛星で、2018年度に打上げ予定です。

「いぶき2号」は高性能な観測センサーを搭載し、温室効果ガス濃度分布の測定精度を向上できるほか、微小粒子状物質(ブラックカーボン、PM2.5など)を推計し、大気汚染監視に貢献します。当社は今回、「いぶき」において担当した衛星システムの開発・製造に加え、観測センサーの開発・製造、地上設備の構築、打上げ後の衛星の管制運用をトータルで担当する予定です。

さらに「いぶき2号」には、2014年に打ち上げられた米国の「OCO-2」、今後打上げが計画されている欧州の「Carbonsat」など、「いぶき」に続く温室効果ガス観測専用衛星との国際的な連携・協力が期待されています。

  • ※1GOSAT-2:Greenhouse gases Observing SATellite-2
陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)
陸域観測技術衛星2号
「だいち2号」(ALOS-2)

災害状況把握、海洋、森林監視などに貢献

森林破壊

災害時の観測や森林監視、農業などへの衛星利用が世界的に拡大・浸透しつつあります。当社の陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)も暮らしの安全の確保・地球規模の環境問題の解決を目的に2014年5月24日に打ち上げられた地球観測衛星です。「だいち2号」は陸域観測技術衛星「だいち」の後継機で、当社は主契約者として、衛星、合成開口レーダ、地上管制・処理システムのとりまとめを担当しました。

「だいち2号」は、地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探査の「だいち」ミッションを発展的に引き継いでいます。穀物などの生育状況の把握に役立つほか、資源・エネルギー供給の円滑化や地球環境問題に対する国際的な取組を支援します。また、東南アジアやブラジルなどの熱帯雨林地帯における森林の違法伐採の監視(森林劣化の観測)にも貢献します。

準天頂衛星初号機「みちびき」
準天頂衛星初号機「みちびき」

高精度な測位情報を送り、様々な利用を通じて環境貢献

日本独自の測位衛星である準天頂衛星は、日本の天頂付近への滞在時間が長い軌道を飛行することにより、ビルの谷間や山かげなどこれまで測位が困難だった場所へも測位信号を送ることができます。また、GPSを補強することで位置精度がGPSの約10mからcmレベルと飛躍的に向上します。高精度な位置情報を用いて、道路の高低差や位置情報を利用したエコドライブ制御や自動運転などの自動車分野、列車運行・管理の効率化などの鉄道分野、農機・建機の自動運転などの農業分野や建設・土木分野など、様々な分野で環境に貢献するソリューションの開発が期待されています。


風力発電の効率化に貢献する「ドップラーライダー」を開発

「ドップラーライダー」は、大気中のエアロゾル(目に見えない塵や微粒子)を対象に、それらの移動速度を風速として、方向を風向として計測することができる装置です。遠隔での風況調査により、都市大気(ヒートアイランド現象や自動車排気による環境影響物質、大気汚染)の風向監視・予測での利用をはじめ、大型化する風力発電設備や、広域化するウインドファームなど従来の風速計では計測できない風をリアルタイムに計測することができることから、これらのデータをもとに最適な制御を実現することができます。

風車向けのドップラーライダーは、風車のナセル上に設置し、前方4方向ないし9方向の風向・風速を測定します。ライダーから水平距離20m~250m※2までの視線方向風向風速を計測し、リアルタイムに風車へ計測データを提供することで、風車運用における効率化や長寿命化※3が期待されます。また、洋上風車や既存風車への搭載や、遠隔監視制御機能を用いた遠隔地からの操作、観測データ抽出も可能です。アイセーフ波長(近赤外、不可視)のClass1Mレーザを採用し、目に対する安全も考慮しています。

  • ※2観測距離は、大気の状態により変動します。
  • ※3風車の出力曲線(パワーカーブ)を測定可能です。
風車向けドップラーライダー
風車向けドップラーライダー

環境負荷低減の取組

生産時CO2削減の取組

気候変動

精密電子機器は、品質維持のために製造・組立・試験の多くがクリーンルーム内での作業となります。また、多種多様な試験装置を利用していることから、生産性向上活動とともに設備の使用電力削減に取り組み、生産時CO2排出量の削減に努めています。クリーンルーム、試験装置では、使用時と未使用時で空調を調整しています。また計算機サーバ室では、室内を熱解析し、ホットスポットを排除するとともに、空調機器、サーバ機器は、冷気と暖気の通り道を分離するよう配置して空調機器の制御を最適化しています。

CO2発生量を約4%抑制(照明電力61%)——鎌倉製作所 相模工場、新・生産棟

気候変動

2017年5月に竣工した鎌倉製作所 相模工場の生産棟では、以下の各種施策を実施することで、CO2発生量を抑制しました。

LED照明の導入
LED照明を導入し、廊下、トイレ、ロッカー室などの共用部においては人感センサーでON/OFFを自動制御。特に天井高が8 m~11mの生産エリアでは、水銀灯を高輝度LEDに置き換えることで照明電力の使用量を削減しました。
自然光の活用、空調環境の最適化
ロビー、事務所、大会議室にトップライトを配置して自然光を採り込み、昼間は照明なしでも明るい職場環境を確保しています。また、事務所、会議室の空調として、人感センサー(ムーブアイ)を搭載した室内機を配置し、吹出し口からの空気を搬送ファンで循環することで、空調環境の最適化を図りました。
断熱性外壁・ガラスの採用
建屋外壁部に断熱サンドイッチパネル※1及び太陽熱を遮断するLow-Eガラス※2を採用することで、冷暖房負荷を軽減しています。
  • ※1 断熱サンドイッチパネル:2枚の鋼板を成形加工し、その間に断熱材を挟み込んだパネル型の建材。意匠性も高く軽量でありながら、優れた断熱性・強度・防耐火性・耐久性・施工性を持っている。
  • ※2Low-E(Low Emissivity:低放射)ガラス:板ガラスの表面に酸化スズや銀などの特殊金属膜をコーティングしたもので、このLow-E膜によって遠赤外線の反射率を高める。Low-Eガラスを複層ガラスに使用することで、中空層の放射による熱伝達を低減し、高断熱性能を発揮する。

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環境への取組
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