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2003年 5月分 vol. 4
宇宙の百貨店!? 「JAXA(ジャクサ)」。人類の「希望の星」めざす。
ライター 林 公代 Kimiyo Hayashi

「JAXAには未来に進む力強い響きを感じる。子供たちに夢を育んで欲しい」と語る角野直子飛行士。  今年10月に誕生する、日本の新宇宙機関の略称が発表された。「JAXA(ジャクサ)」。正式な英語名は「Japan Aerospace Exploration Agency」。注目したい言葉は「Exploration」。世界のどの宇宙機関にもない新しさがあるし、チャレンジングな響きもある。

 日本語では「宇宙航空研究開発機構」。宇宙開発事業団(NASDA)と宇宙科学研究所(ISAS)と航空宇宙技術研究所(NAL)の3機関のアイデンティティーを込めたのはわかるけど、長すぎてなかなか覚えられない。多分これからは「JAXAのロケット」、「JAXAの宇宙飛行士」って言うことになるわけですね。この名前、3機関の職員ら約290名にアンケートをとり、ワーキンググループを作って検討したそうだ。

 ロゴマークはAを星のイメージで表現。「人類の星になるように」との願いが込められている。雑誌「デザインの現場」の宇宙大好き某編集者に見せたところ「最初、『フィットネスクラブのロゴみたい!』と思ったけど、ロケットや衛星に使うところを想像すると、星マークの図案はけっこうかわいい。今までのロゴより親しみやすくオリジナリティーもあるのでは」。さらにデザイン的には「Jの曲線の感じはISASの流れ、各文字のエッジ部分の流した処理はNAL、色はNASDAと3機関の旧ロゴの特徴を一つにまとめた意図を感じる」とのこと。なーるほど、そう見るか。個人的には星のあたりの色を変えるとか、バリエーションが欲しい。ワッペンもNASAみたいにカッコよく作ってくれるといいな。

 「JAXA」初代理事長となるのは山之内秀一郎氏。H2Aロケットの失敗が続いた平成12年7月、JR東日本相談役からNASDA理事長に抜擢。その後5回連続してロケット打ち上げを成功させた。「JAXAの『exploration』には宇宙に向かって『行動する』という意味がある。」と現場主義やチャレンジ精神を説くが、当面は「違った歴史を歩んできた3つの機関」をどう束ねて一体感を作っていかが課題のよう。私たち一般人の「希望の星」となるビジョンを今後もっと「ドカーンと」押し出してくれることを願う。

 それから山之内氏、JAXAは「ロケットから衛星、天文とたくさんの商品が並ぶ百貨店」と表現していた。ならば消費者のニーズの高い「宇宙旅行」を是非商品のラインナップに!