セミナーレポート
「e-F@ctoryセミナー in 関西」レポート

2017年4月公開【全1回】

三菱電機講演三菱電機　名古屋製作所　FAシステム第一部　ネットワーク開発課　専任　大谷敏幸　※講演者の所属は2017年2月時点のものです。

e-F@ctoryを担うネットワーク　CC-Link IE、CC-Link IE Field Basicのご紹介

三菱電機　名古屋製作所　FAシステム第一部　ネットワーク開発課　専任　大谷敏幸三菱電機　名古屋製作所
FAシステム第一部
ネットワーク開発課　専任
大谷敏幸

「生産現場とITシステムをつなぐオープンネットワークのCC-Link IEには、3つの特徴があります。一つは生産現場の見える化を高度なレベルで実現するのに必要な技術を備えていることです。1Gbpsの高速通信で大容量の情報でもリアルタイムで取得しながら、機器の高速制御と設備間の高速連携を実現し、タクトタイムを短縮します。

二つめは、一般制御とモーション制御、安全制御を一本のネットワークに統合できる点です。ネットワークには市販のEthernet用ケーブルやハブを活用でき、コスト削減を進められるほか、配線の自由度が高く、設備の追加や再配置などが容易です。配線はスター型、ライン型、リング型、スター型とライン型の混在、いずれも選択でき、設備の追加もハブの空きポートにケーブルを差すだけです。

三つめは充実した診断機能と高い信頼性です。エンジニアリングツール上でネットワーク構成をグラフィカルに表示するため、異常がどこで発生したかをすぐにつきとめることができます。通信は継続しているが不安定というような状態も表示でき、また光ファイバケーブルで二重ループ構成や外部給電ユニットを用いた構成をとれば、ループバック機能により断線時や電源停止時にも通信を維持することが可能です。

三菱電機　名古屋製作所　FAシステム第一部　ネットワーク開発課　専任　大谷敏幸
三菱電機　名古屋製作所　FAシステム第一部
ネットワーク開発課　専任　大谷敏幸

CC-Link IEはネットワークの異常箇所を現実のネットワーク構成のイメージで表示する

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IoT時代に向けてCC-Link IEの新しい規格を追加

おかげさまでCC-Link IEは、アジアを中心に高いシェアをいただいております。成長率は全産業用ネットワークの中で最も高く、CC-Link IE対応製品の出荷数も2015年は2007年比で20倍以上に達しました。自動車工場などではさまざまなロボットとの接続性や診断機能などが高く評価され、採用が増えています。

またネットワークの混在を望むお客様の期待に応えるため、他の産業用オープンネットワークとの相互接続もはかっているところです。生産現場と上位のITシステムとの連携ではOPC Foundation、現場のネットワーク間の連携ではPI（PROFIBUS&PROFINET International）とそれぞれ協業し、後者については既に一部の仕様発行に至っています。

昨年7月にはCC-Link IEの新しいネットワークとして、「CC-Link IE Field Basic」を発表しました。IoTを活用したいという気運が高まる中、従来は費用対効果の面からネットワーク対応をあきらめていた機器も、簡単にネットワークにつなげたいというニーズが盛り上がっています。そのために用意したのがCC-Link IE Field Basicです。専用のハードではなくソフトウェアで汎用のIP通信を用いた制御用のサイクリック通信を実現するため、既存のEthernet機器を容易に対応させることができ、CC-Link IEのネットワークにつないで制御できるようになります。

汎用のEthernet機器のTCP/IP通信と混在が可能なのも特徴です。例えばシーケンサから汎用のEthernet対応ビジョンカメラを操作し、そのカメラの映像をトレーサビリティ用のデータとしてサーバに蓄積することができます。EtherCATやPROFIBUSなど他のネットワークではこうした機能の実現には専用回線が必要ですが、CC-Link IE Field BasicではこれらもCC-Link IE上に一本化が可能です。

CC-Link IE Field BasicではCC-Link IE上でTCP/IP通信が可能

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マスタ局からのブロードキャスト通信で複数軸の駆動製品を制御することで、簡易的な同期駆動を実現することもできます。現在、パートナー製品数100製品を目標にCC-Link IE Field Basic対応製品の拡充をはかっているところで、どのような装置でもe-F@ctoryを実現できる環境を作り上げていく方針です。」

製品・ソリューション紹介

CC-Link IE