メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2010年 7月号(No.158)
  • 大阪成蹊短期大学
  • 汎用熱・流体解析パッケージ「Flow Designer」導入事例
  • Flow Designerによるシミュレーションで
    工場の環境改善に貢献する
    空調フィルタの研究を効率的に推進

5学科10コースからなる多彩な学びの場を提供する大阪成蹊短期大学は、実践的なカリキュラムにより即戦力養成を推進しています。そこで、講義を行う教授陣は先進的な研究にも取り組んでいます。その1つが、エレクトレット素材(外部電界がなくても半永久的に電気分極を保持した物質)を用いた筒状の空調フィルタ(ソックスフィルタ)の効果確認のための気流解析の研究です。同大学は気流解析を行うツールとして、株式会社アドバンスドナレッジ研究所が開発し、三菱電機情報ネットワーク株式会社(MIND)が販売する「Flow Designer(フローデザイナー)」を導入。風の流れ、温度、汚染度のシミュレーションにより、環境改善に最適な空調フィルタの研究を効率的に推進しています。

写真:校内風景

少人数制の授業、豊富な実習などにより、即戦力として活躍できる人材を育成する大阪成蹊短期大学

人物写真

大阪成蹊短期大学
総合生活学科 教授
安藤 勝敏

先進的な素材研究の一環として
シミュレーションツールが必要に

 大阪成蹊短期大学は、少人数制の授業、豊富な実習に加え、幅広い資格・免許の取得制度を設置するなど、即戦力となる人材育成の充実化を図っています。
 「総合生活学科」でアパレル繊維学、ファッションビジネス論、材料学実験などを担当する安藤 勝敏教授は、講義について次のように話します。
 「デザイン、企画、販売などファッション関係の仕事に就くためには素材、すなわち繊維のことを十分に理解しておくことが大切です。授業では様々な繊維の性質や特性などを踏まえ、用途に応じた使い分けや扱い方など将来に役立つ知識を勉強していきます」
 長年にわたって繊維素材の研究に従事する安藤氏のテーマの1つが、エレクトレット素材を用いた空調フィルタ(ソックスフィルタ)の気流解析です。
 ソックスフィルタと呼ばれる空調フィルタは、細長い円筒形状にすることで表面積を増やし、気流速度を緩やかにします。その結果、作業者の体感温度の低下を防止できるだけでなく、素材の半永久的な電荷による吸着効果と併せて塵埃の捕集効率向上を実現できます。主に温度管理や衛生管理の厳しい食品、薬品、電子工場内などで使用されています」と安藤氏は説明します。
 安藤氏はソックスフィルタを使用することで、解析領域の気流の変化や、それに伴う温度分布、汚染度分布の変化について研究しています。
 「このような研究は、現場実測だけではスムーズに進めることができません。効率的に研究を進めるためには、取り扱いが簡単で高精度な数値解析ツールを活用することが不可欠でした」と安藤氏は語ります。

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環境改善効果を簡単な操作で
ビジュアル化できる点を評価

 環境改善の解析ツールを調査するなか、安藤氏は汎用熱・流体解析パッケージ「Flow Designer」を超微粒子学会の機器展示の会場で操作体験しました。
 「『Flow Designer』はモデル化、境界条件などの設定が容易なうえ、気流や温度のシミュレーションができるだけでなく、フィルタのモデル化を行う時に捕集効率も設定することができます。また、シミュレーション結果をわかりやすくビジュアル化することが可能です。シンプルな操作で、肉眼では認識できないことを簡単に分布図やアニメーション動画として表すことができるのです。シミュレーション結果は動画ファイル(AVIファイル)として保存もできるので、プレゼンテーション等にも活用することもできます。これらの特長に加え、MINDに解析していただいたサンプルデータが実測値に近い結果を得られ、シミュレーションの有効性を確認できたことが、導入の決め手となりました」(安藤氏)

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的確な解析・実験による見える化で
効率的な環境改善効果の研究を実現

 ソックスフィルタの解析シミュレーションは、食品工場をモデル化して行われました。気流によって、温度分布、汚染度分布が一定時間後にどのように変化するか、従来の空調とソックスフィルタ空調の2つの条件でシミュレーションしました。
 その結果について、安藤氏は次のように語ります。
 「従来の空調は場所により不均一な速度分布が見られ、室温にも偏りがありましたが、ソックスフィルタ空調では、速度分布、温度分布ともにほぼ均一になることが確認できました」
 しかも、作業者にあたる冷気も弱く、体感温度を下げないため快適な作業環境を実現する見通しも得ることができました。またフィルタの捕集効率がエレクトレット効果で高く、外部から取り入れる空気中の塵埃を十分に清浄化できます。
 「『Flow Designer』はこうしたシミュレーションの結果を説得力のある形として、わかりやすくビジュアル化することができました。シミュレーションを行うにあたり、パラメータ設定や『Flow Designer』の操作などをMINDにサポートしていただいたことで、スムーズに進めることができました」(安藤氏)
 また、ソックスフィルタの設置数を変更することによって、気流の速さと汚染度分布にどのような影響が出るか、ソックスフィルタを設置しない場合、30本の場合、21本の場合で、シミュレーションを実施(図参照)。その結果、ソックスフィルタを設置しない場合では気流が速く、汚染度が高い状態でしたが、ソックスフィルタが30本と21本のいずれにおいても、食品工場として望まれる微風で、クリーンな状態を確保できることが確認できました。
 さらに、工場を拡張する場合に、気流の変化とそれに伴う温度分布、汚染度分布にどのような影響が出るかシミュレーションを行いました。
 「その結果、敷地拡張に対する室内環境の最適化を図ることができました。『Flow Designer』は、工事前にこのようなシミュレーションを簡単に行うことができます」と安藤氏は語ります。

説明図

シンプルな操作で、シミュレーション結果をわかりやすくビジュアル化

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Flow Designerのさらなる活用で
環境改善を効率的に推進

 2005年の導入以降、安藤氏は研究活動を支える重要なツールとして「Flow Designer」を活用しています。
 「今後は、環境に配慮したより優れた材料の研究を進めていく計画です。また、フィルタの形状開発にも『Flow Designer』を活用していきたいと考えています。最新版の『Flow Designer』では快適性指標の計算機能も搭載されており、より人にやさしい環境で工場内のクリーン化を実現することができます」と安藤氏は語ります。
 大阪成蹊短期大学は、材料の研究をベースにした先進的な環境改善の研究を通じて、社会に貢献していきます。

※ Flow Designerは、開発元である株式会社アドバンスドナレッジ研究所の登録商標です。

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説明図

ソックスフィルタ設置数変更のシミュレーション

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