社会システム事業本部

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事業概要とリスク・機会を認識・評価している環境課題

水処理・道路・鉄道など社会インフラを支える多種多様な製品を提供

社会システム事業本部は、官公庁や道路・鉄道関連企業などの社会インフラ構築を担うお客様に対し、水処理プラントシステム、高速道路情報システム、鉄道情報システム、鉄道車両用電機品など、公共・交通分野の多種多様な製品を提供しています。これら製品の小型・軽量化、高性能・高効率化を図り、省資源・省電力化による環境負荷低減を実現してきました。近年は、鉄道エネルギーの全体最適化を実現するソリューションの提供や、水処理プロセス省エネ事業、スマートコミュニティ事業にも取り組み、次世代インフラの構築に注力しています。製品・システムの設計・製造を担う神戸製作所・伊丹製作所・長崎製作所、及び関係会社においても、設備・試験・物流などの改善を通じ、省エネを進めるとともに、一例として塗装設備で使用する有害物質の管理徹底による土壌・水質汚染の防止や製品製作時に発生する廃棄物の削減・管理に努めています。

リスク・機会を認識・評価している環境課題

  • 気候変動
  • 大気・水・土壌汚染
  • 化学物質の適正管理
  • 廃棄物削減・管理

事業本部からのメッセージ

低炭素社会の実現に向け、幅広い技術とたゆまぬ研究開発により、次世代社会インフラの構築を目指しています

漆間啓
専務執行役
社会システム
事業本部長
漆間  啓専務執行役
社会システム事業本部長

社会システム事業本部が提供する製品は、水処理・道路・鉄道などの社会インフラを長期にわたって支える重要な役割を果たしています。そのため、設計・製造においては、高品質・高機能の確保とともに、小型・軽量化、高性能・高効率化による省資源・省電力化を推進し、低炭素社会の実現を目指しています。

近年では、電力供給の効率化・最適化を支援する情報通信技術や、再生可能エネルギーなどを活用した、次世代社会インフラの構築への期待が高まっていることを踏まえ、「鉄道トータルエネルギー・環境ソリューション」に取り組んでいます。

これは最もエネルギー消費が大きい鉄道車両自体だけでなく、駅や車両基地、さらに路線全体で、創エネルギー・蓄エネルギーを実現する新たなエネルギー管理技術とIoT※1の活用により、「鉄道エネルギーの全体最適化」を目指すものです。

こうした活動の中で鉄道分野においては、大容量フルSiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバータ装置が、2015年度に「優秀省エネルギー機器表彰」で最高位の経済産業大臣賞や、「エコプロダクツ大賞・優秀賞」「市村産業賞・功労賞」を受賞しました。また、電車がブレーキをかけたときに発生する余剰の回生電力を駅の照明・空調などの電源として活用する駅舎補助電源装置にはハイブリッドSiCパワーモジュールを適用し、2016年度に新エネ大賞の「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。今後もフルSiCパワーモジュールの適用範囲を拡大し、省エネに取り組んでいきます。

また、下水処理や工場廃水を浄化する「水処理プロセス省エネ事業」にも注力しています。下水においては、従来技術で浄化が困難であった廃水中の難分解性物質を取り除く性質があるOHラジカル※2を高効率に生成し、シンプルなシステムで効率的に水処理を行う技術や、下水・工業排水を処理・再生するためのろ過膜をオゾン水で洗浄することでろ過膜表面積あたりの処理水を約2倍に増量する膜分離バイオリアクター(EcoMBR)※3を用いた水処理技術などを開発しています。さらに、中国やシンガポールでの実証実験など海外展開に向けた取組も進めています。

今後もこれまでに蓄積した幅広い技術とたゆまぬ技術開発により、安全・安心・快適な社会の実現に貢献していきます。

  • ※1IoT:Internet of Things
  • ※2OHラジカル(ヒドロキシルラジカル):極めて強い酸化剤
  • ※3浸漬型膜分離バイオリアクター(EcoMBR):下水や工業排水を処理・再生するためのろ過膜をオゾン水で洗浄する方法

