メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2012年 3月号(No.174)
  • 千葉工業大学
  • 演習室向けサーバ仮想化システム 導入事例
  • クラウドコンピューティング技術を用いた
    大規模IT教育環境の構築により
    次代を担うITスペシャリスト育成を推進

工学部・情報科学部・社会システム科学部の3学部11学科、大学院3研究科修士課程8専攻・博士後期課程3専攻に約1万人が学ぶ千葉工業大学(CIT)。同大学は、2011年3月に三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)の支援を受けて仮想化技術を用いた学生向け演習教育システムを再構築しました。仮想サーバと統合ストレージを連携した環境へ移行することで、管理コストと消費電力の削減とともに、質の高い教育環境を整備。新たな実習カリキュラムを学生に提供するなど、高度な技術を習得したITスペシャリストの育成を推進しています。

画像:千葉工業大学

最先端の設備を誇る実験室や研究室、演習室でITスペシャリストの育成を推進する千葉工業大学

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情報科学部
情報ネットワーク学科 教授
情報・メディア委員会副委員長
八島 由幸

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情報科学部
情報ネットワーク学科
教授
浮貝 雅裕

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情報システム課
課長
村上 吉信

即戦力として活躍する人材育成に向け
仮想型演習システムの再構築を決断

 現存する私立工科系単科大学のなかで最も長い歴史を有する千葉工業大学(CIT)。建学の精神である「師弟同行」と「自学自律」のもと、基礎学力、教養力、コミュニケーション力の強化に重点を置いた教育プログラムを実践しています。
 情報科学部 情報ネットワーク学科 教授の八島由幸氏は、自ら教鞭を執る情報ネットワーク学科の特徴を次のように語ります。「先進的なWebシステムの開発技術をはじめ、インターネットの基盤を支えるネットワーク技術、多様なメディアを使いこなすコミュニケーション技術を幅広く、かつ深く学ぶ教育プログラムを提供し、即戦力として活躍する人材を育成しています」
 同学部は、2006年4月に世界に先駆けて仮想基盤を用いた演習教育システムを構築しました。これは、種々のOSや通信ソフトウェアにかかわる根幹部分まで自ら触って体験的に学習できるように、学生1人ひとりに管理者権限を与え、複数の仮想マシンを利用したWeb-DB連携システムの開発、仮想スイッチを用いたVLAN環境でネットワーク管理などの実践的教育も可能とする画期的なものでした。それから約4年が経過した2010年、CITでは急速な仮想化技術の進展やハードウェアの性能向上などに鑑み、次期演習システム導入に関する検討を開始しました。
 「優れたITスペシャリストを育成するためには、最先端の仮想化技術を活用した教育環境を提供することが不可欠です。また、学生が利用しているサーバに突発的な不具合が生じた場合でも、演習時間内に迅速に復旧できるシステムが求められていました」と情報科学部 情報ネットワーク学科 教授 浮貝雅裕氏は当時を振り返ります。
 そこでCITは、クラウドコンピューティング技術を駆使した演習教育システムの再構築を決断しました。

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学生が利用する演習用
仮想マシン2,000台以上が稼働

 新たな演習教育システムを検討するなかで、CITは大規模システムの構築実績、提案内容、機能要件への適合性などを評価してMDITを導入パートナーに選定しました。浮貝氏は選定の理由を次のように語ります。
 「MDITの提案は、仮想マシンのバックアップ対策まで考慮に入れた包括的な内容で、これまでの運用で顕在化していた課題を解決し、きめ細かな演習環境を実現するものでした。また、2006年に当大学の演習教育システム構築を手がけ、安定運用を続けている実績と技術力の高さもポイントになりました」
 新たな演習教育システムの構築は、2010年9月にスタートし、2011年3月末にカットオーバーしました。演習用のサーバを61台から21台、インフラ用サーバを15台から6台に集約し、合計76台のサーバを27台に統合。さらに、仮想統合ストレージの導入によりハードウェア資源のプール化を実現し、多様なニーズに柔軟に対応できる構成としました。学生が利用するクライアントは、遠隔サポートに対応したワークステーションを180台導入しています。
 2,000台以上の仮想マシンを展開できる大規模なクラウドコンピューティング環境を約7ヵ月で構築できたことについて浮貝氏は、「2006年に高度な環境を構築した経験が生かせました。本学が有する大規模システム運用上のノウハウと仮想化を熟知したMDITの的確なサポートがあったからこそ、スケジュール通りに実現できました」と語ります。
 また、MDITのCEによるアドバイスをもとにした機器設置構成により、東日本大震災の際にも各機器にダメージを受けることはありませんでした。

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教育の質の向上をめざし
新たなカリキュラムを提供

 仮想サーバと統合ストレージを利用したクラウドコンピューティング環境の構築により、学生は授業内容に応じた仮想マシンを立ち上げて、利用するサーバに制限されることなく、柔軟に演習環境を利用できるようになりました。さらにシステムのパフォーマンスが向上した結果、仮想マシンの起動時間は従来の1/10程度に短縮。画面インタフェースの改善効果も加わり、学生は存分に演習授業などに取り組んでいます。
 CITでは教育の質的向上を目指す学長の方針に則り、JABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education)認定コースの導入に取り組んでいます。JABEEとは技術者教育プログラムの審査・認定を行う団体で、JABEE認定プログラムを修了した学生は国際的に通用する技術者教育を受けた者として認められます。
 「情報ネットワーク学科においても、2010年度に受けたJABEE認定審査の結果、『ネットワークコース』が新規認定プログラムとなりました。今回構築した演習システムは、『ネットワークコース』で開講されている『ネットワーク管理実習』などで早速活用されています」(浮貝氏)
 今回構築したシステムは、管理効率向上にも貢献しています。76台のサーバが27台に削減できたことで、管理コストの削減と消費電力の低減が実現しました。情報システム課 課長の村上吉信氏は「サーバの統合でサーバ台数が大幅に減り、管理の負担が減りました。消費電力は全体で約40%低減しています」と語ります。
 また、新たに導入したシステム運用支援ツールによるリモートサポートで、運用負荷の軽減と障害発生時の早期復旧が実現しています。

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クラウドコンピューティング環境を活用し
演習形態の多様化に対応

 CITでは今後、演習教育システムのさらなる充実を推進していく計画です。多様化する学生のレベルと社会ニーズに適した演習環境を構築し、新たなカリキュラムを通して教育の高度化を進めていく考えです。映像メディアの処理技術を研究する八島氏は「クラウドコンピューティング環境を画像配信や映像コミュニケーションの演習実習などに利用することも検討しています」と語ります。
 また、さらなる活用法として、仮想統合ストレージを用いた仮想マシンの一斉配布機能を活用しながら、演習内容のさらなる充実を図っていく予定です。
 「仮想統合ストレージの重複排除機能により、1人あたり数GBの仮想マシンもコンパクトに配布できるようになりました。教員が演習の前日に浮かんだアイデアもタイムリーに反映できるので、演習内容をより充実させることが可能です。情報システム課と連携・協力しながら構想の実現に取り組んでいきます」(浮貝氏)
 千葉工業大学は、演習教育システムを用いた教育カリキュラムの実施を通して柔軟な発想と感受性を備えた人材を育成し、ネットワーク社会の発展に貢献していきます。

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画像:システム構成イメージ

システム構成イメージ

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