メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2010年 10月号(No.160)
  • 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院
  • 社会保障カード実証事業
  • 高度なセキュリティー基盤を駆使して
    医療情報などを安心・安全にアクセスする 実証事業を先駆的に推進

南房総地域で多様な医療・介護サービスを提供する医療法人鉄蕉会 亀田総合病院では、常に“患者さまのQOL(生活の質)向上”という理念に基づき、地域医療連携ネットワーク「PLANET」による診療記録(カルテ)の共有、閲覧など、積極的なIT活用を推進しています。2009年に、厚生労働省が進める“社会保障カード(仮称)”の実証事業として選定され、三菱電機グループの支援のもと、地域の社会保障関連のシステムが連携するための情報基盤を構築しました。6,000人を超える地域住民が参加した実証事業からは、安全性と利便性が両立した情報サービスの実現につながる様々な成果が生まれています。

画像:亀田総合病院外観

高度なセキュリティー基盤を構築し、実証事業を推進した医療法人鉄蕉会 亀田総合病院

人物写真

医療法人鉄蕉会 亀田総合病院
院長
亀田 信介

人物写真

医療法人鉄蕉会 医療管理本部
カスタマーリレーション部
部長代理
山田 剛士

人物写真

医療法人鉄蕉会 医療管理本部
カスタマーリレーション部
大久保 優

超長寿化社会を支える
住民サービスの実証事業

 2009年8月に、厚生労働省が中心となって進める「社会保障カード(仮称)の制度設計に向けた検討のための実証事業」の1つとして選定された医療法人鉄蕉会。同年11月から鉄蕉会は千葉県鴨川市とともに、厚生労働省が掲げる「ICカードによる資格確認、中継データベース(中継DB)を通じた各機関の情報連携、社会保障制度における利用者自らの情報閲覧などの基本的な機能についての実証」に向けた具体的な取り組みを推進してきました。
 この取り組みでは2種類の社会保障カードを発行しました。鉄蕉会が運営する亀田総合病院の健康保険組合員を対象とした“保険証カード”と、鴨川市の国民健康保険加入者を対象とした“鴨川市民カード”です。これらの社会保障カードにより利用者本人であることを認証した上で、保険者が管理する医療費のお知らせや健診結果などの情報、鉄蕉会が管理する診療記録(カルテ)などの情報の閲覧を利用者の自宅などからでも可能とする仕組みを構築し、実証するものです。2002年から鉄蕉会が運用している、診療記録を本人と医療機関が共有、閲覧できる「PLANET」も今回の実証事業により、社会保障カードで利用できるようになります。
 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院院長の亀田信介氏は、実証事業の推進を決断した根底には、社会基盤を抜本的に改革するモデル地域づくりを目指す明確な方針があったと語ります。
 「私どもは“超長寿化”社会を前提に、住民が健康で楽しく暮らせる、環境にも配慮したコミュニティーが必要だと考えています。これは医療・介護だけに閉じた世界ではありません。まずコミュニティーがどうあるべきかというビジョンを描き、共有する。こうした基本的な方向性を明確にした“ソリューションフォーカス”という考え方に基づき、情報共有などの実現手段を地域全体で明確にしていくということです。その取り組みの1つが、今回の社会保障カードの実証事業でした」

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高度なセキュリティーを確保した上で
利便性の高い認証基盤を構築

 鉄蕉会が実施主体となり実証事業を進めるにあたって、まず重視したのが、セキュリティーです。
 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 カスタマーリレーション部 部長代理の山田剛士氏は、次のように語ります。「実証事業では、利用者がインターネット経由で、医療情報や年金記録などの機微な情報をアクセスします。そのためには、高度なセキュリティー要件が定められている厚生労働省の『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』に準拠する必要がありました。また、ICカードを使ったPKI(Public Key Infrastructure)による利用者個人の認証から、ネットワーク上のセキュリティー確保まで、多岐にわたるセキュリティー技術が必要でした」
 そこで、鉄蕉会では認証基盤である中継DBを中核としたシステム構築を支援するパートナーの選定を開始。検討した結果、三菱電機グループを選定しました。その理由を山田氏は次のように語ります。
 「三菱電機グループには、実証事業に必要なセキュリティーソリューションがすべて揃っているため、限られた期間で構築し、運用を実現することが可能だと判断しました」
 今回の実証事業は三菱電機グループ4社が連携してシステム構築・運用を行いました。三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)がシステムの中核となる中継DBの構築や全体のシステムインテグレーションを推進。株式会社テクノウェアは中継DB上のアプリケーションを開発。三菱電機情報ネットワーク株式会社(MIND)がセキュアなネットワークを提供。ジャパンネット株式会社が認証局を運用しています。
 実証事業を推進するにあたり、もう1つのポイントになったのが、利便性です。鉄蕉会では、医療や年金など異なるサービスを1つのIDで利用できるID管理技術を用いることで、利便性の高い認証基盤を構築しました。
 「私どもが目指したのは、利用者にとって価値の高い仕組み作りです。これには高度なセキュリティー技術の導入が前提となりますが、利用者の負荷を増大させるのであれば活用していただけません。今回構築したシステムは、一度の入力で複数のシステムを利用できるシングルサインオンにより、必要な情報にアクセスが可能です。さらに医療や介護情報を提供する機関は現行のシステムのままで、情報の管理責任も明確な状態で運用できます。利用者からの要求を的確に振り分け、個人を特定できる認証基盤は、利用者と運営主体の双方にとって、非常に有効だと思います」(山田氏)

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中継DBを基盤とした実証事業の
成果を活かし、完成度向上を推進

 2010年4月から7月まで行われた実証事業の利用者数は、6,000名以上に達しました。
 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 カスタマーリレーション部の大久保優氏は、次のように語ります。「これだけの規模の利用者に実際にシステムを使用していただいたことは、実証事業として大きな意義があります。利用者の方々からも『使いやすい』、『どこでも使えて便利』などと高い評価をいただいています」
 亀田氏は、「今回の実証事業で中継DBの有効性を確認することができました。特に、安心・安全に各機関と情報連携でき、サービス範囲を容易に拡大していけるメリットは非常に大きい」と語ります。
 こうした成果は厚生労働省に報告され、社会保障カードの実用化に向け活用されていく予定です。今回実現した仕組みは、これからの超長寿化社会を支えるコミュニティーのモデルシステムになる可能性を秘めています。
 「一地域ではなく、国全体で使えるレベルへと完成度を高めていく。そういう開発サイト、モデルサイトとしてこの地域を使ってもらい、世界一の長寿国家である日本に貢献したいと考えています」(亀田氏)
 医療法人鉄蕉会では、超長寿化社会に向けて、これからも先駆的なサービスを提供していきます。

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説明図

社会保障カード・ネットワークとサービス

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