メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2010年 7月号(No.158)
  • 協和発酵キリン株式会社
  • データ統合プラットフォーム「PowerCenter」導入事例
  • クラウド化を見据えた「トランザクションHub」構築により
    運用・保守の生産性向上を実現

協和発酵工業株式会社とキリンファーマ株式会社との経営統合によって2008年10月に誕生した協和発酵キリン株式会社。同社は、自社で扱うトランザクションデータの構造を一義的に定義し、データのつながりを一元化するトランザクションHubの構築にあたり、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)が提案したデータ統合プラットフォーム「PowerCenter」を採用しました。2010年1月に本格稼働を迎えたトランザクションHubによって、運用・保守プロセスにおける生産性向上とコスト削減を達成。将来利用が見込まれるクラウドコンピューティング環境からもデータを取り込み、全社データの統合基盤として機能させる計画です。

写真:拠点と研究風景

サンディエゴの拠点(写真左)と医薬品の研究風景(写真右)

人物写真

情報システム部
マネジャー
佐々木 辰也

人物写真

情報システム部
大久保 誠

SaaS化を見据えたデータ統合で
“適材適所”を支える基盤を整備

 協和発酵キリンが競争力の源泉となるITに求めるのは、広範囲な業務領域をカバーした単一のERPパッケージを採用することなく、業務単位で最適なシステムを導入する“適材適所”の考え方です。
 こうして複数のシステムを運用してきた同社には、複数のシステムにまたがって管理されるデータを集中的に把握しておくDOA(Data Oriented Approach)という文化が根付いており、製品に関する情報などのマスタデータはマスタHubで管理しています。
 今回、基幹系3システム(生産管理、販売・物流、原価計算)の再構築にあわせ、トランザクションデータのつながりを一元化するシステムの導入プロジェクトが始まりました。複数のシステム間で発生するデータのやり取りを疎結合インタフェースとして、一義的なトランザクションデータを蓄積するトランザクションHubの構築が目標です。
 これにより、すでに構築されているマスタHubとあわせ、企業の重要な核となるデータ資産をHub上で一元管理することが可能となります。さらに、将来の利用を想定するSaaSアプリケーションとのデータ連携基盤として活用範囲を拡大することも視野に、システム選定を行いました。
 同社 情報システム部 マネジャー 佐々木 辰也氏は、次のように語ります。
 「TCOに占めるインフラの維持管理コストの比率が高まり、その低減策として、SaaS化の検討を進めています。ところが、個別システム間を結ぶインタフェースでデータ活用を図ってきた従来環境のまま外部サービスに切り替えてしまえば、結果として人手による処理が増え、効率性が損なわれるリスクを抱えてしまいます。あらかじめトランザクションHubを構築しておくことで、業務に最適なシステム構成を維持しながら、中長期的な視点としてのアーキテクチャ実現を目指したのです」

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選択のポイントは堅牢性と
運用・保守の生産性向上

 協和発酵キリンは2008年11月、複数ベンダーからの提案を製品とシステムインテグレーション力という2つの側面から検討。MDITが提案した「PowerCenter」の導入を決めました。
 「基幹データを扱うデータ統合プラットフォームには、何よりも堅牢性が求められます。『PowerCenter』は多くの導入実績があり、安定性の高さが評価されています。また、万一ダウンしたとしても代替機で処理を継続できる機能により、ダウンタイムを最小化できると確信しました。さらに、業務アプリケーションの仕様変更や追加開発に伴う影響範囲をいち早く特定できるなど、保守の生産性向上が期待できる点も、『PowerCenter』を選択した大きな理由です」(佐々木氏)
 トランザクションデータの意味を正確に判断し、確実に処理できることも選択のポイントになりました。情報システム部 大久保 誠氏は、「対象システムが違ってもデータ変換ロジックを共通利用できるなど、われわれが重視したデータの部品化や再利用を支援してくれる機能が優れていると評価しました」と語ります。
 導入パートナーの選定は、情報システム構築の技術力を重視しました。「MDITは、メタデータ管理などのモデリングの技術力に定評があり、その信頼性の高さから採用を決定しました」(佐々木氏)

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保守性と拡張性を向上する
3階層のアーキテクチャを採用

 協和発酵キリンがトランザクションHub構築において最も重視したのは、データ連携するシステムからの影響を極力排除することでした。そのため、2009年2月から3月にかけて行われたトランザクションHubのアーキテクチャ設計フェーズでは、保守性や拡張性の向上を実現する手段として、独立した機能を提供するインタフェース層、Hub層、データストア層の3階層構造を採用することに決めました。この3階層構造により、業務システムごとに異なる接続形態の違いをインタフェース層で吸収できます。
 「将来SaaSアプリケーションを利用するときにおいても、対象システムが増えるだけで、変更に伴う影響を最小限に抑えることができます」(佐々木氏)

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仕様変更への柔軟な対応とともに
保守性の向上を実現

 2009年後半からトランザクションHubの機能の一部を本稼働させました。具体的には、ホストコンピュータ上の既存基幹システムから、新基幹システムで利用するデータの蓄積を行い、それと並行してトランザクションHubと新基幹システムとの間のデータマッピング作業を進めました。
 「基幹システムを再構築する過程で生じた細かい仕様変更に伴い、トランザクションHub構築でも手戻りが発生しましたが、『PowerCenter』の柔軟性の高さにより、スケジュール通りにプロジェクトを進めることができました」(大久保氏)
 新基幹システムは、2010年1月に販売物流システム、2月に原価計算システムが本稼働を開始。トランザクションHub構築によるシステムインタフェースの一元化により、保守性は高いレベルで維持されています。同年夏には生産管理システムの稼働が予定されており、プロジェクトの第1フェーズがそこで完了することになります。
 今後は、グループ企業である協和発酵バイオ、協和発酵ケミカル、協和メデックスとのデータ連携を進めていく計画です。

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人事から購買、SCMへと
SaaS化に向けた準備を推進

 協和発酵キリンでは、すでに長期目標であるSaaS活用に向けた作業にも着手しています。「人事データは外部サービスに対応する準備が整いました」と佐々木氏が語る通り、購買システム、SCMシステムへと、SaaSを適用していく計画や将来構想を策定中です。
 「情報システム部の役割は、当社に根付いているDOAの文化を継承し、業務アプリケーションを支える柔軟なデータモデルでビジネスに役立つITを提供することにあります。今後もモデリング技術のスキル強化を図りながら、その役割を果たすことに注力していきます」と佐々木氏は語ります。
 DOAに基づき、ビジネスの変化に柔軟に対応するIT基盤整備を進める協和発酵キリン。抗体技術、バイオテクノロジーをはじめとした強みの融合と強化により、継続的な新薬創出を実現することで社会へ貢献していきます。

*「Informatica PowerCenter」は、Informatica Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。その他記載されている会社名、製品名、ロゴ等は、各社の商標または登録商標です。

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説明図

クラウド化への移行イメージ

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