事業を通じた環境課題への取組

「鉄道トータルエネルギー・環境ソリューション」への取組

気候変動

鉄道エネルギーの全体最適化を目指し、低炭素社会の実現に貢献します。

フルSiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバータ装置を製品化
大容量フルSiCパワーモジュール適用
鉄道車両用インバータ装置
大容量フルSiCパワーモジュール適用
鉄道車両用インバータ装置
フルSiCパワーモジュールを適用した車両用インバータ装置を製品化し、2014度末から市場に投入。従来車両と比較して約40%の省エネ効果を実現しました。この製品は、数多くのお客様にご採用いただいています。
駅舎補助電源装置を製品化
鉄道車両がブレーキをかけたときに発生する回生電力を駅電気設備(照明・空調・エレベータなど)に直接供給する「駅舎補助電源装置」を製品化し、1駅あたり約600kWh/日(一般家庭約60世帯分)の省エネ効果を実現しました。これにより駅舎の省エネルギーに寄与しています。また、従来より小型化し、蓄電池と組み合わせたハイブリッド型を2016年9月に製品化しました。
き電最適制御システム(列車回生電力融通技術)を開発
ICTを活用し、車両の運転状態に基づいて架線電圧を制御する「き電最適制御システム」の開発に取り組んでいます。これは情報通信ネットワークを通じてリアルタイムに車両の位置や運転情報を配信し、これを受けた管理システムが変電所出力や駅舎補助電源装置、電力貯蔵システムなどを有機的に制御するものです。これにより、路線全体で消費するエネルギーの最小化を図ります。
鉄道車両用空調装置
鉄道車両用空調装置

鉄道車両用空調装置の小型・軽量化を実現

大気・水・土壌汚染

配管の細径管化により熱交換器を約20%小型化するとともに、材料の見直しで約6%軽量化するなど、空調装置の小型・軽量化を実現しました。また、温室効果ガスである冷媒について、低GWPの代替冷媒への転換を推進することで、環境負荷低減を図っています。

  • GWP(Global Warming Potential):地球温暖化係数
オゾン発生装置
オゾン発生装置

オゾン発生装置の小型・高効率化を実現

気候変動

オゾン発生装置は優れた殺菌・脱臭・脱色・酸化力により、高度水処理や紙パルプの漂白に利用されています。この装置の酸素源部分について、電極をより細く、間をつめて配置する技術を開発し、さらにこれを空気源にも適用することで、小型・高効率化を実現しました。これにより、システム全体での消費電力を15%削減しています。


気液界面放電による水処理技術を開発

気候変動

廃水中の難分解性物質を処理するOHラジカルを高効率に生成し、シンプルな構造で水処理を行う「気液界面放電による水処理技術」を開発しました。傾斜面を流れる廃水に対して直接放電することで、気体中、気体・液体の境界層である「気液界面」、さらには液体中においてもOHラジカルを生成し、効率的に水処理を行うことが可能です。本技術を導入することで、水処理のエネルギー効率を従来の2倍に向上できます。

膜分離バイオリアクターによる水処理技術を開発

気候変動

下水や工業排水を処理して再生するためのろ過膜をオゾン水で洗浄する、浸漬型膜分離バイオリアクター(EcoMBR)による水処理技術を開発しました。省エネでコンパクトな装置で高速ろ過し、膜表面積あたりの処理水量を約2倍に増やすことができます。

防災拠点向けエネルギーマネージメントシステムを開発

気候変動

過去の使用実績や天気予報などから電力需要を予測し、商用電源・太陽光発電・風力発電・蓄電池などを組み合わせて、エネルギーの最適供給を実現する機能を開発し、2015年度に鹿児島県薩摩川内市へ納入しました。今後はこのシステムを、ビル管理システムや水処理プラントシステムなどに組み込み、幅広い分野でスマートエネルギーシステムの実用化を図ります。

オーロラビジョン
オーロラビジョン

オーロラビジョンの消費電力削減及び軽量化を実現

気候変動

LED駆動用の電源と駆動回路の高効率化、駆動電圧の最適化、高効率LEDの投入により、単位面積当たりの消費電力を3%削減しています。また筐体構造の見直しにより、スクリーンの重量も40%削減しました。


環境負荷低減の取組

継続的な改善活動を実施

気候変動

製品供給を担う神戸製作所・伊丹製作所・長崎製作所の各拠点では、設備・試験・物流における改善活動やプロセス全体を通しての廃棄物の分別徹底などに日々取り組み、環境負荷の低減に努めています。

設備改善
神戸製作所や伊丹製作所に建設した新工場は、LED照明・高効率空調機・太陽光発電システムを備え、節電を実現しています。また、乾燥炉の熱源である熱媒ボイラーの排気を、製品洗浄用の温水生成に利用するなど、効率化のための設備改善を実施しています。
試験改善
車両用VVVF装置などの大電力機器の試験において、模擬負荷として接続した発電機の発生電力を破棄することなく利用するなど、エネルギーの有効活用に取り組んでいます。
  • VVVF:可変電圧・可変周波数制御。交流電動機のための制御方式
物流改善
リターナブル梱包の適用拡大や、トラック・飛行機から鉄道・船舶へのモーダルシフトにより、CO2排出量の削減を図っています。

海外生産・保守拠点を整備

気候変動

海外の鉄道需要に対応するため、北米・メキシコ・イタリアなどに加え、インドやポーランドにも海外拠点を設けています。地球温暖化などを背景とした欧米、アジアでの更なる需要拡大に備え、今後も海外生産拠点の強化・拡大を図り、製品・サービスの「地産地消」を推進することで、輸送時CO2の削減を実現します。


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環境への取組
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