メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2011年 5月号(No.166)
  • モンテ物産株式会社
  • データ交換プラットフォーム「BizOrder」導入事例
  • 取引先とのFAXによる受注業務をメールとExcelをベースに電子化し
    手作業削減、業務効率化、利便性向上を実現

モンテ物産株式会社は、ワインをはじめ、パスタ、チーズなど厳選された食材を通じてイタリアの食文化を日本に紹介する専門商社です。同社は全体の約70%を占めるFAX受注業務の改善を図るにあたり、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)のデータ交換プラットフォーム「BizOrder(ビズオーダー)」を導入。メールとExcelを活用した受注データの自動取り込みにより、入力作業の削減をはじめとした受注業務の効率化を実現。さらにメールを活用したコミュニケーションにより、取引先に高い付加価値を提供しています。

画像:イタリアンショップ「Picco」

東京・渋谷区神宮前にある直営のイタリアンショップ「Picco(ピッコ)」。モンテ物産が扱うすべての商品が取り揃えられている

人物写真

総務部
情報システム
マネジャー
吉澤 洋二

人物写真

ロジスティクス部
国内物流グループ
チームリーダー
和泉 慶介

人物写真

営業管理
JSA認定 ワインアドバイザー
大久 浩美

入力負荷の削減に向けて
FAX受注業務の改善に着手

 1977年の設立以来、イタリア食材の専門商社として、日本におけるイタリアの食文化の普及に貢献してきたモンテ物産株式会社。同社は、スーパーやデパートのバイヤー、レストランのシェフ、ソムリエ、流通担当者などを対象に、イタリアワインと食材に関する最新情報を提供するイベントや勉強会を定期的に開催するとともに、一般消費者に対しても、ホームページや機関誌を通じてイタリア料理のレシピや現地情報などを提供しています。
 地域に密着した営業活動をモットーとするモンテ物産の取引先は、大手の卸売業者をはじめ、外食チェーン店、デパートやスーパーマーケット、酒販店など多岐にわたります。受注全体の約70%はFAXによるもので、現場の担当者は発注内容を見ながら、自社の業務システムにデータを手入力していました。総務部 情報システム マネジャーの吉澤洋二氏は次のように語ります。
 「手入力による受注処理は手間がかかるうえ、誤入力する可能性があります。また、FAXの文字が判読できない場合の確認作業や不達FAXによる受注漏れの発生など、このようなことは取引先に迷惑をかけるだけでなく、取引先へのお詫びや商品の至急配送など営業面でも大きな負荷が生じます」
 そこで同社は、正確な受注処理と業務の効率化を実現するシステムの検討を開始しました。

▲ ページトップに戻る

在庫補充の見える化の成果を応用し
メールによる受注システムを簡単に構築

 検討の結果、モンテ物産では、東芝ソリューション販売首都圏株式会社を通じてMDITのデータ交換プラットフォーム「BizOrder」の導入を決定しました。ロジスティクス部 国内物流グループ チームリーダーの和泉慶介氏は、選定の理由について次のように語ります。
 「当社では、2008年6月にVMI(Vendor-Managed inventory)を採用している取引先からの在庫補充業務改善のために、『BizOrder』のデータ交換機能を活用し、手作業で行っていた客先在庫(隠れ在庫)の補充量計算などを一部自動化して基幹システムに取り込むことで、在庫の可視化と管理の効率化を実現した実績があります。今回のFAX受注業務にも、この仕組みが応用できると考えました」
 吉澤氏は「MDITについては、当社のデータ分析システムで『DIAPRISM』を採用しており、その製品力、技術力、サポート対応を評価していました。データ活用における実績と安心感は大きな判断材料になりました」と語ります。
 また、受注業務の効率化を目的とした今回のシステム構築のポイントについて、吉澤氏は次のように語ります。
 「取引先のお客様の環境に依存しないことを重視し、普段から使い慣れているExcelを活用した仕組みとしました。発注用Excelシートのフォーマットは、従来からFAXで利用していた発注用紙と同様の形式としたため、スムーズに移行いただきます。『BizOrder』はExcelの各バージョンに対応しているだけでなく、メール以外にもHTTPやFTPなどの多様な入出力インタフェースに対応していることから、システム拡張の際に柔軟に対応することも評価しました」
 同社は、在庫管理システム構築のノウハウと「BizOrder」のデータ交換機能を生かし、メールとExcelをベースにした受注システムを構築。2009年1月から運用を開始しました。

▲ ページトップに戻る

受注業務の大幅な効率化と
取引先の利便性向上を実現

 新受注システムの構築により、モンテ物産では受注業務の大幅な効率化を実現しました。受注作業を担当する営業管理部門の大久浩美氏は、導入効果について次のように語ります。
 「手入力の手間が解消され、現在はデータチェックだけで受注業務が完了します。そのため、FAXによる受注と比較すると、約90%の作業量削減と時間短縮が実現しました。取引先から送付されるExcelデータに不備があった場合、エラーとして通知されるので、迅速に再依頼することで受注漏れを防ぐことができますし、受注メールの受信後は取引先に受注受付メールが自動返信されるため、取引先は着実に発注確認ができ、安心感向上にもつながっています」
 また、メールを活用したことで、様々な効果が創出されています。取引先とのコミュニケーションが活性化され、新商品発売の案内が手軽に行えるようになり、効果的かつ効率的な営業活動が展開できるようになりました。新商品の発売などによって更新される取引先の発注用シートは、メール添付で送付することで郵送によるタイムラグがなく、最新の発注用シートをすぐに利用いただけるようになりました。取引先と同社ともにペーパーレス化が促進されたという効果も現れています。
 さらに、従来のフリーダイヤルを利用したFAXから、リーズナブルなインターネットに切り替えることで通信コスト削減も実現しています。

▲ ページトップに戻る

データ交換の拡大と見える化により
取引先との業務の円滑化を着実に推進

 モンテ物産では今後、「BizOrder」で構築した新たな受注システムに未対応の取引先に対して移行の呼びかけを進めながら、さらなる利便性の向上と受注業務の効率化を進めていく計画です。
 大久氏は「倉庫からの発注など、メール環境が整っていないお客様に対しては、引き続きFAXによる受注を継続していきます。メールに移行することで利便性向上につながるお客様には、メール移行のご案内を引き続き進めていきます」と語ります。
 吉澤氏は「『BizOrder』による受注業務を現在の東京支店と大阪支店から全国の事業所へ拡大するだけでなく、データ交換の仕組みを受注業務や在庫管理以外でも活用し、新たなビジネスに適用することを検討しています。今後もMDITをパートナーにデータ活用を推進していきます」と語ります。
 モンテ物産は、これからも高品質で専門性の高い商品を提供していくことで、「価値ある豊かな生活」の実現に貢献していきます。

* 本文中に記載されている製品名は、各社の登録商標または商標です。

▲ ページトップに戻る

説明図

BizOrder による新システム導入前の課題と導入後の効果

▲ ページトップに戻る