飛躍的な省エネ性向上で、低炭素社会の実現に貢献。

技術紹介

SiからSiCへ、パワーデバイスは新たな領域に。

鉄道、自動車からエレベーター、家電製品まで、現在社会においてパワーエレクトロニクス機器に課せられた使命、それは省エネです。
電気をいかに効率的に使い、低炭素社会を実現するか、そのためのキーとなるのがパワーデバイスです。CPUやメモリなどのデバイスは「演算」や「記録」の働きをするのに対し、パワーデバイスは電力を制御する機能を担っています。
従来、パワーデバイスの素材にはSi(シリコン)が使用されてきました。しかし今、新しい時代の主役としてSiC(炭化ケイ素)に注目が集まっています。SiCはSiに比べ、電気を通しやすく、電力損失が発生しにくい特性があります。
つまり電力を無駄なく供給する、無駄なく交流・直流に変換することで、パワーエレクトロニクス機器の飛躍的な省エネ化を実現します。
さらにSiCは高温でも安定して動作するため、大電力を使用する産業機器やインフラ設備など、幅広い分野での活用が可能です。低炭素社会実現のために、Siの限界を超えるSiCの可能性に大きな期待が寄せられています。

SiCパワーデバイス開発

いち早く開発に取り組み、現在では幅広い分野で製品化に成功。

SiCについて、当社が初めて開発に着手したのは1990年代前半のことです。国家プロジェクトとしてSiCと言う素材そのものの開発からスタートしました。
その後はパワーデバイスの開発、2000年代には製品への適用へと歩みを進めてきました。
SiCパワーデバイスを初めて搭載したのはルームエアコンです。これは世界初※1のことでした。その後も鉄道車両や産業機器向けなど、世界に先駆けてさまざまな製品に搭載してきました。
当社はSiの時代からモーターや産業機器などに使用されるIGBTにおいて、世界トップシェア※1を占めるなど、パワーエレクトロニクスの分野で多くの実績を残してきました。
SiCという新素材の登場に際しても、いち早く開発をスタートさせたことで、その成果がいま各分野で実を結んでいます。今後もより高性能に、より省電力に向かって開発を加速していきます。

※12010年10月、当社調べ。