メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2010年 11月号(No.161)
  • 青山学院大学
  • データ分析プラットフォーム「DIAPRISM」導入事例
  • eラーニング成績データの柔軟な分析基盤により
    学生1人ひとりへのきめ細かなフォローと
    PDCAサイクルの確立による“教育の質的向上”を実現

青山学院大学は、同学生が身につけるべき教養の1つに情報リテラシーを位置づけ、eラーニングによる全学共通教育を実践しています。そのIT講習会の受検記録や解答データを分析するために、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)のデータ分析プラットフォーム「DIAPRISM(ダイアプリズム)」を導入。短期間に「DIAPRISM」を中核とした分析基盤を構築しました。膨大なデータを分析、学生別に進捗状況を把握して指導に生かすとともに、出題内容の適正化も推進。eラーニングの効率的な推進にとどまらず、PDCAサイクル※1の確立によって“教育の質的向上”も実現しています。

画像:青山学院大学外観

eラーニングによる全学共通教育を実践し、PDCAサイクルの確立による“教育の質的向上”を実現した青山学院大学

人物写真

情報科学研究センター所長
社会情報学部 教授
宮川 裕之

人物写真

社会情報学部 教授
増永 良文

eラーニングによる全学共通教育の
分析基盤の再構築が不可欠に

 幅広い教養教育を重視した方針を掲げる青山学院大学では、「青山スタンダード」という独自の考え方により、知識偏重に陥らないための様々な教育施策を推進しています。なかでも、全学部共通の必修科目の1つである「情報スキルT」では、ネチケット(ネットワーク上のエチケット)、電子メールの使い方、PC、オフィスソフトの基本操作などの情報リテラシーを、同学の情報科学研究センター(情報センター)で行われる「IT講習会」を修了することで、単位認定とする制度を採用しています。
 IT講習会では、学生はeラーニングシステムによる自学自習を行い、コンピュータの自動判定で合否が決定されます。8科目からなるスキルチェックは、合格するまで何度でも受検することができ、学生個人のスキルの成熟度に応じた柔軟な教育プログラムとして、情報化社会で幅広く活躍できる人材育成に役立てられています。
 2003年度にスタートしたIT講習会の運営について、情報センター助手の竹内純人氏は、次のように当時を振り返ります。
 「情報センターでは、各学部の担当教員に対してIT講習会の運営状況についての報告を行いながら、講習内容の見直しや各学部での指導につなげています。しかし、当初は、eラーニングシステムの成績データを手作業で集計して、学部・学科別の履修者がわかる程度でした。担当教員からは、学生別の進捗状況や修了者の時系列推移など別の角度から成績データを見たいという要望がありましたが、レポートを1つ増やすにも、開発が必要であり、手間とコストがかかっていました」
 また、データの効果的な活用を妨げていた要因には、日々蓄積される膨大なデータ量の問題もありました。情報センター助手の中鉢直宏氏は、次のように指摘します。
 「毎年4,000名を超える学生が受検するIT講習会のスキルチェックは、8科目で100問以上あり、各問での正解不正解だけでなく、解答に要した時間も記録されます。そのため、受検に関するログは1,000万件近いペースで増え続けていました」
 その結果、eラーニングシステムの成績データベースから必要なデータを抽出・変換するだけで数時間を要する状態でした。「そこで、求められたのが、自らの手で様々な角度で、大量のデータをタイムリーに分析できるシステムでした」(竹内氏)

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データベースの権威が認めた分析基盤
短期間で開発、柔軟に運用できる点も評価

