Factory Automation

張力制御とは? 基礎編 3

張力制御の基本構成

巻出し部(パウダブレーキ)→送りモータ→巻取り部(パウダクラッチ・巻取りモータ)

送りモータ

送りモータで送りロールを駆動し、長尺材を左から右へ送っています。
送りモータの速度により送り速度(ラインスピード)が決定されますが、張力には関係がありません。
ただし、張力が大きくなると出力の大きなモータが必要になります。

巻出し部(パウダブレーキ)

巻出し張力は、巻出し部に設けたパウダブレーキの制動トルクによって決定されます。
一定の張力を保つためには、巻径の減少に伴って制動トルクを小さくする必要があります。

巻取り部

材料のたるみを無くし張力を発生させるためには、巻取り側モータの回転速度は常にラインスピードより速くなるようにパウダクラッチの入力回転速度を設定する必要があります。 よって、パウダクラッチの入力側と出力側で回転速度に差が生じるためパウダクラッチには滑り(スリップ)が発生します。
巻取り側の張力は、パウダクラッチがスリップする際に発生するトルクによって決定されます。
一定の張力を保つためには、巻太りに伴ってパウダクラッチのトルクを大きくする必要があります。
なお、パウダクラッチの入力回転速度は最大出力回転速度(最小巻径の時)よりも大きな値とする必要があります。
したがって、巻太りに伴って出力回転速度が低下し、クラッチのスリップ回転速度(入力回転速度と出力回転速度の差)が増加します。

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