冥王星が惑星から降格されて、各方面から、さまざまなため息が聞こえてくる。実は、この件に関しては、私は、2003年の春からずっと「冥王星は降格されるゾ」と予言し続けてきた。「大人の科学」(学研)という雑誌には、
というわけで、今回のニュースは、「十番目の惑星セドナが発見された」のではなく「冥王星が惑星の座から滑り落ちて小惑星になっちゃった」というのが科学的な真相に近いのだ
とハッキリと書いたし、「99・9%は仮説」(光文社新書)にも、
さて、なにが複雑なのかというと、もし2003UB313を小惑星とすると、今度は冥王星まで小惑星にしなければいけなくなってしまうということなんです
と書いていた。(2003UB313は、その後「エリス」と命名。セドナやエリスといった新天体の発見が、今回の騒動の引き金となった。)
だが、実をいえば、「そうはいっても、ここまで文化的に親しまれてきた冥王星を、いまさら小惑星に降格することはできないだろう」という読みもあった。だから、冥王星が(惑星と小惑星の中間の?)「矮惑星」という微妙な地位に降格されたときには、「苦肉の策だなぁ」という、憐れみに似た感情を抱いてしまった。
たしかに、純粋科学の問題としては、冥王星は公転軌道が大きく傾いているし、かなりちっちゃいし、周辺では、同じような天体が、これからもたくさんみつかりそうなので、惑星のままにしておくには無理がある。
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