メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2012年 1・2月号(No.173)
  • 飯田市立病院
  • 無線LANシステム 導入事例
  • セキュリティー強化を実現する認証システムと
    集中管理型の無線LAN管理システムにより
    先進の医療サービスを支える基盤を構築

長野県の南部、南アルプスや中央アルプス連峰を望む高台に立地する地域医療支援病院の飯田市立病院。同病院は、2003年に無線LANシステムを構築し、電子カルテを利用した先駆的なベッドサイド診療を行っています。そして、さらなる患者様への医療サービスの向上に向けて、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)の支援を受けて無線LANシステムを刷新し、ネットワーク品質のさらなる向上を図りました。さらに、集中管理型の無線LAN管理システムによる運用負荷の軽減と認証システムによるセキュリティー強化を実現しています。

画像:飯田市立病院

南信地方の中核病院として、質の高い医療を提供している飯田市立病院

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医療情報部
情報管理係 主任
熊谷 敏克

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医療情報部
情報管理係
伊藤 健一郎

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医療情報部
情報管理係
栗下 貴之

品質向上と運用負荷軽減に向けて
最新の無線LANシステムに刷新

 1951年に開院した飯田市立病院は、飯田市および下伊那地区全域をカバーする南信地方の中核病院です。同病院では、医療スタッフの育成強化とともに、最新型の医療機器を積極的に導入し、高次医療機関としての役割を担っています。敷地内にはヘリポートを設置して救急ヘリ搬送に対応。2013年度には、救急医療のさらなる充実に向けて新棟を増築する予定です。
 良質な医療の提供を基本方針とする同病院では、全病棟に無線LANシステムを導入し、病室内にノートPCを持ち込み、電子カルテの閲覧・入力等を行っています。医療情報部 情報管理係 主任の熊谷敏克氏は「従来は看護師がナースステーションで電子カルテを確認し、病室で医師が患者様を診療、再びナースステーションに戻って診療内容を電子カルテに入力していました。これが無線LANの導入により、病室内で電子カルテの診療情報を患者様と確認するなど、インフォームド・コンセントに基づいたより的確な診療が可能になりました」と語ります。
 ところが、2003年に導入した従来の無線LANシステムは、旧仕様の規格のため、その後新しく導入する機器には対応できませんでした。また、故障時の代替品が入手困難になったことから、将来的な運用に課題が残されていました。
 さらに懸念されていたことは、無線LANの運用・管理です。医療情報部 情報管理係の伊藤健一郎氏は、次のように振り返ります。
 「無線LANのアクセスポイントは約90台あります。その管理は少人数で行っているため、設定変更などのメンテナンスや障害の特定・解決に大きな負荷がかかっている状況でした」

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基幹ネットワークの安定稼働と
マルチベンダー対応、構築実績を重視

 こうした課題解決に向け、飯田市立病院は無線LANシステムの刷新を決断。複数のベンダーを検討した中からMDITをパートナーに選定し、2010年9月から2011年1月にかけて段階的に新たな無線LANシステムを構築しました。MDITを選定した理由を伊藤氏は次のように語ります。
 「マルチベンダー対応で最適な機器を組み合わせるMDITの提案は、受付窓口も一本化でき、保守・運用面の負荷を大きく軽減する優れたものでした。また、無線LANシステムの構築実績が豊富であり、運用フェーズにおいても的確な提案がいただけると判断しました」
 選定にあたり、同病院の基幹ネットワークの保守サポートをMDITに委託していたこともポイントになりました。医療情報部 情報管理係の栗下貴之氏は「信頼性を最も重視する基幹ネットワークにおいて、きめ細かな対応で私どもの要望に応えていただいた実績を重視しました」と強調します。
 新無線LANシステムでは、管理負荷軽減に向け、設定変更や障害対応などの作業を管理者のPCから一元的に管理する方式を採用しました。また、無線LANコントロール用のサーバや認証サーバを冗長化し、可用性を向上しています。
 同病院の無線LANの活用はPCだけにとどまりません。ポータブル型の心電図記憶装置やエコー装置を病室に持ち込み、測定したデータを無線LANで医療用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)に転送することなどにも活用しています。
 「これまで紙への出力に限られていた心電図やエコーの情報が、デジタル化されたことにより職員間で共有でき、管理も容易になりました」(伊藤氏)
 新システムを導入した当初は、エコー装置を有線LANと無線LANに同時接続し、ループ障害が発生したこともありました。「そのような時には、MDITのリモートサポートで問題箇所の検知と復旧に対処していただきました。その後はループ防止対策により、安定運用が実現しています」(栗下氏)

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アクセスポイントの集中管理と
「見える化」により、運用負荷を軽減

 無線LANシステムの刷新により、ネットワーク品質は大きく向上しました。「無線LANは安定稼働しており、安心して利用することができます。医師や看護師からも高評価を得ています」と伊藤氏は導入効果を語ります。
 また、無線LANのアクセスポイントを集中管理型としたことで、管理負荷が大幅に軽減し、担当者を新規システムの開発などのコア業務に注力することができるようになりました。さらに、故障や障害の発生時に管理用PCから異常箇所が視覚的に識別できるようになった結果、早期の対応と復旧が可能となっています。熊谷氏は「従来はアクセスポイントのSSID(Service Set IDentifier)を各フロア単位で手動設定していましたが、新システムでは自動割り振りとなり、管理負荷を軽減できました。また一部のアクセスポイントが故障したときには、隣接するアクセスポイントが障害エリアをカバーすることができます。今まではアクセスポイントを1つひとつ確認して故障箇所を特定していましたが、新システムではPC画面で瞬時に特定できるため、早期の復旧が可能です」と語ります。
 セキュリティーやIT統制の側面においても、効果が現れています。認証システムと連携している新無線LANシステムでは、未許可の無線機器の検出が容易で、ネットワークセキュリティーがより強固なものとなりました。
 MDITの長年にわたる基幹ネットワークの運用や、無線LANシステムの保守に対して熊谷氏は、「名古屋から飯田市の当病院まで、フットワークよく足を運んでいただき、止められないシステムを運用する私どもとしては、顔の見えるサービスに安心感があります」と評価します。

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患者様向けに提供する無線LANで
さらなるサービス向上へ

 高セキュリティー・高信頼性の無線LANシステムを構築した飯田市立病院は、このネットワーク基盤を活用して貸出用医療機器の位置検出にも活用し、さらなる管理の効率化を実現することも検討しています。さらに、入院している患者様や職員個人向けにも無線LAN環境を構築するとともに、スマートフォンやタブレット型PCなど多様な端末に対応し、さらなるサービスの向上を図っていくことも構想しています。将来的には、災害時におけるネットワーク環境を整備し、南信エリアにおける中核拠点としての役割を果たしていく計画です。
 飯田市立病院は、これからも地域住民に信頼される質の高い医療を提供していきます。

※インフォームド・コンセント【informed consent】手術などに際して、医師が病状や治療方針をわかりやすく説明し、患者の同意を得ること。

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画像:システム構成イメージ

システム構成イメージ

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