 新たなデータ分析システムの導入を後押しする大きなきっかけとなったのが、データベース技術の権威として知られ、日本データベース学会の会長も務める社会情報学部教授の増永良文氏の助言でした。
 「データを“1枚岩(フラットファイル)”に展開し、ビューを自由かつ高速に切り出すことができる『DIAPRISM』は、従来の成績データベースの課題を解決するソリューションであると判断し、導入を進言しました」
 青山学院大学は「DIAPRISM」の導入を決定。自ら分析システムを柔軟に設計・運用できるETL※2機能を利用し、わずか2ヵ月でIT講習会の総合分析システムを構築しました。
 「成績データに関わる複雑な構成のテーブルからのデータ抽出を分析要件ごとに『DIAPRISM』のETLツールを利用してデータ加工、抽出処理を定義、分析用テーブルを作成しています。MDITにサポートいただいたこともあり、スムーズに開発を進めることができました」(竹内氏)

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きめ細かなフォローと
高精度分析による出題の適正化を実現

 2008年4月に本稼働となった総合分析システムにより、IT講習会の運営は大きく変わりました。日次もしくは即時で成績データベースからデータを「DIAPRISM」に転送。「DIAPRISM」には、常に最新の成績データが蓄積され、クライアント側では、使い慣れたExcelで必要なレポートを即座に作成できます。従来は煩雑な手作業が必要だった「学生別の学習進捗一覧」「問題別の正答率」「学部・学科別の修了者推移」などのレポートも迅速に作成できるようになりました。
 竹内氏は総合分析システムの導入効果を、次のように語ります。「学部・学科別の修了者推移などは従来、教務課に手作業で集計してもらっていました。それが現在は私どもの手元で簡単に作成でき、担当教員にも正確なデータに基づく最新レポートを提出できるようになりました。また、個々人の学習進捗が、ビジュアルに一覧表示できるようになり、瞬時に状況を把握できるようになりました」
 情報科学研究センター所長の宮川裕之氏は、次のように語ります。「IT講習会の運営で重要なのは、各学部との情報連携です。総合分析システムの導入により、学部の担当教員に個別教育に近い形で学習の進捗情報を提供できるようになりました。その結果、学生1人ひとりへのきめ細かなフォローもでき、各学部で指導方針が立てやすくなりました。また、成績データの分析とその対策を継続的に実践することで、教育の質的向上も実現できました。効率化ばかりが注目されていた全学共通のeラーニングですが、今回の成果によって、その見方も変わるかもしれません」
 総合分析システムは、IT講習会のコンテンツ改善にも貢献しています。情報センター助教の阿部慶賀氏はこう話します。「IT講習会では、TOEICなど大規模資格テストで使われるようなテスト理論を用い、スキルチェックで出題する問題の適正化、標準化を図っていますが、そこで重要なのは分析対象となる成績データの量と質です。『DIAPRISM』の導入によって大量のデータを手軽に、高い精度で分析できるようになりました。これは学生への教育だけでなく、私どもの研究にも役立っています」

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教育のPDCAサイクル確立と
様々な用途への利用拡大を推進

 IT講習会総合分析システムの導入で、青山学院大学は「PDCAサイクル確立による“教育の質的向上”」という目標に向けて大きく前進しました。同学では今後、「DIAPRISM」をIT講習会以外でも分析プラットフォームとして活用していくことも検討されています。
 「膨大な成績データが発生するのはIT講習会に限りません。学内からは入学試験の成績データを分析できないかという声も聞かれます。柔軟な運用性を備えた『DIAPRISM』は、様々な用途に活用できる分析プラットフォームとして、大きな可能性を秘めています」(竹内氏)
 青山学院大学は、これからも先進教育を推進することで、時代の要請に応える大学の創出を目指していきます。

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説明図

システム構成イメージ


※1 PDCAサイクル:計画(Plan)、実施・実行(Do)、点検・評価(Check)、改善(Action)のプロセスを順番に実施し、
   最後のActionを次のPlanにつなげる継続改善のスパイラル
※2 ETL:Extract(データの読込み)、 Transform(変換)、 Load(書込み)

集合写真

前列左から 情報科学研究センター所長 宮川裕之 氏、 社会情報学部 教授 増永良文 氏、情報科学研究センター 助手 竹内純人 氏、
後列左から 同 助教 阿部慶賀 氏、同 助手 中鉢直宏 氏

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