小型化により自動運転など
高精度測位情報の利用拡大に貢献します。

概要

三菱電機は、4周波数帯に対応した世界最小※1の高精度衛星測位端末用アンテナを開発しました。周波数帯域を拡大したことにより世界の主要な衛星測位システムと測位補強サービス※2に対応するとともに、小型化によりさまざまな移動体に搭載でき、自動運転など高精度測位情報の利用拡大に貢献します。

衛星測位端末用アンテナ試作機/測位衛星利活用のイメージ

ニュースリリース

技術ポイント

独自のアンテナ小型化技術により、世界最小を実現し、さまざまな移動体に搭載可能

一般的に測位衛星の信号を良好に受信するためには、アンテナの水平面内に広い面積が必要です。今回、水平面に垂直に配置した4つの樹脂成形品の側面と天面に2つの折り曲げ線状アンテナ素子を樹脂成形品間で対称になるよう配線しました。アンテナ素子配線を立体化するこの独自の技術により、4周波数帯対応アンテナとして世界最小を実現しました。

また、アンテナは占有空間と性能が比例する性質があります。アンテナ素子配線を立体化して樹脂成形品の天面も使用し、限られた占有空間の中でアンテナ形状を最適化することで、高周波数帯のL1帯の周波数帯域を従来比約3倍に拡大することに成功しました。

これにより、GLONASS衛星、INMARSAT※3衛星を含めた世界各国の代表的な測位衛星システムと測位補強サービスに対応するとともに、小型化によりドローンなどさまざまな移動体への搭載が可能となります。

アンテナ小型化技術/各種測位信号の周波数

独自のアンテナ構造により、測位精度を劣化させるマルチパス波の抑制を実現

衛星測位では、地面から反射した電波であるマルチパス波を受信すると測位精度が劣化しますが、アンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減することでマルチパス波を抑制できます。

今回、2つの折り曲げ線状アンテナのひとつである直線状とループ状のアンテナ素子の放射メカニズムの違いを利用して、それぞれの放射波を合成させてアンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減する独自のアンテナ構造を開発しました。

これにより、従来のマルチパス抑制手法のようにアンテナを大型化せずにバックローブ放射を低減して、小型化とマルチパス抑制を両立しながら高い測位精度が期待できます。

バックローブ放射を低減するアンテナ素子

※12022年1月17日現在、当社調べ、4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナにおいて。

※2測位誤差を補正する情報や測位の信頼性に関する情報を提供するサービス。

※3インターナショナル モービル サテライト オーガナイゼイションの登録商標。

SDGsへの取組

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGsとは?