メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • 巻頭特集

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2011年 7月号(No.168)
  • 新しいメディアとして急速に浸透が進むデジタルサイネージの最新動向と
    様々な業種・用途における活用事例

街頭の大型ディスプレイや電車内やタクシー、さらにスーパーマーケットの陳列棚など、様々な生活シーンで活用される「デジタルサイネージ」。これまでは「電子看板」という位置付けにとどまっていたデジタルサイネージは、配信システムの高度化などにより、「広告媒体」「リアルタイムな情報機器」「マーケティングツール」など、多様な用途で大きな付加価値を提供しています。今回は、多くの可能性を秘めたデジタルサイネージの最新動向と様々な分野における活用事例、普及拡大を推進するデジタルサイネージコンソーシアムについてご紹介します。

「ターゲットをセグメント化できる」ことが
従来のマスメディア広告との最大の相違点

 この数年で私たちの生活に急速に浸透し、さらなる革新への期待が高まるのがデジタルサイネージです。その普及拡大を推進するデジタルサイネージコンソーシアムでは、この新たなメディアを「屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所で、ネットワークに接続したディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムの総称」と定義しています。
 従来のマスメディア広告であるテレビ、新聞、雑誌とデジタルサイネージとの大きな違いは、「ターゲットをセグメント化」できる点にあります。マスメディア広告の多くが不特定多数の利用者を対象に発信されているのに対し、デジタルサイネージは、ディスプレイなどの表示装置の設置場所によって、セグメント化した特定の人を対象に広告や情報を発信することができます。例えば、スーパーマーケットの陳列棚などに配置したディスプレイを使って、買い物客に対し、該当商品のレシピや調理イメージ、関連広告を出す「消費者に一番近い場所での広告」として、大きな効果を発揮します。

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製品写真

スーパーマーケットの陳列棚などに配置したディスプレイに調理イメージ などを映し出し、
購買意識を高める「消費者に一番近い場所での広告」 として、大きな効果を発揮しているデジタルサイネージ

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業態を超え裾野を拡げる
国内外のデジタルサイネージ市場

 日本国内でデジタルサイネージの本格的な普及が始まったのは、2005年頃からです。当初は鉄道、空港、金融機関、大型商業施設などの公共機関や大手企業、その後は次第にその裾野を拡げ、流通業界、さらには個人商店や比較的規模が小さなチェーン店などでも目にするようになってきました。代表的な例としては、鉄道分野でジェイアール東日本企画が提供する「J・ADビジョン」、流通ではイオンがレジに設置した「イオンチャンネル」、またコンビニエンスストアのローソンで展開される「東京メディア」などがあります。特にJR品川駅の自由通路に44台の65型液晶ディスプレイが設置されたJ・ADビジョンは国内最大級の事例となっています。
 海外では北米、ヨーロッパ、中国、韓国などで導入が進んでいます。例えば、米国の大手スーパーマーケットであるウォルマートの店舗に設置された膨大な数のディスプレイは、TVメディアと並ぶ影響力を持つと言われています。また、高速道路脇の看板もデジタルサイネージ化されています。ヨーロッパでは、ショッピングモール、地下鉄、空港などで多くの適用例があります。中国では、鉄道、空港、さらにビルのエレベーターホールでデジタルサイネージが展開されています。大型ディスプレイメーカーがある韓国では、江南大路(カンナム・デロ)地区で、道を歩く人に、ユビキタス先端サービスやデジタルコンテンツを提供する高さ12mの「メディアポール」が22基設置されており、デジタルサイネージの代表事例となっています。

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単なる広告媒体にとどまらず
さらなる付加価値を提供

 このように様々な用途で期待が高まるデジタルサイネージですが、国内の市場創出/形成に向けた意見交換、調査研究、啓蒙活動を目的に、2007年6月に設立された標準化団体が「デジタルサイネージコンソーシアム」です。すでに134社(2011年6月6日現在)が加盟する一大組織である同コンソーシアムでは、デジタルサイネージの普及における課題として「コンテンツ配信の統一ルールの不在」「広告指標の不確定性」「利用方法および効果的なコンテンツの検証不足」「小規模広告主導入のためのスキーム不足」「デジタルサイネージの法的性質の曖昧さ」「産業・利用に関する統計・データの不足」をあげ、これらの解決に向けた取り組みを推進しています。
 「電子看板」という位置付けから始まったデジタルサイネージも、同コンソーシアムのこうした後押しを受けて、大きくその世界を広げつつあります。デジタルサイネージは、単なる広告媒体にとどまらず、情報提供という面においても様々な付加価値を創出するようになっています。
 例えば、デジタルサイネージの導入がもっとも進んでいるといわれる鉄道分野において、ジェイアール東日本企画が提供する「トレインチャンネル」は、広告機能と情報提供機能を効果的に組み合わせることで、ターゲットの利便性向上と広告効果の両立に成功しています。トレインチャンネルでは、電車の車内に設置された2つのディスプレイを使い、1つは電車の運行状況、もう1つは広告を表示しています。運行状況のディスプレイ表示に向けられた乗客の視線を、自然に広告のディスプレイに誘導できるようになっています。必要な情報を提供することで利用者の注意を喚起し、併せて広告媒体としての効果を高めるデジタルサイネージならではの手法です。また、高速無線通信を使って車内で表示されるコンテンツをリアルタイムで更新しながら、すべてのディスプレイに一斉に同じ情報を表示できる点も、デジタルサイネージのメリットです。
 従来の広告とはすでに一線を画すまでに成長を遂げたデジタルサイネージには、標準化の推進やシステム基盤の発展に伴い、今後も大きな革新が期待されています。

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説明図

「デジタルサイネージ大国」実現に向けたコンソーシアムの取り組み
出典:デジタルサイネージコンソーシアム

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