開発NOTE

ダイナミックマップを応用し、
モビリティをもっと賢く。

ダイナミックマップを応用し、モビリティをもっと賢く。

先端技術総合研究所 丹下 智之先端技術総合研究所 丹下 智之

今回の技術の最大の特長は、ビル内ダイナミックマップをモビリティの移動管制に採用したことです。ダイナミックマップは国内外で技術開発が進み、標準化に向けた取り組みも活発に行われています。これをビルの地図として応用すれば、モビリティをもっと賢く動かせるのではと考えました。

モビリティ自身がセンサーやカメラなどで知り得る情報だけで動くのではなく、詳細な地図でビル全体を見ながら移動するという考え方です。ビル内ダイナミックマップには、工事中でここは通れない、ここは混雑しているといった情報まで含まれています。クルマで言えば、単に地図を見て経路を決めるのではなく、工事情報や渋滞情報などを知っていれば、無駄のない経路を選ぶことができます。

前例のない技術なので、私にとってもチャレンジでした。

前例のない技術なので、私にとってもチャレンジでした。

この技術は今までにない新しい技術なので前例がない分、開発が難しく、大きなチャレンジでもありました。ビルは道路とは違い何階もフロアーが重なっているなど、道路とは構想が違うので、それに対応した設計が必要になります。

私自身、ダイナミックマップやモビリティに関する開発に携わるのは初めての経験でした。モビリティの専門家ではないのでわからないことも多く、いざロボットを誘導してみると、スムーズに動かないなど、試行錯誤を繰り返す日々でした。

自動運転のダイナミックマップは規格化が進んでいますが、この技術に関しても我々が考えた仕様を今後広めていけたらと思っています。規格化が進めば、より多くのビルで、メーカーを問わず様々なモビリティを動かすことができ、人とモビリティの共存が当たり前になる新しい社会へ近づく気がします。