三菱IHジャー炊飯器 40年の歴史

ごあいさつ

2012年、三菱電機ジャー炊飯器は、皆様方の変わらぬご支援のおかげを持ちまして、誕生から40周年を迎えることができました。そこで、ジャー炊飯器開発メーカーである当社の研究開発の歴史と、歴代の商品をご紹介させていただきます。

ジャー炊飯器の歴史は、当社が1972年に、ごはんを炊くだけの「電気炊飯器」と保温専用の「電子ジャー」を融合した業界初※1の「ジャー炊飯器」を発売したことから始まりました。そしてその後、「おいしいごはんの理想はかまど炊き」をコンセプトに、最先端の技術とアイデアで常に業界をリードし長い年月をかけて、おいしさを不動のものにしてきたのです。

さらに三菱のジャー炊飯器は日本一おいしいごはんをめざすだけではなく、家電ならではの時代に合った利便性、使いやすさ、そしてデザイン性も含めて業界を牽引する製品を送り出してきました。

これからも、一歩先を行く技術の粋を結集して「日本のおいしいごはんづくり」に取り組み続ける三菱電機のジャー炊飯器にご期待ください。

理想のかまど炊きをめざし、「日本のごはんをもっとおいしく!」を追求してきたその歩みをみなさまと一緒に振り返ってみたいと思います。

三菱電機ホーム機器株式会社
調理技術部長/開発部長
長田正史

1972年 NJ-1650形

炊いて保温の「ふた役さん」は、業界初※1の画期的なジャー炊飯器

「ふた役さん」のネーミングは、同年12月発売の1.9LタイプNJ-1960形から使用

1972年当初は、炊飯をするだけの「電気炊飯器」と、炊き上がったごはんを移してあたためる保温専用の「電子ジャー」が一般的でした。しかし、その二つの機能を併せ持ったものはなく、そこに目をつけた三菱が、二つを融合した「ジャー炊飯器 ふた役さん」を誕生させたのです。

炊き上がったごはんを移しかえることなく保温でき、いつもおいしい温かいごはんが食べられるということで、主婦層の心をつかみました。デザイン的にもカラフルな花柄などのモチーフが主流となってキッチンを華やかに演出する時代でした。

  • ※11972年3月発売。

1988年 NJ-A10M形

四角いデザインとプッシュ式で時代に応えたハイセンスなジャー炊飯器

三菱では、この頃から、現在の炊飯器の主流である内釜自体を発熱させるIH(電磁誘導加熱)を投入

バブル景気の真っ盛りの1988年は、暮らし方やインテリアにも大きな変化がみられて、より利便性やデザイン性を求められるようになってきた時代です。

当社はそんな時代に似合う炊飯器を追求し、業界初※2のワンプッシュ式のフタを採用しました。利便性がアップし主婦層からは絶大な人気をいただきました。
さらに、従来の丸い形ではなく四角いフォルムを採用することにしたのです。キッチンにもリビングにもマッチする四角いデザインは、インテリアの一部となってファッショナブルな演出ができると喜ばれました。

  • ※21988年8月発売。

1991年 NJ-C10NH形

インバーター搭載でかまど炊きのおいしさを実現したIHジャー炊飯器

業界初※3、インバーター搭載で連続加熱を実現

1988年頃からジャー炊飯器は、マイコンから内釜自体を発熱させるIH(電磁誘導加熱)が主流となり、三菱はこのIHで日本一のおいしいごはんをめざそうと、昔ながらの「かまど炊き」に着目しました。

「はじめチョロチョロ、中パッパ、じゅうじゅう吹くころ火を引いて、赤子泣いてもフタとるな、そこへばばさま飛んできて、藁しべ一束くべたとさ」。昔から、このような火加減でごはんを炊くとおいしいといわれていますが、この火加減をいち早く実現したのがNJ-C10NH形です。このかまど炊きのおいしい火加減の流れを実現するために、細かい制御設計のできるインバーターを搭載しました。

「はじめチョロチョロ」は"弱火"のことで、お米にじっくり水分を吸収させます。「中パッパ」は"強火"で一気に加熱して沸騰させ、「じゅうじゅう吹くころ火を引いて」は沸騰を維持。そして火を止めてからも「赤子泣いてもフタとるな」と、フタをとらずに"蒸らし"、最後に「ひと握りのわらを入れて燃やす」ことにより、強火で余分な水分を飛ばしました。この火加減の微調整がおいしさの向上につながりました

