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See the moon 2007

謎5:月の氷

知っているようで知らない? 月をめぐる謎

月探査機ルナ・プロスペクターが月表面の岩石などの組成を調べた結果、南極と北極に水素が異常に多いことが判明しました。そこから、南北両極には合わせて60億トンの氷が存在するのではないかといわれています。
月の極地方のクレーター底部は太陽の光が届かない「永久影」となっています。水を大量に含む彗星が月に衝突すると、「月の昼」の部分では太陽熱でただちに蒸発してしまいますが、「永久影」は常に−200℃以下のため水分子は氷となって蓄積されます。そうした予測のもと、ルナ・プロスペクターの最後のミッションとして南極近くのクレーターに探査機を衝突させ、その様子を各地の天文台で観測しました。もしかしたら水蒸気のプルーム(雲の柱)が観測できるのではないかと期待されていましたが、残念ながら確認はできませんでした。
月の氷の有無はいまだ謎に包まれたままです。さらなる観測の結果が待たれます。

説明画像
謎4:月の表と裏 謎6:4つの起源説