2006年1月24日に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」。打ち上げ直後の2月にフィリピン・レイテ島の地滑り、4月にインドネシア・メラピ山の噴火等々・・・アジアでの災害が相次いだ。その突発事態に素早く対応、「災害に強い『だいち』」をアピール。「だいち」サイエンスマネージャーの島田政信さんに、「だいち」のスゴさに迫ってみた。
― 「だいち」は打ち上げ直後から大活躍ですね。どこがどうスゴイんですか?
島田:なかなか自分では言いにくいものですが・・(笑)、やっぱり立体的にモノが見られるのはスゴイと思うんですよ。「だいち」に積んでいる3つのセンサーの一つ、プリズム(PRISM)は、真下と前と後ろの3方向を見て立体的に見ることができる。影の部分がよく見えるぞ、というのを実現しています。
3つのカメラを積んでいるので、一つ一つの分解能は下がっているかもしれないけれど、世界では1mとか60cmまで見分けられる衛星もありますが、みんな片目小僧ですからね。
プリズムの画像は白黒ですが、アブニール(AVNIR)2というセンサーの画像を組み合わせることで色のついた画像も作ることができるんですよ。スゴイと思いませんか?
― スゴイと言わざるを得ない・・・(笑)、立体視はやっぱりインパクトがありますよね。
島田:はい。プリズムのような可視光で観測するセンサーの一番の敵は雲とか天候ですよね。立体視は同じところを違った角度から見ますが、次に回ってきたときには晴れている保証がありません。晴れているときに3本同時に撮ってしまおう! というセンサーです。
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