本部長メッセージ

人工衛星を始めとした付加価値の高い製品・サービスの提供を通して、地球環境保全や持続可能なまちづくりに関する諸問題の解決に貢献します

佐藤 智典
常務執行役
防衛・宇宙システム事業本部長
2023年7月現在

防衛・宇宙システム事業本部では、人工衛星や各種センサーシステムを始めとした多岐にわたる製品・サービスの提供を通じて豊かな社会の実現に貢献しています。今後も衛星システム技術・センサー技術・高精度測位技術などの強みを更に磨き、それらを活かした以下の取組を進めることで、社会課題の解決に努めます。

  1. 1.環境問題の解決に貢献する製品・サービスの提供
    温室効果ガス観測技術衛星(「いぶき」(GOSAT)シリーズ)、陸域観測技術衛星(「だいち」(ALOS)シリーズ)、気象衛星(「ひまわり」シリーズ)に代表される観測衛星により、温室効果ガス濃度分布・災害状況・海洋環境などの地球環境に関するデータを継続的に提供し、地球規模の環境問題の解決に貢献します。
  2. 2.衛星データの利活用による様々な社会課題の解決に貢献するソリューションの提供
    衛星の観測データに対する解析技術を活用し、インフラ監視などの新たなソリューションを提供します。また3つのコアテクノロジー(準天頂衛星システム「みちびき」、高精度測位端末、高精度三次元地図)を融合させたセンチメータ級高精度測位ソリューションを提供し、自動車・鉄道・農業・土木などの分野でさまざまなイノベーションをもたらします。これらの取組により、安心・安全・快適で持続可能なまちづくりの実現に貢献します。
リスク・機会を認識・評価している主な社会課題 重点的に取り組むSDGs
  • 持続可能な食糧生産システムの確保
  • 統合水資源管理
  • 産業発展や防災を支えるインフラ整備
  • 安心・安全・快適で持続可能なまちづくり
  • 廃棄物削減・管理
  • 気候変動への対応
  • 海洋汚染の防止
  • 森林破壊の防止
  • 飢餓をゼロに
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な政策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
リスク・機会を認識・評価している主な社会課題
  • 持続可能な食糧生産システムの確保
  • 統合水資源管理
  • 産業発展や防災を支えるインフラ整備
  • 安心・安全・快適で持続可能なまちづくり
  • 廃棄物削減・管理
  • 気候変動への対応
  • 海洋汚染の防止
  • 森林破壊の防止
重点的に取り組むSDGs
  • 飢餓をゼロに
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な政策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう

事業を通じた社会課題への取組み

世界をリードする地球環境観測に貢献

静止気象衛星
ひまわり8号/9号

三菱電機が開発を担当した静止気象衛星「ひまわり8号」「ひまわり9号」は、世界に先駆けて次世代の気象観測センサーを搭載し、気象現象や地球環境の観測機能の向上に加え、撮像時間短縮による観測データの正確かつ迅速な伝送を実現しました。これにより気象予報の高精度化や海面水温・植物性プランクトン濃度・海氷・噴煙など様々な地球環境の把握が可能となっています。さらに、この観測データはアジア・太平洋の国や地域にも提供され、より効果的な防災施策の実現に貢献しています。

また、三菱電機が開発を担当した温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」は、世界で初めて温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測する専用衛星として開発された温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の後継機として、高性能な観測センサーを搭載し、温室効果ガス濃度分布の測定精度向上に貢献しています。さらに、微小粒子状物質(ブラックカーボン、PM2.5など)を推計し、大気汚染監視にも役立っています。

ひまわり8号が撮影した2019年台風19号

ひまわり8号が計測した海洋の植物性プランクトン濃度(赤が最も高く富栄養化を示す)

衛星観測データの利活用により地球環境保全と安心・安全な暮らしに貢献

陸域観測技術衛星2号
「だいち2号」(ALOS-2)

三菱電機が開発を担当した陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、暮らしの安全の確保と地球規模の環境問題の解決を目指し、昼夜・天候を問わず観測が可能な合成開口レーダにより地球観測を行っています。地図作製・地域観測・災害状況把握・資源探査の幅広い分野で活用されており、例えば火山活動や海氷の監視、森林の違法伐採や森林火災の状況監視などに役立っています。

また、観測衛星が撮像する衛星画像を三菱電機の独自技術やノウハウに基づいて処理・分析することで、より精緻な状況把握や変位抽出が可能となります。これらの技術を活かして、政府や地方自治体と共に河川/湾岸の浸水や地盤沈降による変位抽出、インフラ設備の損傷・老朽化の検出など、インフラ監視に関する技術実証を進めており、このようなソリューションの社会実装化を実現することで広範囲かつ高精度な防災・減災対策に貢献します。その他にも、海洋における船舶情報の抽出など様々なソリューションの提供に向けた取組みを進めており、これらを通して人々の安心・安全な暮らしに貢献します。

衛星観測データ利活用ソリューション事例

高精度測位ソリューションを通じて安心・安全・快適な暮らしに貢献

準天頂衛星システム「みちびき」

準天頂衛星システム「みちびき」では、三菱電機が開発を担当した4機の測位衛星のうち常に1機が日本の天頂付近に位置することにより、ビルの多い都市部や山間部などこれまで測位が困難だった場所へも測位信号を送ることができ、さらにGPS信号を補強することでセンチメータ級の位置精度が実現できます。衛星からの測位信号を受信する高精度測位端末、MMS※1で取得した位置情報から生成する高精度3次元地図を組み合わせることで、エコドライブ制御や自動運転などの自動車分野、列車運行・管理の効率化などの鉄道分野、農機・建機の自動運転などの農業分野や建設・土木分野など、安心・安全・快適に暮らせるまちづくりに貢献する様々なソリューションの提供に向けた取組みを進めています。

※1MMS(Mobile Mapping System):走行しながら建物・道路の形状等の3次元位置情報を取得できる計測システム

高精度測位ソリューションの取組み事例