メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2011年 5月号(No.166)
  • 日産自動車株式会社
  • 三菱ERPテンプレート「MELEBUS」導入事例
    MES業務コアアプリケーション「MELNAVI-AP」導入事例
  • ERPとMESを中核とする
    リチウムイオン電池の量産基盤を10ヵ月で構築し
    電気自動車のグローバル戦略を推進

日産自動車株式会社は、アライアンスを締結するルノーとともに、地球環境に配慮したゼロ・エミッション車の普及活動をグローバルで展開中です。同社は、この戦略の核となる電気自動車用高性能リチウムイオンバッテリー(LB)の量産基盤を、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の支援により構築しました。アドオン開発を極力排除し、ERP※1とMES※2の連携によって標準化されたシステムは、海外生産拠点への短期間での展開を可能とし、同社のゼロ・エミッション戦略の推進に貢献しています。

※1 ERP:Enterprise Resource Planning
※2 MES:Manufacturing Execution System

画像:日産グローバル本社

画像:日産リーフ

日産グローバル本社(写真右)と2010年12月より日本とアメリカで販売が開始された「日産リーフ」(写真上)

人物写真

グローバル情報システム本部
生産・SCMシステム部
部長
的場 保信

人物写真

グローバル情報システム本部
ISアーキテクチャー部
主担
渡辺 貴

人物写真

グローバル情報システム本部
ゼロエミッションシステム部
主査
柿 良幸

先進の技術革新が求められる
リチウムイオンバッテリー量産システム基盤の構築

 「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」ことを目標に掲げる日産自動車株式会社では、2010年12月に電気自動車(EV)「日産リーフ」 の販売を日本とアメリカで開始し、積極的にグローバル展開を進めています。
 すでに1992年からEVの要素技術であるリチウムイオンバッテリー(LB)の研究開発に着手していた同社は、2007年4月にEV用高性能LBの開発・製造等を行うオートモーティブエナジーサプライ株式会社(AESC)をNECグループと合弁で設立しました。その後も「日産リーフ」の量産化と「ゼロ・エミッション戦略」を具体化していくなかで、LBの量産化を支援する新たなシステム基盤の構築を決断しました。グローバル情報システム本部 生産・SCMシステム部 部長の的場保信氏は次のように当時を振り返ります。
 「LBの生産モデルは、私どもが今まで蓄積してきた自動車のモノ作りとは大きく異なります。技術集約型製品のLBは、技術革新のサイクルが早く、製造プロセスは刻々と変化していきます。そこに、すでに確立された自動車の製造プロセスや製造ノウハウを持ち込むべきでないと考えました。そのため、既存のノウハウにとらわれず、変化に対応しやすいシステムをゼロから構築するのがベストであると判断しました」

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プロセス生産にも適応した品質管理機能と完成度の高いテンプレートと入力ツールに加え
ERPとMESの親和性の高さが決め手に

 日産自動車はEV用LBの量産基盤構築にあたり、基幹システム(ERP)、MES、トレーサビリティの3つからなる統合システムとすることを決定しました。まず最初にモノ作りを支えるMESを選定したうえで、基幹システムとしてSAP ERPを採用しました。グローバル情報システム本部 ゼロエミッションシステム部 主査の柿 良幸氏は次のように語ります。
 「MESに関しては、プロセス生産に不可欠な品質管理機能が重要なポイントでした。『MELNAVI(メルナビ)』の充実した品質管理機能に加え、MDISが豊富な実績とノウハウを有していることを重視しました。ERPについては、製造業の業務ノウハウが凝縮されたテンプレート『MELEBUS(メリーバス)』で短期構築が実現できること、ExcelからERPに入力可能なデータ登録ツール『MALSY(マルシー)』で現場ユーザに大きな負担をかけずにスピーディに利用を始められることを評価しました。また、ERPとMESの親和性が高いことも評価し、MDISにお願いすることにしました」

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技術者達の緊密な連携により
高品質な量産基盤を10ヵ月で構築

 2009年11月にキックオフしたプロジェクトは、2010年8月にカットオーバーを迎え、10ヵ月の短期導入を実現しました。
 「ERP導入では、MALSYによってアドオン開発を抑制する方針を徹底し、機能・帳票・I/F系の追加開発は最終的に約30本程度に抑えました。これは、パッケージに業務を合わせるという方針を経営層から現場まで共通認識を持てたからこそ実現できたことです」(的場氏)
 また、SAP ERPを製造現場に展開する際にも工夫が凝らされています。ERP導入において、業務に合わせて入力画面や追加機能を開発することが多く、これがコスト増や構築期間長期化の原因となります。日産自動車では、操作性を向上させるためにSAP ERPに手を加えるのではなく、MALSYの機能を活用しExcelで代用することで、コスト抑制とユーザの使い勝手向上を両立させています。
 MES構築では、数万ポイントに及ぶ設備からの実績情報を数秒間ですべて処理する必要があり、設備側との信号処理をマルチスレッド化、マルチタスク化による処理能力の強化で対応しました。また、「MELNAVI」の標準機能をとことん利用することで短期間のシステム構築を実現しました。
 「システム間の親和性だけでなく、両システムの技術者達が緊密な連携をとり合うことにより、迅速に問題を切り分け対応いただきました。どちらのシステムも、かなりの部分の設定をパラメータ化してくれていたので、国内のみならずグローバルに展開できるシステム基盤をスケジュールどおりに構築できました」(柿氏)

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EVの新時代に向け
グローバルでの量産体制を構築へ

 システムの本稼働後、国内では部品表管理システムの導入が進められています。ここでも開発パートナーには、ERPおよびMES構築の実績が評価され、MDISが選定されました。
 グローバル展開に関しては、英国をはじめ海外4拠点のバッテリー生産拠点に向けて、国内で構築したシステム基盤のロールアウトを進めています。現在は、Concept & Requirement Phaseとして構想立案・追加要件定義を実施するとともに、保守会社へのスキルトランスファーなどをMDISの支援のもとで実施しています。的場氏は「標準機能を最大限活用し、変化に対しても柔軟に対応できる今回のシステムは、海外に短期間で展開するうえで、大きなアドバンテージとなっています」と強調します。
 日産自動車では現在、国内で約30、海外も合わせると約60ものEV関連のシステム開発プロジェクトが進行しています。そこで同社は、プロジェクトを横断的に管理しながら、経営層、開発現場、営業部門等と橋渡しを行う「ゼロエミッションプログラムオフィス」を立ち上げました。グローバル情報システム本部 ISアーキテクチャー部 主担の渡辺貴氏は次のように語ります。
 「プログラムオフィスでは、各部門が開発に集中できるように、マネジメント関連の業務を行っています。LB生産システムの海外展開に際しても、プログラムオフィスがコーディネートし、短期間の立ち上げを支援します。グローバルで年間50万基の生産体制を実現するべく、今後もグローバルマネジメント機能の可視化を推進していきます」
 日産自動車株式会社は、CO2排出量ゼロ、排気ガスゼロの電気自動車の生産と普及活動を通して、ゼロ・エミッション社会の実現を目指していきます。

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説明図

システム概要とグローバル展開計画

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