メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

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  • エキスパートインタビュー

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2011年 7月号(No.168)
  • 先端のディスプレイ技術・ネットワーク配信技術と効果的なコンテンツの組み合わせが
    日本をデジタルサイネージ大国に導く

人物写真

デジタルサイネージコンソーシアム
副理事長
阿良田 剛 氏

急速に普及拡大が進むデジタルサイネージ。欧米が先行しているとも言われるこの新たなメディアの活用において、日本は世界一のサイネージ大国となる大きなポテンシャルを秘めています。今回は、デジタルサイネージ産業が直面する課題の解決と新市場の創出などを推進する業界団体「デジタルサイネージコンソーシアム」の副理事長 阿良田 剛氏に、日本におけるデジタルサイネージの可能性や最新の技術動向などについて伺いました。

阿良田 剛(あらた・つよし)氏プロフィール
青山学院大学経営学部卒。1991年三菱電機株式会社入社。PHS、携帯電話の商品企画、広告販促に従事した後、2004年より戦略事業開発室にて、デジタルサイネージ事業推進を担当。2008年にデジタルサイネージコンソーシアム副理事長に就任。
URL:http://www.digital-signage.jp/ (新しいウインドウが開きます)

日本がサイネージ大国となり得る
3つの理由

 「日本は、世界一のデジタルサイネージ大国になる実力を十分に有していると考えています。その理由は3つあります。高度なディスプレイ技術とネットワーク配信技術、そしてアニメーションに代表されるコンテンツです」
 デジタルサイネージ普及拡大のための活動を推進している阿良田氏は、同マーケットにおける日本のポテンシャルについてこう強調します。
 「デスクなどで落ち着いてコンテンツを閲覧する場合とは異なり、デジタルサイネージの場合は、屋外や移動時などの短い時間で瞬間的に情報を伝達しなければなりません。このため文字だけの情報ではなく、アニメーションなど直観的な伝達力を備えたコンテンツをいかにして活用するかがポイントになります。日本は、ディスプレイやネットワーク配信などの高度な技術に加え、アニメーションについても優れた水準にあるため、欧米のデジタルサイネージ先進国に追いつき、追い越す実力を持っていると言えます」

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リアルタイムな情報の提供や
マーケティングツールとしての有効性

 デジタルサイネージが浸透するにつれ、その適用範囲も拡大しています。阿良田氏は、デジタルサイネージに期待される新たな用途について、いくつかの例をあげて説明します。
 「この3月に発生した東日本大震災において、交通手段が絶たれて帰宅できなくなった人たちが夜を明かした東京駅近隣のビルでは、デジタルサイネージを使ってNHKのニュースを流していました。電池切れ等で携帯電話が機能しなくなった状況下で、まさにリアルタイムな情報提供を行う公共機器として役割を発揮しました。このように、今後は災害時のインフラとして、デジタルサイネージが重要な位置付けとなる可能性があります」
 また、デジタルサイネージが情報提供だけでなく、情報収集のための手段として活用され始めている点も注目されています。「最近、品川駅などに配置された自動販売機では、近づいてきたユーザーをカメラで撮って、お奨めすべき商品を提示するという機能が搭載されています。どのような年代のユーザーが、どの時刻に、どんな商品を買っているかというマーケティング情報を収集するツールとして、デジタルサイネージを活用した好例と言えるでしょう」
 さらに、スマートフォン等の普及により、液晶ディスプレイを操作することへの抵抗感がなくなったことで、商業店舗の入口などに配置されたキオスク端末として、インタラクティブ・デジタルサイネージの活用にも期待が集まっています。阿良田氏は、「現在は店舗検索のレベルが多いですが、すでに非接触型ICカード技術を使って、携帯端末をかざすと店舗情報が取得できるといったサービスの提供も始まっています」と語ります。

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表示の精細度や配信技術の向上などの
デジタルサイネージの最新技術動向

 デジタルサイネージを支える技術ポイントとして、阿良田氏はまずディスプレイの精細度向上をあげます。「デジタルサイネージの訴求力をより高めるためには、表現の部分、つまりディスプレイが特に重要となります。最近のディスプレイにはLED光源が使われるようになっており、可視角度が大きく広がっています。これにより移動中の歩行者を含め、より多くの人が情報や広告を目にすることができるようになりました」
 また、阿良田氏はネットワーク配信技術の重要性も指摘します。「1つの例として、三菱電機が提供するデジタルサイネージソリューション『MEDIAWAY(メディアウェイ)』では、短時間でコンテンツ配信・更新ができる“スケールフリー配信”と呼ばれる仕組みを実現しています。通常はサーバから個々の表示用端末に1対1の形でデータを配信しますが、スケールフリー配信では、データを受信した端末が他の端末へ再配信する形を採用し、従来の約1/5という短時間で大量のコンテンツ配信が可能です。これにより、センターの配信管理サーバは、最大3,000台の表示端末を管理できるようになります。さらに、同ソリューションは、ストリーミング配信と蓄積配信の両方式をサポートする“ハイブリッド方式”を採用しています。このため通常の蓄積コンテンツを表示しながら、同時にイベントなどのライブ映像や緊急情報などを提供することができます」
 このような各種技術革新を取り入れることで、その提供サービスをより充実させながら、デジタルサイネージは、日々進化を遂げています。

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新しい文化と産業創造の
可能性を秘め、広がる裾野

 大規模かつ限定的な用途から、より一般化・細分化することで、さらにその拡大が予想される国内のデジタルサイネージ市場。今年2011年には、流通や店舗、さらに一般企業に至る中・小規模のターゲットで導入例が増加していくと予測されています。阿良田氏は、デジタルサイネージが持つ特性に今後ますます注目が集まり、新たな文化や産業構造創出の足掛かりになると話します。
 「いつでも、どこでも、誰にでも情報を伝えることができるという特性に加え、今だけ、ここでだけ、あなただけ、という明確な目的と効果を考えた情報発信ができる点が、他の仕組みと異なる大きな差別化のポイントです。デジタルサイネージは、これからも多様な変化を示しながら、大きく発展していくでしょう」

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説明図

大規模かつ限定的な用途から、より一般化・細分化して
拡大を遂げるデジタルサイネージ

出典:デジタルサイネージコンソーシアム

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