  • ※31991年10月21日発売。

1999年 NJ-BE10形

「大沸騰」でおいしさに差をつけたステンレスボディのIHジャー炊飯器

優れたデザイン性とサッと拭くだけでお手入れも簡単なステンレスボディは一世を風靡

三菱は、1972年の「ふた役さん」の誕生以来、炊飯器の世界において「おいしさ」「利便性」を追求し続けてきました。それでも1998年当時、ごはんはまだまだ電気炊飯器よりガス釜のほうがおいしく炊けるという評価がありました。それはガス釜のほうが火力が強かったからなのです。そこで三菱では、『もっと強い火力「大沸騰」で炊けば、おいしくなる!』と考え、開発を続けました。

「大沸騰」の問題点は吹きこぼれだったのですが研究を重ね、吹きこぼれを「うまさカートリッジ」で受け止めることで解消することができました。強火で沸騰させ"吹きこぼれ"をキャッチしながら炊き上げる、これは画期的な開発になりました。この開発でガス釜に負けないおいしさを実現することができたのです。

さらに、1999年には業界初※4のステンレスボディを採用しました。これを機にジャー炊飯器のボディは、金属製が主流になっていきました。

  • ※41999年8月21日発売。

2001年 NJ-DV10形

「浸しいらず」な、業界初※5、超音波機能搭載の大沸騰IHジャー炊飯器

超音波吸水で平成17年に日本機械学会賞を受賞

「お米にしっかり水を吸わせて、強火で炊く」がごはんのおいしい炊き方です。ですから昔は洗米してから、一時間ほど水に浸してからごはんを炊くのが習慣でした。このお米の浸しという工程をより効率的にできないものかと研究開発されて誕生したのが、「超音波吸水」機能を搭載した、NJ-DV10形です。

三菱は内釜に超音波の微振動をあて、お米の吸水を促進させることができるということを発見したのです。お米に1秒間に88,000回もの微振動をあてると、周りにある硬いうまみも溶け出し、お米の芯まで水分を十分に吸収させることができるのです。溶け出したうまみ成分は炊き上がるまでにお米に吸収され、おいしさが逃げだすことはありません。中からしっかり水分を含んで炊けるのでハリ、ツヤがあって時間が経ってもおいしいと評判でした。

お米を研いで、ジャー炊飯器にセットしてスイッチを入れるだけで、お米を浸す手間が省け、さらに大沸騰でおいしさを引き出してくれるとあって、忙しい現代人のライフスタイルにあった商品として人気を博しました。

  • ※52001年9月1日発売。

日本機械学会賞(技術)は、◎独創性、新規性◎品質または性能の相対的優秀性◎経済および社会への貢献◎機械工学、工業の関連性◎波及効果または実績等を総合評価する、日本で最も権威と歴史のある賞です。三菱IHジャー炊飯器の「超音波吸水」は、ごはんのおいしさを超音波技術で大幅に進化させ、市場から高い評価を得たことが認められました(平成17年度受賞)。

2006年 NJ-WS10形

本物の炭※6で作った本炭釜が「激沸騰」を起こすIHジャー炊飯器

高級炊飯器の先駆けとなり、時代のニーズに応えた逸品

研究開発を重ねるとともに、三菱のおいしさへのさらなる欲求は高まり、もっともっとかまど炊きに迫るものを、という探求心からたどり着いた答えは「炭」でした。そして2006年に完成したのが高級炊飯器の先駆けとなった純度99.9%※6の「本炭釜」搭載のIHジャー炊飯器です。

100日以上かけて最高3000℃で焼成した炭素ブロックを、職人さんが手作業で削り出し仕上げます。炭はIHととっても相性が良いのです※7。なぜならば、従来の金属製の内釜は外表面だけが発熱するのに対し、炭の内釜は内側まで磁力線が伝わることで、内釜全体が発熱するからです。さらに釜底中央に厚みのある特殊形状が、炊飯時に大きな泡を発生させます。この大きな泡が、粘り始めた米の間を突き破るパワーとなり蒸気を通し、蒸気の通り道がいわゆる「かに穴」を作ります。また「米粒が立つ」とおいしいといういわれもこの蒸気の通りが多いことにより成せる技なのです。
この内釜の加工は職人の手技でのみ可能で、プレス加工ではできないのです。ですから従来の炊飯器にはなかった、価格も高い製品でしたが、業界でも話題の製品となりました。

