注目の研究・技術

印刷用ページへ

ユニバーサルデザイン開発評価ツール UD-Checker

使いやすく、人・生活環境にやさしい
製品デザイン開発を支援。


技術紹介

UD-Checker画面
UD-Checker画面

ユニバーサルデザイン達成度の定量的評価を実現。

JISやISOによりガイドライン整備や国際規格化が進むなど、製品開発におけるユニバーサルデザイン(UD)の重要性は日増しに高まっています。しかしその反面、UDはエネルギー消費効率などのように定量的な評価が難しく、評価基準が明確化されていません。三菱電機では長年のノウハウをもとに作成したUD配慮指針リスト「ユーザビリティセルフチェッカーUD編」を活用し、製品開発時のUD目標レベル設定や定量的な達成度評価が行える「UD-Checker」を開発しました。

評価結果をフィードバックし、確実な目標達成を推進。

「UD-Checker」はStep1~4で構成されています。まずStep1・2では製品特性の整理、目標レベルの設定を行います。例えば、エレベーターは高齢者や障がい者などに配慮した設計、家電製品では多様なユーザー志向に対応できるものづくりなど、 製品により目標レベルが異なります。「UD-Checker」はそれぞれの製品特性を十分に踏まえた的確な目標設定が可能です。つぎにStep3・4で目標達成の評価を行います。評価は開発スタート時(従来品など)、製品完成後、さらには必要に応じて開発過程(プロトタイプ)でも実施されます。各段階の評価で明らかになった課題や改善策は開発にフィードバックされ、確実な目標達成へと導きます。三菱電機では「UD-Checker」の活用により、家電製品から公共機器まで、UDのレベル向上に取り組んでいます。

UD開発プロセス

開発NOTE

デザイン研究所
沢田 久美子
デザイン研究所
沢田 久美子

全製品へのUD普及を目指し、ツール開発に取り組みました。

バリアフリーデザイン研究をスタートしたのが1996年。10年を超える長年の積み重ねが「 UD-Checker」という大きな成果につながったと言えます。「UD-Checker」 開発の目的は、UDの重要性を理解していても「どこまで配慮すればUDと言えるのか分からない」、そんな開発現場の声に応えるために具体的な評価方法の確立が必要だと考えたからです。開発に際しては、従来からの「ユーザビリティセルフチェッカーUD編」をもとに評価項目を再検討しました。また運用試験にも時間をかけ、デザイナー・開発者の意見を取り入れた実用性の高いツールに仕上げました。現在では家電・情報機器はもちろんですが、エレベーターやFAなどに至るまで、デザイン研究所で開発されている主な製品全てにこの「 UD-Checker」 が使用されています。

テレビリモコン
テレビリモコン
エレベーター
側面壁操作盤
エレベーター
側面壁操作盤

障がい者の方々の声が研究に活かされています。

私たちが研究を開始した当時は、まだユニバーサルデザインという考え方が広がりはじめたころで、文献も多くありませんでした。そこで実際にユーザの声をお聞きするのが一番であるという判断から、 障がい者の方々にふだん家電製品を使っていて不便に感じる点や当社の製品を使っていただいた感想などをお聞きし、研究の参考にしました。このような地道な研究活動をベースに、家電製品を中心とする幅広い分野へのUD浸透を目指したのが「ユーザビリティセルフチェッカーUD編」であり、それを定量的評価が可能なツールとして完成させたのが「UD-Checker」 なのです。

「UD-Checker」は、今後もさらに進化を続けます。

2005年完成の「UD-Checker」 は表計算ソフトを使用したツールでした。しかし開発スタート時から、サーバコンピュータによるデータの一元管理を実現するという大きな構想がありました。それが実現したのが2006年です。データの一元管理など、ツールのとしての使いやすさが飛躍的に向上したと言えます。さらに今後は「UD-Checker」の適用範囲を一層広げていきたいと考えています。対応製品の拡大だけでなく、エンドユーザからメンテナンス作業員、施工者などのサブユーザを含めたUDの実現が今後の大きな課題です。


このページを共有

研究開発・技術
カテゴリ内情報