三菱ジャー炊飯器

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活動レポート

2017年度 契約水田お米栽培プロジェクト

稲の成長記録レポート

宮城県登米地区の専用水田で実施している三菱電機契約水田お米栽培プロジェクト。
今年は、宮城県生まれの新しいお米「東北194号」の栽培に挑戦します。
田植えから収穫までの半年間、ときには三菱電機社員も稲作作業に参加し、農家の方々との絆を育みながら、お米づくりの現場をレポートしていきます。

契約水田お米栽培プロジェクトとは

成長記録Vol.3 稲刈り

「本炭釜 KAMADO」開発者

金井 孝博

「米づくりの経験をチーム全員で共有したい」

三菱電機ホーム機器ジャー炊飯器開発チーム、オーブンレンジの設計等を経て、炊飯器開発を担当。全国のかまど現場を訪ね歩いて研究を重ね、2015年「本炭釜 KAMADO」を完成。さらなる進化に向けて現在も開発を続ける。

三菱電機ホーム機器株式会社 営業部

青木 美波

「自分で植えた稲を収穫するのが楽しみです!」

入社2年目の期待の新人。今年から「本炭釜 KAMADO」のセールスを担当。ジャー炊飯器を通じておいしいごはんをご家庭に届けるという使命を持つ身として、原点のお米について理解を深めたいと米づくりを一から学ぶことに。

ルーキーたちには初めての稲刈り。
今年の生育状況は?

金色の稲穂がきらめく登米の水田地帯。その一角にある三菱電機契約水田にも、刈り入れの時期が到来しました。10月13日に実施された稲刈りには、三菱電機社員も参加。稲作作業2年目の金井に、すっかりお米づくりの虜になったルーキー青木、そして炊飯器開発チームの若手・宮下が、稲刈りと“ほにょ掛け”に挑戦します。

青木
心配していた雨も上がり、いよいよ初めての稲刈りです。自分が田植えをお手伝いした稲がこんなに大きく、美しく育ってくれて嬉しい。愛情を込めて大切に刈り取ります!
金井
本当に、刈るのがもったいないぐらい、みごとな金色に輝いていますね。稲の育ち具合はいかがですか?
木村
今年は冷夏が続いたうえに、夏以降の日照時間も短かったので、生育には多少バラつきがありますね。未熟米を除くと、収穫は例年より1割減といったところ。でも刈り入れをギリギリまで延ばして登熟(籾の中で米の粒が成長すること)させたので、比較的いい米は育っている。むしろこの天候条件では上々の出来といえるでしょう。

栽培チームのリーダー・木村さんの言葉に、三菱電機メンバーもひとまず安心。と同時に、ものづくりの苦労とはまた異なる、お米づくりの厳しさを実感させられました。

青木はバインダーでの稲刈り、
男性陣は杭打ちに挑戦!

本日の作業を指揮するのは、木村家の三男・友優さん。“すまこ刈り”→機械を使っての稲刈り→杭打ち→稲掛け、と工程を順に説明していきます。「すまこ刈り」というのは、機械が入りやすいように田んぼの外周の草を刈ること。すみっこがなまって、“すまこ”になったのでしょう。「すまこ刈り」には鎌を、稲刈りにはバインダーと呼ばれる刈り取り結束機を使います。祖父の家でバインダーに触れたことがあるという青木は、さっそくここでも腕試し!まずは友優師匠と一緒にバインダーのハンドルを握り、田んぼに入っていきます。

青木
師匠と並んで機械を動かしていると、おじいちゃんと一緒に作業した子ども時代を思い出します。でも、お米づくりの大変さがわかった今だと、緊張感も違いますね。
友優
もっとむずかしい田植機もうまく動かせたんだから大丈夫。うん、ちゃんとまっすぐ進んでいるね。じゃあ手を離すよ。
青木
はい。うわあ、ぽんぽんと気持ちよく稲が刈り取れますね。しかもこの機械、刈り取った稲を自動で束ねてくれるなんてすごい!

バインダーが通った後には、紐で結束された稲が点々と連なり、田んぼも地肌をのぞかせます。雨上がりの田んぼは、かなりのぬかるみ状態。その泥土の上に、杭を立てるのが男性陣の仕事です。これは刈り取った稲を天日干しするための準備。木村家の助っ人・竹内さんがドリルで田んぼに穴を開け、そこに長さ2m以上の木杭を打ち込んでいきます。が、地中深くまでまっすぐ挿すのにはチカラもコツも要り、男性陣は竹内さんの指導を受けつつ、大苦戦しながらの重労働となりました。

竹内
杭が浅いと掛けた稲が倒れてしまうし、逆に深すぎると暗渠(排水用の地中溝)を傷つけてしまいます。慣れるまでは、大人の男性でも結構大変な作業なんですよ。
宮下
何度も試行錯誤を繰り返して、ようやくOKがもらえました!お米づくりが簡単じゃないことはわかっていたつもりでしたが、まさかこんな苦労もあるなんて。勉強になりました。

チーム一丸でほにょを完成!
太陽の下でおいしくな~れ

立て終わった杭に、今度は稲を掛けていきます。杭を挟んで2束ずつ稲を交互に積み上げていく独特の掛け方で、この地方では「ほにょ」と呼ばれる伝統的な天日干しのスタイルです。一般的には、手間と時間を短縮できる機械乾燥が主流ですが、三菱電機契約水田では昔ながらの天日干しでおいしいお米づくりを実践しています。

青木
どうして天日干しだとお米がおいしくなるんですか?
木村
稲は刈り取ってからも光合成を行い、籾に栄養を送り続けるんですよ。つまり、干している間もおいしさを全体に行き渡らせながら、生き続けている。外気の温度変化によって登熟も進みます。それと、太陽の下でじっくり乾燥させることで、籾割れも少なくなる。実際、食べ比べてみると、天日干しした米の方がおいしいと感じるはずですよ。
青木
おいしいお米づくりのためには、労力も日数も惜しまないというわけですね。そういえば、祖父の田んぼでも昔、天日干しをしていました。ほにょとは違い、横長の棹に稲を洗濯物みたいに並べていく干し方でしたが、あれもおいしさのための一手間だったんですね。

午後は、全員でほにょ掛けを敢行。ぬかるみの中、雨で水分を含んだ重たい稲束を幾重にも積み上げていく作業は、容易ではありません。でも最初は2~3人がかりで掛けていたほにょも、慣れてくると1人で1本まかなえるようになり、後半はぐんぐんスピードアップ。なんとか日没前には3反(900坪)分のほにょを完成させることができました。

青木
疲れましたぁ。でもそれ以上に農家のみなさんが、おいしいお米を作る為に、手間を掛けて、愛情を込めてお米作りをしているということを肌で感じ、改めて炊飯器を通じてご家庭においしいごはんを届けるという使命を感じました。そしてみんなで一生懸命植えた稲を無事刈り入れることができたので大満足です!
宮下
いつも食べているお米が、こんなにも大変な作業の繰り返しの果てに作られるんだということを、身をもって実感しました。農家のみなさんにはもう感謝しかありません。その想いを胸に、このように大切に育てられるお米をおいしく炊ける炊飯器の開発に精進します。

ルーキーたちにとっても貴重な経験となった、一日の稲刈り体験。次回は、最後のミッションである脱穀作業をレポートします。