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読む宇宙旅行

2010年2月 vol.2

「地球は美しい」−野口飛行士@宇宙会見

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会見で「五輪選手がんばって〜」と親指を立てる野口飛行士。(後列左から二人目)

 2月19日昼(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の野口宙飛行士たちとスペースシャトルの飛行士、合計11人の宇宙飛行士の記者会見が行われた。これまでは宇宙と結ぶ会見は、NASA各地のフィールドセンターで行われていたのに、今回はJAXA東京事務所のいつもの記者会見室で質問できる。「この12畳ほどの部屋が宇宙と結ばれちゃうのか〜」と感無量だ。とはいえ宇宙から地上に電話をかけられるし、野口さんはTwitterを頻繁に更新しているわけで、宇宙ー地球間の通信環境の飛躍的な向上を考えれば当然とも言える。

 会見はNASAから始まった。米国メディアから繰り返し出た質問は、今回のシャトルミッションでとりつけられたキューポラ(展望室)について。「7つの窓を持つ展望スペースはどう?」との質問に「今まで白黒で見ていたのが高解像カラー画像で見られるようになったみたい」とか「地球が丸く見える」とか感嘆の声が飛行士から相次ぐ。

ISSに取り付けられた展望室キューポラで、ジェフ・ウィリアムズ飛行士と。窓から見えるのはサハラ砂漠(提供:NASA)

ISSに取り付けられた展望室キューポラで、ジェフ・ウィリアムズ飛行士と。窓から見えるのはサハラ砂漠(提供:NASA)

 日本に割り当てられた時間は約16分しかなく、質問は短めに、次々マイクを回していく。野口さんは相変わらずお茶目である。ネットが自由に使えるようになって冬季五輪を見ていること、手巻き寿司パーティーを開いたら「エビ巻きロール」がロシア人飛行士に好評だったこと、メダカのようにISS内を移動していることなどを披露。私は野口さんに、地球を見た感想と日本の地形について質問した。「前回の飛行では船外活動で外に出て、地球と一つの生物として向かい合っている感覚を覚えた。今回は毎日窓越しに地球を眺めながら、異なる街に住む人たちの生活に関心が向いています。」地球と対面し圧倒された前回と違い、移りゆく風景をじっくり眺める余裕が感じられる。

 さらに「日本はどこを見ても美しい。北海道の雪化粧も、桜島の噴火も、東京の夜景も。でも小さな街のちょっとした風景、たとえば岩手県のあたりの小さな漁港の景色にも心を奪われる」とふるさと、日本を隅々まで丁寧に見つめその美しさを再認識している様子。子ども達にも「ごらん、地球は美しいよ」と伝えたいという。

ほぼ完成した国際宇宙ステーション。スペースシャトルから撮影。(提供:NASA)

ほぼ完成した国際宇宙ステーション。スペースシャトルから撮影。(提供:NASA)

 宇宙から地球や宇宙の光景を伝える手段として、野口さんはTwitterに画像を頻繁にアップしている。さらに「皆さんの感想もちゃんと読んでいますよ」とユーザーの反応を楽しんでいる。Twitterには自分の故郷を撮影して、というリクエストも多く寄せられる一方で、「ここどこかな?」と野口さんから地上に問いかけたりしている。宇宙と地上のやりとりの新しいスタイルを始めるのに、デジモノ好きでサービス精神旺盛な野口さんほど適任はいないだろう。これは画期的なことだ。

 さて、この会見の翌日、スペースシャトルは宇宙ステーションから離れて、宇宙ステーションを撮影した。その様子がNASAテレビで生中継されていたのだが、ステーションに太陽光が差し、宇宙の暗闇から全容を表して黄金に輝くのを見たとき、鳥肌がたつほど感動してしまった。「この光景を宇宙で見るってなんという体験なんだろう」と。まさに神の目? 子どもに興奮気味に話したら「母さん、宇宙オタクだね」と冷たい目で見られたけれど。