IHと相性のよい※7炭の効果を最大限に引き出し、時代が求めるおいしさのニーズに応えることができた製品といえるでしょう。炊飯器をさらにワンランク進化させたといっても過言ではないと思います。

  • ※6木炭や竹炭とは異なる炭素材料(純度99.9%)を使用しております。
  • ※7内釜の発熱に必要な磁力線が浸透する深さによる(当社従来品の金属多層釜は0.24mmに対し、本炭釜は7.5mm。当社調べ)。

2009年 NJ-XS10J形

蒸気を逃さず、高火力の「連続沸騰」を実現したIHジャー炊飯器

微量の気体が本体からでますが、高温や結露になる心配はありません。

蒸気を逃すことなく連続沸騰を可能にした業界初※8の炊飯方式

おいしいごはんを炊くには、大火力による沸騰を持続させること(連続沸騰)が不可欠です。しかし時間の経過とともに、大量の蒸気と「おねば(うまみ)」が一緒になって吹きこぼれてしまうため、連続沸騰が困難でした。そこで、蒸気を冷却するタンクと、「おねば」を貯めるカートリッジの内蔵化により、本体天面の蒸気口(吹き出し口)を無くす構造を考案。連続沸騰による、濃厚なうまみを引き出すことができるようになりました。

世界初※8の蒸気が出ない炊飯器は、キッチン内の結露やニオイ※9、湿気※10を防ぐとともに、ジャー炊飯器らしくない四角い形と鮮やかな赤い本体が話題を呼びました。2009年には、高温の蒸気に触れる危険を防ぎ、収納家具などに結露せず、省スペースを実現するなど、複数のメリットを同時に達成している点が高く評価され、キッズデザイン大賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。

  • ※82009年2月1日発売。水冷式蒸気回収システムによる(当社調べ)。
  • ※9当社従来品(2004年度製NJ-GZ)との比較。臭気判定士の監修により試験実施。高さ2.5m、広さ15㎡での測定で、臭気強度指数を従来の4.5から2.0に抑制(当社調べ)。
  • ※10当社従来品(2004年度製NJ-GZ)との比較。高さ2.5m、広さ3帖、初期湿度50%の空間で3合炊飯した場合、NJ-GZは炊飯後湿度64%まで上昇。NJ-XS10Jは同条件で湿度に変化なし(建築基準法の規制換気率0.5回/hrを考慮し、炊飯開始から60分後の比較。当社調べ)

2012年 NJ-XW103J形

「かまどの炊き技」と「炊き分けの技」を兼ね備えた蒸気レスIH 本炭釜

微量の気体が本体からでますが、高温や結露になる心配はありません。

「炭」と「連続沸騰」に加え「名人」のナビゲートが日本のごはんをおいしくリード

三菱が追求し続けてきたかまどの「炊き技」。それはIHと相性のよい※7「炭」と、独時の方式による「連続沸騰」で可能にすることができました。2009年には従来の蒸気レスIHジャー炊飯器に、「本炭釜」を搭載し、かまどと同じ100℃で「本炭釜」特有の大きな泡を発生させる「激沸騰」を続け、お米のうまみを引き出すという炊き上げの極意によって、磨きぬいた匠の「炊き技」を不動のものにしました。そして40周年を記念して今年発売する蒸気レスIH 本炭釜新商品には、「炊分け名人」という機能をプラスしました。これは、お客さまと一緒にごはんの味を追求したいという想いからです。

ごはんの食感のお好みには個人差があります。これまではメーカー主導のおすすめの味にこだわってきましたが、三菱は、この新機能「炊分け名人」で、お客様にとっての最高の味を提供することに注力したのです。
事前に、お好みの食感はもちろん、丼ぶりやカレー、お弁当等、それぞれにぴったりの食感も選択でき、しかも特別な水加減をすることなく、理想に合わせて炊き上げることができます。
これらを実現するには、炊飯量に左右されずにしっかり炊き分ける技術が必要です。そこで、あらかじめ炊飯量を測定する重量センサーを搭載し、少ない量でも多い量でも同じように炊き上がるようにしました。