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AREA HIGHLIGHTS

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歴史と命をつなぐ 広島の被爆桜植樹

INTRODUCTION 被爆樹木と緑の伝言プロジェクト

地域の思いやりに寄り添う形での社会貢献という観点から、三菱電機 中国支社は被爆樹木の保存活動を支援する「緑の伝言プロジェクト」に協賛しています。
戦後70年の節目となる2015年。社会貢献活動として、当社の福山製作所に被爆桜を植樹することになりました。
中国支社の取り組みと被爆桜植樹までのストーリーを、中国支社 総務部のわたくし小田がみなさまにお届けします。

HIGHLIGHT AREA 中国支社

「環境・省エネ」「安心・安全」をキーワードに地域社会への貢献を目指し、中国エリアを営業拠点とした活動を展開しています。

中国支社 地域ビジネス活動

PROMOTER わたしが紹介します!

小田真奈美

生まれは北海道。大学まで北海道で過ごし、三菱電機入社後に中国支社へ配属。安全衛生を中心に、社会貢献のほかコンプライアンス等を担当しています。

Vol.1 被爆桜との出会い

はじまりはピンク色のポスター

中国支社 総務部に配属され、社会貢献活動の担当となったあるとき目にした薄いピンク色のポスター。
「安田女子高校の被爆桜」というテーマを掲げた、2014年度の緑の伝言プロジェクトのポスターでした。力強く咲き誇る桜の下で、未来に向かい歩みを進める二人の女子生徒がとても印象的で、被爆樹木の保存活動についてもっと知りたいと感じたのがはじまりです。

緑の伝言プロジェクトとは?

1945年に広島に投下された原爆の被害にあってなおその命を絶やさず、今日まで力強く育ってきた被爆樹木。広島市内には市に認定された被爆樹木が、広島城や平和記念公園をはじめ50箇所以上に170本ほど(※)あります。
広島市平和推進部では、現存する被爆樹木の調査をはじめ、樹勢回復措置として、樹木医のもと、支柱の設置や傷口の治療などを行っています。緑の伝言プロジェクトは、そんな広島市平和推進部の被爆樹木保存活動の支援を目的としたプロジェクトで、市内の被爆樹巡りや広島市平和推進部への寄付を実施しています。

※2015年8月 現在

広島の被爆樹を巡る?

まずは広島市に現存する被爆樹木について理解を深めたい。そう考え、2014年12月に緑の伝言プロジェクト事務局に協力いただき、中国支社社員40名と被爆樹巡りを行いました。緑の伝言プロジェクトでは被爆樹巡りを過去9回行ってきたそうですが、企業が単独で被爆樹巡りを実施したのは今回が初めてだったそうです。

被爆樹木に関する説明を聞きながら、いつも何気なく通っている道に佇んでいた被爆樹木に触れると、言葉こそ返ってこないものの、原爆を受けた日から今日までの歴史を感じます。

ARBORIST 被爆樹の声を聴き、寄り添ってきた堀口先生

被爆樹巡りのガイドを担当していただいたのは、長期にわたって被爆樹木の保全や治療、調査を続けている樹木医の堀口力(ほりぐち・ちから)先生。今回、福山製作所に被爆桜の苗木を植樹するにあたり、堀口先生にも監修いただいています。
幼い頃から木にまつわる思い出が鮮明だったことから庭師を目指し、広島に樹木を植える仕事をしながら、広島の樹木が今まで被爆者に無言で生きる希望を教えてくれていたことに気づかされたそうです。

その後、広島の樹木は戦後からずっと平和の象徴として植えられてきたにも関わらず、被爆した樹木が守られてきていなかったことに気づき、誰かがそれに関わらなければならないと強く思い樹木医になったのだとか。
堀口先生はこう語ります。「被爆桜にもいつか寿命がくるだろうが、自分が生きている間は関わっていきたいし、少しでも長く咲き続けてくれるような桜になったらいいなと思います。」
被爆樹木に対する堀口先生の強い想いに胸を打たれ、わたしにもなにかできないかと色々考えた末、被爆樹木を同じ広島県にある当社の福山製作所内に植樹することで、そこで働く人たちだけでなく、訪れた方々にも被爆樹木の存在を知ってもらえるきっかけがつくれるのではないかと思いつきました。

安田女子高校と被爆桜

被爆樹木を植樹したいと考え色々と調べはじめた時に思い出したのが、緑の伝言プロジェクトのピンク色のポスター。ポスターでは被爆した桜の二世の苗木を育て、その苗木を全国各地に贈る活動を行っている安田女子高校が紹介されていました。そこで、まず安田女子高校にお話しを伺ってみようと思い立ちました。

安田女子高校は広島市中区にある学校。被爆時は爆心から近い位置にあり校舎が全焼してしまったため、爆心から2.1キロ先に移転しました。そこに何本かの樹木が残っており、その中にあったのがこのソメイヨシノです。

ソメイヨシノの寿命は60〜80年。当時の桜はほとんど枯れてしまっており、今では被爆したソメイヨシノはたった4ヶ所(※)でしか見られないため、このソメイヨシノはとても貴重な存在です。
※2015年8月 現在。広島市役所内、山陽文徳殿内、碇神社内、安田学園内の4ヶ所。

安田女子高校では造園業を営む卒業生保護者の手を借りながら、2008年より生徒会が中心となってこのソメイヨシノの二世を大切に育てています。

未来の為に被爆桜を守る

安田女子高校 生徒会の生徒たちは、口々に言いました。
「安田女子高校の被爆桜は、春に必ず綺麗な桜を咲かせます。安田女子高校の生徒はこの桜に見守られて入学し、卒業する。わたしたちに希望の光を灯してくれたこの被爆桜を絶やしたくなくて、その二世となる苗木を作り、育てています。
ある程度育てた苗木は全国各地に譲っていて、その土地の方々に育ててもらっています。被爆桜二世として様々な場所で春に綺麗な桜を咲かせてくれたら、さらに多くの人に希望を与えてくれるのではないかと思っています。」
先輩から代々受け継ぎ、大切に守り、育てている彼女たちの想いに触れ、被爆桜二世の苗木を福山製作所に植樹したいと強く思いました。

奮闘の日々

被爆桜二世の植樹を決意してからは、実現するために様々な課題を解決しなくてはなりませんでした。
当社として被爆桜の苗木を預かるということは、桜がそこにあるかぎり誰かがずっと寄り添っていなければならないということです。つまり、中国支社はもちろん、植樹先である福山製作所にこの取り組みについて理解・協力してもらわなければなりません。

そこで、社内の協力を仰ぐために色々な方に相談し、支社長にもお力を借りました。被爆樹木は被爆してなお生き続け、そこから芽吹いて成長するという強い生命力を持っていますが、やはり樹木そのものが非常に大きなダメージを負っていることには間違いありません。

誰かが手を差し伸べ続けなければ、育つことは非常に難しいといいます。福山製作所への植樹に向け、そして企業として植樹に取り組むために、各所を走り回り、説得する日々が続きました。

植樹に向けて

広島市内の被爆樹巡りで被爆樹木に触れてから約一年。
福山製作所にも協力してもらえることになり、そして、安田女子高校から数少ない苗木を譲っていただけることになったときは、ようやくという思いでした。
貴重な被爆樹木を育てていく覚悟と責任を感じながらも、はやく福山製作所に苗木を植樹したいとはやる気持ちを抑えながら、安田女子高校のみなさんと樹木医の堀口先生とともに着々と準備を進めています。

Vol.2 福山の被爆桜から未来をつなぐ