金星スプーンプレゼントキャンペーン 森内九段からの! 金星応援メッセージ

スポーツ、お受験、仕事に恋愛…。
“勝つ”を目指して頑張っているすべての人を応援したい。そんな思いのもと、三菱電機が勝利のモチーフ『金星スプーン』をプレゼントする本企画。
びっくリングIHで“勝つ”と言えばこの人、森内俊之九段に今回の企画実現を記念して、金星応援メッセージをいただきました!

― 三菱電機公式サイトへのご登場は、昨年に引き続き2回目となりますが、前回の【大一番で“勝つ” “カレー”の真実】ページに対する、周囲の皆さんの反応は?

サイトにアップされてすぐに、将棋ファンの間で話題になったみたいで、色々な人から「見ました!」「ビックリしました!」と声を掛けていただきました。棋士が家電メーカーのサイトに登場するのは珍しいことなので、驚いた方もいらしたようですが、おかげさまで大好評でした。

― 今回の『金星★スプーン プレゼントキャンペーン』にちなんで、森内九段にとっての大金星について教えていただけますか?

私にとっての大金星は、高校卒業間際に挑んだ全日本プロトーナメントという棋戦です。
当時、私は四段になりたての18歳の若手棋士で、対戦相手は26歳の谷川浩司名人。トーナメントは基本的には一発勝負ですが、決勝戦だけは三番勝負となっていました(現在は朝日杯将棋オープン戦にリニューアル)。私は、決勝までは勢いで勝ち上がってきたものの対戦相手が名人ということもあり、下馬評では“横綱と十両”の戦いと評され「勝てないだろう」という見方が大半でした。自分自身も、大変な勝負になると思っていました。

また、将棋の対局は基本的に将棋会館で行われるのですが、決勝の場は一流料亭。いわば私にとって人生初のヒノキ舞台でした。和服で対戦するのも、料亭に足を踏み入れるのも初めての経験で、どう過ごしたらいいのかわからず、かなり緊張しました。

一局目の対局場は、数々のタイトル戦が行われてきた歴史ある料亭「羽澤ガーデン」。緊張しつつも逆転で勝利をおさめ、すごく嬉しかったことを覚えています。二局目は、大阪の一流料亭で対局し、負けてしまいました。このときも和服で対局したのですが、着慣れていないこともあって、三局目ではちょっとワガママを言い、許可をいただいてスーツで勝負に挑みました。そして、ギリギリの勝負ではありましたが、奇跡的に勝利をおさめることができたのです。

実力的には相当差があったと思いますし、自分の中でも「勝てないだろう」と思っていたのに、実力以上の力が出て信じられないような勝ち方で優勝することができました。今でも、この三局目は自分にとっての “名局”として記憶に残っています。

― 森内さんにとって、「勝負に勝つ」とは?

将棋の世界に限らず勝負の世界では、「勝ち負け」はどうしてもついて回るものです。実際に、決勝戦まで勝ち上がれば、待遇も大きく変わってきます。今までは自費で移動していたのが、主催者からグリーン車のチケットを送っていただけますし、ホテルの格や部屋も格段に良くなります。 30人くらい泊まれそうな2階建てのコテージタイプの部屋をご提供いただいたときは、広すぎて逆に寂しくなりました(笑)。いずれにしても、立ち位置の違いで待遇に大きな差がつくので、勝負の世界で生きていくのであれば、「勝負に勝つ」ことはとても重要だと思っています。

ただ私自身は、自分が勝負に向いていると思ったことはありません。どちらかといえば、“相手を倒したい”という意欲があまり強くないんです。勝ちにこだわるより、“人と協力してなにかをする”のが好きなので、我ながら、よく今まで勝負を続けてこられたなと思うこともあります (笑)。ただ将棋は奥が深いので、研究するのはとても好きですし楽しい。そういう面を勝負に活かせたのではないかと思っています。

棋士には、“研究者” “勝負師” “芸術家”という3つの面が必要と言われているのですが、私は明らかに研究者タイプです。勝負師は、とにかく勝ちに行く棋士。芸術家タイプは、対戦相手と力を出し合って普通の人では思いつかないような手を指し、棋譜を作り上げていく棋士です。勝ち負けだけでなく、芸術作品のように後世に語り継がれるような一局を創り上げるのも将棋の醍醐味のひとつです。

― 今回、将棋連盟の理事に立候補した理由と、理事になられてからの心境の変化について教えていただけますか?

今年の2月に、子どもの頃から切磋琢磨してきた同期の佐藤康光さん(九段、永世棋聖称号保持者)が将棋連盟の会長に就任しました。「自分も将棋界の発展を考え後輩たちに将棋の文化を受け継いでいく世代になった」という自覚が芽生えたのが理事選挙に立候補したきっかけです。どの程度できるかは、やってみないとわかりませんが、佐藤さんやほかの理事の皆さんと共に、自分を育てていただいた将棋界に恩返ししていきたいです。
これまでは棋士の立場で「勝負に勝つ」ということが大きな柱のひとつでしたが、理事に就任してからは、自分のことだけでなく、将棋界や将棋文化をこれからどのように発展させていくのかということについて、深く考えるようになりました。ある先輩がおっしゃっていた言葉に「界・道・盟」というものがあります。「将棋界」「将棋道」「将棋連盟」の順に優先順位をつけて考えていくと良いという教えです。今この言葉を改めて噛みしめています。

― いま将棋界は非常に盛り上がっていますが、後輩に伝えたいアドバイス、 “金言”があったらお願いいたします。

将棋は、知識を頭に詰め込んで覚えるだけ、自分のやりたいようにやるだけでは、なかなかうまくいきません。対戦相手と一手一手進めていく中で、相手の立場になって考えることも重要です。これは、不利な状況を粘り強く打開する訓練にもなります。また、現代はスピード重視、効率優先という風潮が強いのですが、将棋では相手が考えているのを“待つ”ことも、とても大切です。さらに礼儀作法も身につけなければなりませんし、勝負に強くなること以外にもさまざまなことを学べます。

今話題の藤井聡太四段も、子どもの頃から将棋をやってきたことで、色々な力が身に付いていますよね。インタビューの受け答えもしっかりしていて感心します。こういう若者が将棋界から出てきたことを、誇りに思っています。

― 最後に、金星スプーンの印象を教えていただけますか?

カレーというとアルミやステンレスのスプーンを思い浮かべますが、18金のスプーンはインパクトがスゴイですね! ちょっとおそれ多い感じもします(笑)。
18金の輝きを見ると、運気が上がりそうですよね。皆さんも人生の一番勝負に、このスプーンを使って大金星を飾っていただければと思います。

2017年7月某日 取材

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